第一章:四天王の華麗なる艱難-5
── トレメンダス・センチピードが動きを止めた。
ヘリアーテの大木をも容易に薙ぎ倒す一撃が緩み切った顎に直撃し、毒々しい青い血を撒き散らしながら怯んでいるのだ。
その間に彼女達は事前に決めていた陣形へと即座に編成。前衛二、中衛一、後衛二のいつもの形よりも少しだけ中衛と後衛の間隔が空いたものへと整えた。
「ホーリーっ!!」
「はいっ! いくわよジョンっ! 気張りなさいっ!!」
「お、おうっ!!」
ヘリアーテの号令により、ホーリーが《流転魔法》の魔術「サポートベクトル」を発動。ジョンが発動した《乾湿魔法》の魔術「デバイドレーション・ルーム」に干渉する事で彼の拙い魔力操作の補助を行い、暴発し掛けた魔術が安定を見せていく。
「ギェェェ……ギェ?」
周囲が急速に乾燥していき、トレメンダス・センチピードがそれを敏感に察知して辺りを見回す。
「ギェギェ……ギェェェっ!!」
忙しなく蠢いていたトレメンダス・センチピードの文字通り百以上ある脚が動きを鈍らせ、宛ら油切れを起こした駆動機械のように関節を鈍く軋ませる。
ヘリアーテ達の狙い通りヤツの動きは瞬く間に目に見えて悪化してくれた。
「よっしっ!!」
「上手くいってますっ!!」
「ええ、そうね」
ヘリアーテはトレメンダス・センチピードから目を外さぬまま、後方で必死に魔力制御の補助を行うホーリーを内心で誉めた。
(あぁもう、ホントっ!! 私の部下達ってなんでこんな優秀なのかしらねっ!!)
──ホーリーが使用する魔法《流転魔法》。
《水魔法》と《空間魔法》の複合であるこの業魔法は、あらゆる〝指向性〟に外的に介入する事が出来る魔法。
所謂ベクトルの操作を魔力によって再現された指向という概念でもって可能とした魔法であり、自身の認識空間内であれば指向性を持つ全てのものを自在に操る事が可能となっている。
ホーリーはこの魔法によりジョンの苦手とする魔力操作を外的に補助する事で安定させ、本来なら扱い切れなかった《乾湿魔法》の魔術を展開する事が出来るようになっていた。
──と、いうかである。
(てかもっと早く言いなさいよ《空間魔法》習得しててオマケに《流転魔法》なんて使えるなんてさっ!!)
そう。ホーリーは《空間魔法》を習得していた。
あの習得するだけで短くとも数年以上は余裕で掛かってしまい、クラウンですらものにするのに七年の歳月を要した、あの《空間魔法》を──
『……アンタ、なんで今の今まで黙ってたの?』
『あ。いえその……』
『別に怒ってないわよ? ただそんな割と大事な事を黙ってたからには理由があるんでしょうし、話せるならそれを話してくれない? って話よ』
『……』
『……話せない?』
『……少し──いや結構重たい約束守ってもらう事になりますけど──』
『いいわよ』
『えっ!? ……気軽に言ってません? 私割と真剣ですよ?』
『そうね。……でもそれを背負って導いてあげるのが上司ってもんでしょ? ウチのボスはそう。グラッドの過去を清算して、ロセッティの復讐を祝福して、ディズレーの後悔を理解して……私の悲願を信頼してくれてる。それが私がアイツに見る上司像で、私がアナタ達部下にしてあげたい指針なの。アイツみたいに、アナタを導きたいのよ。ダメ?』
『……分かりました。そこまで言っていただけたなら、お話しします。……実は──』
──ホーリー・グリーンウッド。
王国の片田舎タースアの出身であり、ムカデなんかの害虫に困らされる一般家庭の女の子──ではない。
五百年も昔──王国と森精皇国アールヴの関係が劣悪になるよりも前の、人族とエルフ族がまだまだ互いの事すらちゃんと認知していないような昔。
そんな折にアールヴから島流し宛らに追い出され、王国のタースアに辿り着いた異端のエルフが居た。
彼はエルフ族では当時忌避の対象であった肉や魚の魅力に魅入られた大変な〝偏食家〟であり、空腹に耐えかねる瀕死寸前であった彼を村の人間が見つけ、保護に至ったのだ。
そして助けられすっかり心を開いた彼は言葉が通じないながらも助けてもらった恩義を返さんと村の為に奮起し、彼が知る限りの農耕技術と知識を村に教示。村の人間からも大変に気に入られた。
