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共に走る  作者: しいず


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第1話 自転車部と陸上部

星花女子プロジェクト 第15弾作品です。


自転車部の下月みなほと陸上部の鹿野谷桜琳かのや おうりんのスポーツ学園百合です。

「さぁ、今日も走るよ」


自転車(ロードバイク)に跨り、今日も走り出す。


わたしは星花女子学園1年自転車部の下月みなほ。

中等部から星花に入学したけど、オリンピックの自転車競技を見て自転車競技に憧れた。

高等部から自転車部に入部したけど、運動部なのに意外と緩くて部員が個人個人で走ればいいって感じ。

大会を目指してる訳でもなく、自転車競技を始めたきっかけはオリンピックだったけど、本当の目的はダイエット。

だからわたしとしては、緩い方がいいんだけどね。


 わたしは自転車通学をしてるけど、部活用の自転車は通学に使っている、いわゆるママチャリとは違う。

ハンドルの形状など、初めは慣れない部分もあったけど、今では簡単に乗れている。

さらにママチャリよりも速度が出て、軽快に走れて、これならどこにでも行けそうって思う。

ただ、ロードバイクに乗るのは部活だけで、土日は乗らないんだけどね。


 部活で走るコースは交通量や人通りが少ない道でないとダメ。

あくまでも部活なので、信号があったらその都度止まらないといけないからね。

だから信号が無くて、車や人が少ない道を選んでいる。

ただ、そうは言ってもロードバイクは速度が出るからあまり狭い道もダメ。

程よく広くて、この条件に合うのは……そう、陸上部の長距離練習のコース。


 このコースは学校外の公道コースだけど、1周3㎞と自転車で走るのもちょうどいい距離。

陸上部が使うから交通量も少なくて、安全な道でもある。

さらに、陸上部の子たちと走るから1人じゃない。

わたしもペーサーとして、陸上部の子たちに協力してあげている。

だから、陸上部の子たちとも仲良くなった。


その中の1人に同じクラスの鹿野谷 桜琳さん(かのや おうりん)がいる。

走るのが好きで、『止まったら心臓が止まってしまう』と周りが言うぐらいいつも走ってる。

マグロとかじゃないからそんなことはないけど、部活はもちろん校舎の中でも走ってるんだよね。

校舎の中で走るはどうかなって思うけど、本人は静かに走っているからと言ってる。

でも、静かだろうと結局は走ってるんだけど……先生たちも諦めるのか注意はしないんだけどね。


 自転車に跨り学園の外に出ると、陸上部が練習を開始している。

だから、わたしも一緒にコースに出る。

陸上部の子たちに走りながら挨拶をするけど、鹿野谷さんはいつも集団とは別に1人で前を走っている。


「こんにちは、鹿野谷さん」


わたしは挨拶をするけど、反応はない。

これは無視しているのではなく、鹿野谷さんが無口なだけ。

それに、小さくだけどちゃんと頭を下げているんだよね。


「今日もペーサーになるけど、どうする?」


わたしが聞くと、今度は


「お願い……」


と小さく言うけど、走ることに関してはちゃんと返事をしてくれる。


「わかった。1㎞7分ぐらいでいいかな?」


「……それでお願い」


「わかった」


わたしはそのペースで走るけど、自転車だと20㎞/hぐらいで走るので正直遅いぐらい。

でも、ペースは遅くても、ほっとくといつまでも走る鹿野谷さんだから

一緒に走ると距離が長くなるからダイエットにはいいんだよね。


わたしは鹿野谷さんのペースに合わせて自転車を漕ぐ。

その後を鹿野谷さんが走るけど、自転車のわたしと走ってもペースが落ちることなく、何周もついてくる。

自転車のわたしの方が楽ではあるけど、常に走っている鹿野谷さんはわたしより涼しい顔をしている。


「下月さん……ペース落ちてる……」


5周目に入ると、後ろにいたはずの鹿野谷さんが隣にいる。

わたしも少し気を抜いてたけど、12㎞以上走ったのに自転車のわたしと並ぶなんて鹿野谷さんはすごいな。


「ごめん、ペースが落ちてたけど……鹿野谷さんも無理してない?」


