護衛依頼中その3
到着かな
時間はかかったものの、僕らはようやく首都近くにまでたどり着いた。
「もうすぐこの護衛依頼も終わりか」
「特に変わったこともなくて平穏でしたよね」
ハクロがにこやかに言うが、実はそうでもなかったりする。
盗賊とかモンスターとか・・・・・一応襲い掛かってこようとしていた。
だが、上空からのミアンの威圧や、従魔全員による警戒。
さらに、接近してきても皆に気が付かれないようにローテーションで秘密裏に処理をしていたのであった。とはいえ、盗賊の場合は殺害はせずに
ライたちにそう感じさせないのは、さすがというべきであろうか。
「でも、この国って首都が二つあるからややこしいわね」
「冒険者学校があるのと、城があるところがそれぞれ首都として確立されているようだけど・・・」
そのあたりは謎だが・・・
「それはですね、この国のちょっとした歴史が関係しているのですよ」
ロズ王女が言うには、もともとこの国の本来の首都は現在の冒険者用学校がある辺りだったらしい。
だが、冒険者王学校を設立する際にそれまで使用されていた城も老朽化してきたため、取り壊すついでに城自体もこの際移動させてできたのが現在の城がある首都だそうだ。
「で、当時の人達が首都を言い直すのがめんどくさくなって、そういうけでこの国の首都は二つになっているんですよ」
「なるほど・・・・」
「めんどくさがりがこのようなことになったのですか」
そんな歴史があったのか・・・・・なお、歴史の授業に乗っていなかったのは王族とかが知っているプチ話だからだそうである。
というか、ロズ王女もなんか気さくになってきたな・・・・。
「そろそろ首都内に入るからヤタ達も地上に降りてきてくれ」
「・・・了解」
「了解であります」
「おい、なんだあの馬車・・・」
「ああ、あのおっさん以外美女が・・・」
「あのおっさん除けば最高なんだが・・・・」
「モンスターのようだけどなんだあのレベルは・・・」
首都内に入ると、この馬車の周囲が騒がしくなった。
理由は単純明白で・・・・ハクロたちが原因である。
「あー・・・最近ザストでは減ったと思っていたんですが・・・」
「・・・注目される」
「なんか目立つのぅ・・・」
「こういう場は堂々としていたほうがいいであります」
外にいるハクロ、ヤタ、アルテミス、ミアンがめだつというか・・・・・。
馬車内のロウやリーゼは目立たないけど、出てたら目立ったかもなこりゃ・・・
というか、ラリゴさんひどい言われよう。
しかし・・・・ここまで目立つとは思わなかった。
「いや・・・、ふつう目立つと思うわよ」
「一応モンスターであることを除けば美女集団ですよ・・・
なんかルミナスとロウ王女に呆れられたんですけど。というか、ルミナスもこの冒険者グループのメンバーだけど結構きれいな顔なの自覚していないの?
ザストだともう見慣れている光景の感じだったからね。久々に戻ったら驚かれそうな気がする。