それからあれよあれよという間にエルフは村の人間と結婚。時間は掛かったものの子供も産まれ、ハーフエルフという偏見とは無縁の村の中でその子は脈々とその血を繋いで行き……。
『……え。じゃあアンタって……』
『はい。まあ、流石にそれから何百年と経ってるので血は薄いですけど、入ってます。エルフの血が』
『……なるほど、ね。で、なんで《空間魔法》を?』
『英才教育みたいなものです。ティリーザラとアールヴの関係が最悪になって、私達の村は世間からは異質な存在になりました。もちろん村のみんなはエルフ族に何も悪感情なんてありませんでしたが、村の事情が世に知れ渡ればどうなるか分かりません。なので万が一に最悪な状況になっても重宝される人材としての価値を身に付けて、私達子孫だけでも生きていけるようにって』
『ふーん。確かに若手の《空間魔法》の使い手なんて王国にとっては引くて数多な人材でしょうね。ボス見てりゃイヤでも理解出来るわ』
『とはいえ、この歳で《空間魔法》を使えると知れると周囲から根掘り葉掘り詮索されるので、その時になるまでは黙っていとこうって……』
『そっか。うん。事情は分かったわ。確かに村一つ分の秘密は重たいわね。和平が結ばれたって言っても日がまだ全然浅いし、暫くは広めたくないわよね』
『ご理解、ありがとうございます』
『で? アンタどんだけ時間掛かったの? 他の魔法だって使えるし、早い方だったわけ?』
『そうですね……。他の魔法も併走しながら始祖様に教えてもらったのでぇ──』
『え? 始祖様?』
『え? はい、ご存命ですよ。健康優良なエルフですので』
『……あぁ、そっかぁ……』
──これが、ホーリーが《空間魔法》を扱えた経緯である。
《流転魔法》に関してはクラウンとヘリアーテの部下になり研鑽を積んだ結果であるが、これも先述同様の理由で口外出来ず、直前まで黙っていたわけだ。
……因みに、ホーリーが《空間魔法》と《流転魔法》を習得している事をクラウンは無論、把握している。
部下達に合わせた研鑽を施す一環で全員の能力を彼は《解析鑑定》で把握し、今では立派な中間管理職のヘリアーテ達に指導方針を教授する為だ。
この事はホーリーも了承済みであり、掛け値なしのある意味での純粋なハーフエルフであるユウナを部下に選んでいる時点で信用に足ると判断。
ヘリアーテには一旦内緒で……という方向でクラウンも彼女には知らせず、今現在に至っていたわけである。
(まあいいわ。何はともあれ問題マルっと解決っ! 《乾湿魔法》と《流転魔法》の重ね技であのクソムカデは目に見えて動き鈍いし、後はこのまま害虫を……)
「うおっとぉッ!? こんのッ!!」
トレメンダス・センチピードの牙による噛み付き攻撃を、ギデオンは絶妙なタイミングで弾き返し、両手剣の刃を関節部へ滑り込ませる。
「ギェッ!?」
「あ、くっそ……っ!?」
「ギェェェッッ!!」
「おわっとッ!?」
だがトレメンダス・センチピードはそれに苦痛の声を上げながらも機敏に身を捩る事で抜き取り、反撃とばかりに毒液を噴出。
顔を引き攣らせたギデオンは両手剣を地面に突き立てながらそれを軸に体幹を移動させ、至近距離からの毒液を既のところで躱す。
更にはその躱した際の体幹移動による遠心力をそのまま利用する事で身を翻し、突き立てていた両手剣を抜剣時の加速宛らに振り上げ、毒液を吐き出したばかりのトレメンダス・センチピードの牙の関節に斬り込んだ。
「ギェェェッッ!?」
「っしゃあっ!!」
(……相変わらず小手先が器用ねコイツ。普段時々サボってるクセに……)
ギデオンの戦闘スタイルは、型に囚われない。
──王国に剣術が浸透し始めたのはごく最近の事。
現国王であるカイゼン・セルブ・キャロル・ティリーザラが魔法魔術よりも剣術を得意とした為にその発展が推進され、魔法魔術先進国であったティリーザラ王国に新たな風が吹き抜けた。
当初こそ反発も多かったものの、アールヴとの戦争が冷戦状態であった事への懸念と戦力増強、それと魔法魔術が苦手な者への救済という面もあり程なくして定着。
国内では一派しか無いためわざわざ呼ばれはしないものの、今では「竜剣流」という少し仰々しい名前で帝国や国外で広まっていたりする。
