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そのへんのダンジョン  作者: どっすん権兵衛
第二章 増えるダンジョン
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16 救出ミッション

 


 視界が戻ると、石造りの通路……

 前と同じダンジョンだ。

 ダンジョンよ、私は帰ってきた。



 周囲に敵の気配がないことを確認した後、『ダンジョンアシスタント』を起動してマップを開く。



『廃ビルのダンジョン 地下1階』


 俺が今いるのは、最初の時にいた場所と近いが、少し離れている。出現場所はランダムなのだろうか。


 ……むむ、ダンジョン名が表示されているところの表示が変わっているぞ。

 タップしてみると、他の階層が選択できるようになっていた。これもアップデートの影響か?


 地下1階、2階、……5階。


 休憩室のところに魔法陣のアイコンがあるがグレーになっていて触ってみてもなにも起こらない。

 これはアレだ、ピーンときた。休憩室からなら他の休憩室に転移できるとか。


 ともかく、入ったばかりの人を見つけるなら下に降りるよりこの階層を探索した方がいいだろう。

 バッグを見る限り、若い女の子だと思われる。一刻を争うな。

 マップに表示されてたらよかったんだが、そう上手くはいかないな……



 さて、探すならどちらか……

 集中して気配を探る。

 ……少し行ったところにわずかに敵の気配を感じるが、人らしい気配はないな。


 そういえば、【気配察知Lv3】が取得できるんだった。脳内で8SPを払い、取得して再度試みる。


 さっきより広範囲に散在する気配が感じられる。

 この階層の敵はスケルトン、スネークリザード、シーリングバグだ。そのうち徘徊するのは基本的にスケルトンのみ。


 迷い込んだ人間とスケルトンの違い……

 まず、スケルトンは単独のこともあるが複数体でグループを作っていることがある。

 迷い込んだ人間は一人とは限らないが、一人だった場合の方が緊急性が高い。

 単独行動している気配を探そう。


 さらに、動作だ。

 戦闘状態にないスケルトンはゆっくりと同じ速度で移動する。

 そうでないものがあれば……


 ……とりあえず現在の感知範囲にはそれらしいものはない。壁越しだと1枚程度ならはっきり分かるのだが、さすがにこの広さのフロアを網羅できるほどではないか。

 移動してみよう。


 地下1階はマップを全て埋めているが、ここはフロアの端に近い。中央の方に向かってみることにする。



 早歩きで移動する。

 通路上の敵に2、3回遭遇したが、鎧袖一触で蹴散らした。今更地下1階のモンスターなど敵ではない。


 中央近くまで移動したが、気配はないな。焦燥が募る。

 そもそも迷い込んだ人……要救助者としよう。彼女がいつ入ったのか、コレガワカラナイ。


 ひょっとしたら既に……?

 いや、考えるのはよそう。探さないわけにはいかない。


 呼び掛けるのはどうだろうか?

 本来ならばしない迂闊な行動だが、この階層のモンスター程度なら10匹以上集まっても怖くはない。


 リスクを考える。

 怖いのは要救助者が息を潜めて隠れている場合だ。この場合、呼び掛けを聞いて慌てて出てきたところを敵に捕捉されてしまうケースがありそうだ。


 要救助者が隠れている可能性は……かなり高い。

 俺のようなゲーマーや世紀末ヒャッハー系トゲトゲモヒカンでもなければスケルトンから武器を「殺してうばいとる」してレベル上げしようなどと考えないだろう。


 だが、そうでもしないと見つからないかもしれない。手掛かりでもあればいいのだが……


 要救助者が敵を倒していたとしても死骸は数分で消えてしまう。

 パン屑やなにかを落としていたり、目印を付けていたりしないだろうか? 少し頭が回ればやるかもしれない。……俺はやらなかったな。

 こんな状況で冷静な行動を求めるのは難しいか。


 うーむ、八方塞がりだ。

 一旦休憩室に向かってみよう。要救助者が訪れていれば手掛かりが残っているかもしれない。



 休憩室まで急いだ。

 扉を開けて内部を確認する。 ……痕跡はないな。外れか……

 だがそこで、スマホにメッセージが届いた。


 ===================

 差出人:構築者


 本来私はあまり介入できない。

 彼女はモンスターに追われて地下2階にいる。

 急いでほしい。頼む。

 ===================



 地下2階か。階段を下りてしまったのか。

 ……色々疑問はあるが、ここは素直に従っておこう。



 俺はそのまま休憩室を出て下り階段へ向かった。

 目的地はハッキリした。急ごう。


 地下2階への階段は休憩室からほど近い。

 階段前のトカゲを斬り捨て、駆け下りる。



 さて、地下2階だ。

 ホールから3方向に通路が伸びている。

 前回はまず正面に行って、行き止まりだったため戻って左に向かった。

 今回はどちらだろうか…… 

 考え込んでいると。



「イヤァァッ!!」



 右から女性の悲鳴が響いてきた。

 俺は弾かれたように猛然と走り出す。

 【敏捷Lv4】の全速力は世界記録を軽く上回る速さで俺の体を運ぶ。


 十字路に差し掛かったところで【気配感知】が複数の気配を捉える。こっちだ!


 十字路を曲がると、すぐに標的は見つかった。


 犬のようなモンスターが4体。獲物を取り囲んで唸りを上げている。

 そして壁際に追い詰められ今まさに襲い掛かられている獲物……小柄で華奢な女の子が一人。床に引きずり倒されている。


 俺は速度を緩めず、【加速】を発動した。


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