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護衛依頼中その1

移動風景

配役間違いを確認、修正いたしました。

 まあ、ともかく僕らは護衛依頼を受けて現在、この国の王城へ向けて移動していた。


 馬車の僕とロズ王女、ロウ、リーゼが入り、その周囲をハクロたちが囲んで移動している。


 のんびりとした移動の様で、そこまで駆け足にならなくていいのが利点であるのだが・・・・・。


「これ・・・私たちだけ徒歩ですよね・・・」

「まあ、そのあたりはのぅ・・・・」


 ハクロ、アルテミスだけが外を歩く感じになっている。ラリゴさんは馬に騎乗。ちなみに、馬車の馬のコントロールをするのは本来なら御者が必要なのだが、ハクロたちが左右に展開しているため馬が誘導されているので大丈夫なようである。


 いざとなったらハクロたちが馬車を引っ張りますよとか言っていたけど、それは見た目的にちょっとね・・・。本当に引っ張れるだけの力があるのかもわからないし。


 なお、ヤタ&ミアンは上空を飛んでいる。


 空からの方が何かあった時見やすいからね。



「それにしても、ハクロたちが周囲に要るおかげか盗賊の気配すらないよ」

「上空で、ミアンが思いっきり威圧を仕掛けているそうよ」

「そのせいで上からものすごくひしひしプレッシャーが来るんですよね・・・・」


 ミアンは神獣種。思いっきり周囲に格の違いの威圧感を放ちまくっているようである。


 これ・・・・盗賊どころかモンスターすら襲ってきにくそうな気がする。


「それにしても、ライさんの従魔は増えましたよね」


 ロズ王女がくすくす笑いながら言う。


 初めて遭遇した時は姿すら見れなかったのだが、馬車から見ていたようで・・・。


「辺境都市ザストで過ごすうちに増えたんですよね」

「あ、私は従魔でないわよ。ハーフダークエルフだし」


 思い返せば、あれよあれよという間に増えたな・・・・・。




「ふふふ、でも本質を見るとそういうのを引き寄せやすいように見えるんですよ」

「なんか恥ずかしいんですが・・・・」


 「本質の魔眼」とやらで見てきているようだけど、それ副作用で見られている相手が恥ずかしくなるんですってば。


「私の『魅了の魔眼』よりもいいかもしれないわね・・・。こっちは耐性があると聞かないらしいし」

「あら?この魔眼も耐性があれば聞きにくいんですのよ」


 こっから、馬車内でルミナスとロズ王女の会話が始まった。


 異なるけど同じ「魔眼」持ち同士、何やら気が合うようで・・・・・・。



「すやぁぁ・・・・」

「うみゅ・・・」


 ロウとリーゼが暇な様でよし掛かって寝てきた。


 なんか仲間外れというか、疎外感がなぁ・・・・。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「・・・今のところ異常なし。だけど・・・・」

「ん?どうしたのでありますか?」

「・・・その威圧、こっちには物凄い負担がかかる」

「まあ、ライ殿の周囲の警戒をするのは従魔の務めの様なものであり、さらに今回は護衛依頼でありますから気合を入れているんでありますよ」


 上空では、ヤタとミアンが周囲を警戒して馬車の上を常に旋回していた。


「しかし、やはり翼があるのはいいでありますな。下半身がこのような竜の姿だとこの上の姿勢を正すのが地味につらくて・・・」

「・・・でも、両翼だといろいろ不便なこともある。人のように手がしっかりあってほしかった」

「それだと、ハーピーから『翼人(イカロス)』になるでありますよ」

「・・・そういう種族があるなら、そっちに生まれたかった」





「あー・・・・上空のヤタ達は楽でしょうね。歩かなくても済むんですから」

「工夫をすれば楽じゃがのぅ」


 地上では、ハクロとアルテミスが周囲を警戒しながら馬車に合わせて進んでいた。


「このタコ足じゃと陸地の移動は本来は大変なんじゃが、水魔法で滑って動きやすくしておるので楽なのじゃ」

「私は蜘蛛の足ですから本当はじっと獲物を待つ方に向いているので・・・・こういうのは苦手なんですよね・・・・」

「こういうのは、モンスターならではの悩みじゃのう・・・・・」





 この日、盗賊などが実は周囲にいたのだが、上空からの威圧や謎の竜巻によって近づけていなかったのを馬車にいたライたちが知る由もない。



こういうモンスターならではの移動方法での悩みもあるんですよ。

彼女たちだって、いくら強くても万能ではありませんしね。

・・・・ミアンもしくはリーゼに王女をのせて一気に城まで行くという手段があるのではという質問はNGで。いろいろ危険もあるので・・・・。


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