王国直轄の剣術団ギルドである「竜王の剣」を中心に流派を収める者が徐々に増え、その団長であり英雄であるガーベラは勿論、彼女から師事を受けていたクラウンもまた、我流が入りつつもこの「竜剣流」を主軸とした流派としているのだ。
……だが、ギデオンは違う。
彼は元々魔法の才能があった。
それこそ基礎五属性の内最近三つ目を修め、魔力操作能力や保有魔力量も優秀。
加えて再現性向上に必須の知識に関してもそれなりにあり、ヘリアーテの部下達の中だけではなく十二人の部下達の中でも上位に入る実力者であるのは間違い無い。
本人もそんな自分の才能や実力に自信があり、学院入学時の目標に至っては生徒会長や蝶のエンブレム保持者になると息巻いていた程だ。
しかし知っての通り、ギデオンが入学したのは王国一の称号を恣にして憚らない魔法魔術学院。
国中から数多の才英と才媛が集い、それに溺れず研鑽を積み続ける猛者達が当たり前に跋扈する魔境である。
ギデオンの才能も確かに目を見張るものがあるが、だがそんなものは学院で平均より少し上をいく程度のものでしかない。
そんな魔境の頂点に君臨し歴史にすら刻まれる真の天才であるクラウンは勿論、彼が手ずから指導したロリーナやヘリアーテ達の足元にすら及ばない。
なんなら同級生であり同僚である彼等の中ですら一番ではない……。ギデオンはその事実に打ちのめされ、最近まで自信ややる気というものを完全に失くしていた。
……だが──
『ギデオン』
『げ……へ、ヘリアーテ、さん……』
『なぁーにが「げ」よ。またサボっちゃってさぁ。私の監督不行届になるんだから勘弁してよね』
『はいはい。どうせ俺はアンタの評価上げの道具ですよ。さっさと訓練に参加すりゃいんでしょ参加すりゃ』
『……アンタ分かりやすいわねぇ』
『あぁ?』
『魔法じゃ一番になれないから不貞腐れてんでしょ? 馬鹿みたいにプライド高いもんね、アンタ』
『……ケンカ売ってます?』
『あら? 別にいいわよ容赦しないから。そんで私に一泡吹かせられるならプライド回復出来て儲けもんじゃない。どうする? やる?』
『……チッ』
『はぁ……。戦争で任された仕事が上手くいって褒められた時は嬉しそうに浮かれてたクセに今になってまぁたやる気失くしちゃってさ。ダッサイわねぇ』
『う、うるせぇなぁっ!! ……どうせ頑張ったってよ。俺みたいな凡人にゃ大した事なんで出来やしねぇんだよ。アンタも俺みたいな不真面目な人間なんかに──』
『なら自由にやんなさいよ』
『……は?』
『真っ当にやったって私は当然、ボスになんか届かないって不満垂れてんでしょ? なら別方向に尖って強味を作るしかないじゃない。それこそ私やボスなんかが手を出してないような方向にね。それなら少なくともそっちで〝一番〟にはなれるでしょ』
『な、なるほど……?』
『選択肢なんて沢山あるわよ? 魔法の種類もそうだし魔術の方向性だって独自性を出せる。武器術だって多岐に渡るわよ? ボスはまあ、頭オカシイ種類の武器操れるけど、それでもまだまだ色んな武器があるわ。それに流派だって色々あるでしょうし、案外やれる事はあるわね』
『俺の……独自性か……』
『アンタ無駄に器用なんだから、やれない事ないでしょ』
『……そうかもな』
『言っとくけどサボってるヒマなんか無いわよ? それこそアンタ等この前に成果出しちゃったんだからボス期待してんの。今からやれる事探すんだから時間掛かるわよ』
『え。て、手伝ってくれんのか?』
『当たり前でしょ。私はアンタの上司なのよ? 部下のやる事やりたい事……それを導いて助けてやるのが上司ってもんでしょ』
『お、おぉ……』
『ほらさっさと立ちなさいっ!! せめて今日中には方針くらいは決めちゃいたいんだけど?』
『わ、わかったっ! わかったから首根っこ引っ張んないで下さいよ姐さんっ!!』
『あぁ? 誰が姐さんよ誰がっ!!』
──こうしてヘリアーテの協力もあり、ギデオンは両手剣による独自の戦闘スタイルをまだまだ未完成ながらも確立。
その剣技もまた、誰に習うでもなくひたすらにヘリアーテという強大な存在を相手に訓練を繰り返す事で自然に身に付けたものであり。