「いつもどおり……無理してない……」


表情を見ると12㎞走ったから疲れが出てきてるけど、それでもまだ余裕がある。

ただ、他の部員はかなりペースは落ちてきている。


「わかった、ペースを上げるよ」


わたしはまだまだ余裕があるから速度を上げるけど、鹿野谷さんもしっかりついてきている。

1㎞のペースは7分台で調整してるけど、さっきは気を抜いていて7分50秒とちょっと遅めだった。

スマホのアプリのデータでは12㎞のタイムは1時間17分と大体7分台で走っている。

それを保っているから、鹿野谷さんは本当にすごい。


ペースを再び上げても、鹿野谷さんは表情を変えずに走っている。

ただ、6周18㎞を過ぎるとさすがの鹿野谷さんもかなりペースダウンをしてきた。


「鹿野谷さん、ペースダウンしてきたよ」


「タイムは……どれぐらい……」


「1㎞8分台だから、かなり落ちてる」


「うん……」


鹿野谷さんは小さく頷くけど、ペースが落ちながらも走ってる。

他の部員は走るのをやめる子も出てきたけど、練習は最低5周と言う条件だけで上限は決まってない。

だから、鹿野谷さんはわたしがやめないと……ううん、わたしがやめても走り続ける。


(いつも思うけど、本当に走るのが好きなんだな)


わたしは鹿野谷さんを見ていつも思うけど、何でこんなに走るのかな。

同じクラスで部活でも一緒になるから、付き合うようになったけど、正直言ってそんなに話したことはない。

初めは声をかけても無反応だったし、クラスでは正直話しかけられる雰囲気じゃない。


 だから、これでもかなり会話をするようにはなったけど、何でここまで走るかは聞いてない。

それに、みんながショートパンツなのに、夏でもジャージのロングパンツを穿いて足を隠してる。

聞いた話だと……中学の頃に事故にあって、その時の怪我で足を見せなくなったと聞いてる。

ここまで隠すってことは、この話は本当かな。

本人から直接聞いてないけど……本人に直接聞ける程仲は良くない。


 ただ、わずかに見える足首から足が細いってことはわかる。

わたしは運動しないと太りやすいから、手足も太いけど……自転車を始めたらさらに足が太くなったような。

ネットで調べたら自転車はダイエットにはいいけど、足が太くなるとあったけど……気のせいだよね。

そして、鹿野谷さんはわたしより背が高いのに、身体のラインもわたしよりも細い。

細い割には胸はそこそこあって、走る時は縛ってるけど黒髪がたなびいて綺麗。


「ペース……また落ちてる……」


「あ、ごめん」


考えごとをしていたら、ペースが落ちて鹿野谷さんが横に並んでいた。


「私のこと……考えてたよね……」


わたしの横でぽそっと鹿野谷さんが言うけど、なんでわかったの!?

まさか……心が読めるなんてことはないけど、わたしがちらちらとみてたから気づいただけか。


「うん、考えてた……」


わたしは素直に答えたけど鹿野谷さんからは


「ペースは気にしなくてもいい……下月さんは……ペーサーになってくれればいいから……」


とわたしが何を考えてたかより、走ることを気にしてるのは鹿野谷さんらしくていいな。

そして、わたしは思わず笑ってしまった。


「なんで笑ったの?」


鹿野谷さんもわたしが笑ったことに気づく。


「んー、楽しいからかな」


「下月さんも……楽しいんだ」


鹿野谷さんはそう言って、少し微笑んだように見えたけど……表情はやはり変わってないように見えた。

そして、鹿野谷さんはやはり走るのが好きなんだな。

だから、わたしは鹿野谷さんのことをあれこれ考えてたことは内緒にしておくことにしよう。

お読みいただきありがとうございます。


今回は星花女子プロジェク 第15弾のお誘いがあり参加いたしました。

他の方の考案したキャラクターとのカップリングは面白いですが

自分と考案者のキャラクター解釈が合っているのかは気になるところではあります。

ただ、他の方が考案したキャラクターを使って書くのは、なかなかできないのでとても良い機会と思っています。


ツイッター

@shiizu17

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