教師と卒業生の会話
社会人になっている同士での会話
「ほう、卒業後に新たに従魔が増えたか・・・・・。って、増えすぎだろ!!」
「フエスギダロー」
久しぶりにバッバンノ先生に出会ったので、僕らは首都にあるカフェにて話をしていた。
テラス席なのでこのメンバーだと目立つけど・・・・人数と体格的に店内には入れなかったからね。
ヤマちゃんがいるのでハクロとヤタは離れた場所にいるけど。トラウマ抱えすぎでしょ・・・。
「今はこちらのルミナスと冒険者グループ『快進撃』ということで活動しています」
「どうも」
「こちらこそ、うちの卒業生と組んでくれてどうも」
ルミナスが礼をすると、先生の方も礼を返した。
「しかし・・・普通魔物使いは2~3体ほどぐらいの従魔だぞ。それで他の冒険者達と組んで活動するのだが・・・おまえの場合、ソロでも十分すぎる状態じゃねーか」
「ジャネーカ」
バッバンノ先生が呆れたかのように言う。
「しかも、クイーンハーピーとアラクネだけでも相当なものだったのに、スライム?、スキュラ、水龍、ラミア・ドラゴン・・・・超希少種から神獣種までそろえているってなんでだよ・・・」
「ナンデダヨー」
さすがというか、一目で全員がなんのモンスターかわかったようである。
リーゼは人化しているし、ミアンはぱっと見ドラゴンの下半身があるけど浮いていない状態だと普通のラミアにも見えなくもないからね。
・・・でも、ロウに関しては疑問符が浮かんでいるんだ。
「そして、全部メスってなんでだよ」
「それは・・・・なんででしょうかね?」
「そういえば、先生はなんでここに?」
冒険者用学校の教師を普段しているはずだが・・・・・。
「休暇だよ。ここ最近忙しかったからな、観光でもと思って従魔を連れてな」
「ダー」
なるほどね。教師でも休みたい時は休みたいんもんね。
「僕らは護衛依頼を受けて、終わったので今ちょっと観光していました」
「依頼か・・・・そういえば、卒業してからずいぶん経つがどのぐらい腕を上げたんだとかそういうのをやりたかったが、その従魔たちの顔ぶれを見る限り相当だな」
全員を軽く見て、一目でその実力を見抜いているようである。
「まあ、冒険者用学校を卒業して結構立ちますし、僕らも結構成長しているんですよ」
「だが、冒険者業に慣れて、ある程度ランクが上がると傲慢さが出てくるからな。そのあたりには注意しろよ」
「わかりました」
冒険者ランクは上がれば上がるだけ上に行くのが難しくなる。
そして、あがりにくいのを嫌になってそこにとどまり続けて腐ってゆく冒険者もいるのだ。
そうならないように注意しないと・・・・・。
「まあ、そうなることはないでしょうね」
「・・・私たちも見ているから」
「ウミュ」
「そもそも、冒険者グループを組んでますので連帯責任にならないようにするわよ」
「兄様が腐らぬようにしておきますよ」
「しっかりしておるからのぅ」
「我輩も腐らぬようにしっかりとしておくのであります」
・・・・心配はなさそうだけど、逆に何か寒気を感じたんだが?
「あっはっはっはっは、なかなかやるねぇ。それじゃ、俺はこの後同僚に土産を買う予定だからな」
相違って、バッバンノ先生はその場からでて、
「ちょっと待つでありますよ」
「ぐえっ!!」
カフェ代金、こっちに払わせようとしているのは見え見えだったのでミアンが素早く巻き付いた。
ハクロの糸でもよかったんだけどね・・・・ヤマちゃんがトラウマだしな。
しっかりとこういうところはしているんですよ。
いくら先生でも、ここは譲れません。




