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閑話 そのころザストでは

やらかしたことに気が付いて何とか修正

ライたちが首都に到着したその頃・・・・




「依頼達成確認ですネ。こちらが今回の依頼達成報酬となりマス」

「あ、あのワゼさん!!できれば今度一緒にお食事にでも」

「馬鹿野郎!!お前より俺の方に!!」

「・・・あの、報酬を受け取ってくだサイ。後ろがつっかえてますヨ」


 辺境都市ザストのギルドで、今日ワゼは受付嬢の仕事をしていたのだが・・・・なんかこう食事に誘ってくるような冒険者の人が多かった。


 いつもなら書類仕事をしているのだが、今日は受付嬢が休んだ人がいたため代理として行っているのである。


 ライたちが依頼でいない間、こうしてギルドで働かせてもらっているのだが、ギルド内でのワゼの人気は高い。



「モテているわね、ワゼちゃん」

「いや、あまりうれしくないんデスガ・・」


 休憩時間に、隣の受付嬢の人がニヤケ顔でからかってきたので、ワゼはムッとした顔で返事した。


 ワゼは魔道具マジックアイテム。持ち主・・・・つまりライのために働く道具である。


 仕える主のために働くのであり、他者とそういった関係は持ちたくないのが本音だ。



「それにしても・・アルテミスさんとかまだ帰ってきていないのかな?あの人の作る保湿クリームがそろそろなくなりそうで・・・」

「そういえばそうよね。あの人のが肌にいいのよねー」

「人じゃないですけどネ」


 モンスターだと言いたいのだが、普通に皆と接している時点でライの従魔たちはもう普通の人扱いみたいな感じのようである。


 というか、アルテミスはどうもこのギルドの受付嬢たちに化粧品の類を販売していたようだ。


 受付嬢たちや、ギルドで働く女性職員にとって肌の艶などを保つのは大切だ。


 というか、女性全般に言えることであろう・・・・・・・・・・・。


「あー・・・あの冒険者、ライさんだっけ。青の人の従魔たち本当にいろいろとすごいよねー」

「ロウちゃんがいないのが寂しいです。あの子の純粋無垢な笑顔が見たいよー」

「ハクロさんもすごいわよね・・・・スタイルとか、その辺いろいろと」

「というか、それあの従魔たち全員に言えないかしら?あ、ロウちゃんは子供だからまだいいとして」

「身体計測の時、測って見たらへこんだわ・・・・」

「わかるわかる」


 そういう部分でへこむのってなんでですかネ?魔道具マジックアイテムであるワゼにとってはわからないような問題であった。いや、そもそもワゼのスタイル自体もいい感じなので気にもしていないことでもあったのだが・・・・。


「最近新しく来たミアンさんもすごいわよね・・・・」

「でも、魔物使いの冒険者ってあれだけの従魔持っていたっけ?」


 ここで受付嬢たちは疑問を持つ。


「・・・・普通は2~3体ほどまでデスヨ。従魔たちは仕える主を選ぶのですが、その器にあった数だけなったという記録がありマス」

「へぇ、そうなんだ」


 ワゼの記憶メモリには、そのように載っていたのでそう答えた。ロックがかかっている、、、、、、、、、、のだが、過去には物凄い数の従魔を従えた人物も載っているようである。閲覧はできないが、おそらく先代・・・・01のワゼがものすごく大切にしていた思い出のような、そんなものであろう。


 そのようなものには基本的に手を出さないようにしているのである。


「となると、ライさんの器の大きさが大きいという事なのかな?」

「そういう事になりますネ。ただ、いくらなんでもその大きさを測るのは不可能デス」

「わかれば面白いんだけどね」


 たわいもない雑談を繰り広げる、それがギルドの職員たちの日常会話であった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「バンブル君、見舞いに来てやったよ」

「なんで上から目線だ・・・アーガレスト・・・・・」


 辺境都市ザストの領主の館にて、領主のバンブルが寝込んでいるところにギルドマスターのアーガレストが見舞いに来た。


 少し風邪を引いたのであるが、この優男に移してやろうかとバンブルは一瞬そう思った。


「ほい、風邪用の薬。事前ににライ君の従魔のアルテミスに作ってもらっていたんだよね」

「そうか」

(意外にもまともなことをしているな・・・・)


 内心驚きつつも、その薬を飲む。


 アルテミスはたまに注文を受けて薬を作る。


 海の魔女とも呼ばれるモンスター・・・・スキュラが作った薬は効能などは信頼性があるので評判は良いのだ。。


 というか、冒険者業よりも薬屋をやったほうが良いのではないかとバンブルは思う。事実、ライの従魔になる前は薬屋として過ごしていた記録があるのだが・・・・。


「しかし、物凄く苦いな・・・・・」

「あははは、でもよく効くよ。この間、残業を乗り切るための薬が作れないかと頼んでみたら、本当に作れて・・・結構高かったけど物凄い効き目だったよ」


 アーガレストもアルテミス製の薬の効能には驚く。


「しかし・・・・彼の従魔たちって本当にすごいよね」

「考えたら物凄いんだよな・・・・」


 ライの従魔たちの能力はすごいが、戦闘面ではなく生活面で評価されていることが多い。


アラクネであるハクロの糸を織り込めば、ただの服でも耐久性と防御力が格段に上がる。


ヤタの羽毛は、ふかふかの布団が作れる。ただし、極稀にしか譲ってくれない。


ロウとリーゼは・・・・・この都市での癒し系マスコットキャラ。


アルテミスはなんでもござれの薬屋。ただし、あくまで健全なものしか売らない。


ミアンは治安維持。正義感が強いようで、チンピラどもをたたき伏せたりしているのである。・・・というか、神獣種相手に逆らいたくもあるまい。


従魔ではないが、ワゼはギルドでの職員としての能力が評価できる。最近正式な職員として働いてくれないか検討中。



「こういう人材・・・もといモンスター材を発掘して従魔にしているライ君はすごいよ」

「その言い方はどうなのだろうか・・・・」


 現在は護衛依頼中で留守のようだが、護衛先でまた役に立つような従魔が増えてくれないかなと密かに思う二人であった・・・・・・。

フーラーグ

フーラーグ

というコールが聞こえる

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