仮に両手剣の使い手が彼の剣技を目の当たりにしたらば卒倒してしまいそうな奇抜さを身に付けるに至った。
流石にトレメンダス・センチピードという巨大な魔物相手に通じるかどうか不明ではあったが……。
(まあ、なんとかコイツ相手には通じてるみたいで一安心……ってところかしら。ボスからは割と真顔で「大丈夫か? アレ……」なんて言われちゃったけど、これならそれなりの成果を──)
「あ。ヤバ──」
自分の剣技が通用すると油断したのか、ギデオンは何手目かの攻防の中で関節に刺し込んだ両手剣があらぬ角度で捻られてしまい、彼の手から離脱。
トレメンダス・センチピードは両手剣を刺したまま武器を失い呆気に取られたギデオンに襲い掛かる。
「ってもうっ!!」
雷光が奔る。
刹那、ギデオンに喰いつこうとしていたトレメンダス・センチピードは数瞬遅れてその雷光の後を追うようにして強烈な衝撃により仰け反り、奇声を上げた。
「ガ、ギェェェッッッ!?」
再び青い鮮血を撒き散らすトレメンダス・センチピード。
ついでとばかりに刺さったままだった両手剣を掻っ攫ったヘリアーテは、未だに呆けるギデオンにそれを返すと彼の肩を軽く小突く。
「痛っ!?」
「調子乗りすぎ」
「あ、あはは……」
「まぁ、初戦なら上出来じゃないかしら。それなりにダメージ与えれたんじゃない」
「お、おうっ!!」
「この調子で行くわよ? しっかりついてきなさいっ!!」
「む、無茶言うなっ!!」
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「……エルウェ」
「い、いやあの……」
「言い訳は無用。それくらい察する頭はあるからな」
「あ、あははは……」
「私が言いたいのはだな? ……お前は、どう考えて〝コレ〟に同意したのか、という事なんだ」
──深い深い森の中。グイヴィエーネン大森林のど真ん中。
その中で私は目の前で正座するエルウェと、その周りで私の手によって拘束され身動きの一切取れない何人かのエルフと向き合っていた。
「お前が私を聖魔に魔物が居ると騙して森に誘い出し、コイツ等と共に闇討ちしようとした……。まあ、そこはいいだろう。その程度で本当に騙される私でも、やられる私でもないからな」
「う……」
「だがそんな事、聡明なお前なら十二分に理解していた筈だ。なのに何故、お前はそれに手を貸した?」
──エルウェは先日、聖獣シェロブを捕食しその魂の一部を取り込んだ事で自身の魂と融合し不安定になったムスカを助けられるかもしれない、と聖魔の力を安定させる魔石を持つ魔物が居ると言って私をグイヴィエーネン大森林に誘った。
しかし実際に赴いてみると、だ。
森の中で待ち受けていたのは武器を携えしっかりとした鎧まで着込んだエルフ族達の奇襲。
無数の弓矢による射撃に魔術による数々の罠と拘束、そして間断も容赦もない攻撃……。
明確に、的確に、正確に、私を確かに〝殺す〟事を目的とした徹底的な強襲が私一人に降り注がれた。
……まあ、その程度でやられる私では無いのだがな。
散々色々やらせてやった後、疲弊し動きや攻撃が鈍くなった所を突いて丁寧に一人ずつ引っ捕らえた。
しかし中々に頑張った方なんじゃないか? 兵士ですらない彼等にしては。
「あ、アタシは……ただ……」
「彼等に同情したと? 彼等の身内を戦時中に殺した私に対する復讐心にか?」
「え……なんで知って……」
「なんでって……。私に攻撃しながら散々「息子の仇」だの「よくも旦那を」だの叫んでいたろ。だからこそ私は彼等の気が済むまでやりたい放題やらせたし、一切反撃もしなかった」
そう。私を襲ったエルフ族は、戦時中に私が殺めた兵士達の身内達……。
私を恨み、憎しみ、復讐心に焦がれ怨恨を吐き出さずにいられなかった者達。それが彼等の正体だ。
「知ってて、攻撃受けたって事?」
「そもそもお前から聞いた聖魔の性質を宿した魔物だって何から何まで都合が良すぎる。見せてもらった文献も丁寧に偽装された偽物であったし、どうせ私からムスカの相談をされていなかったとしても何かの機会に切り出すつもりだったんだろ?」
「え、えぇ……。最初からお見通しって……」
「こんなもの私でなくとも見破るわ。あまり舐めるんじゃない」
……とはいえ、だ。
何かあるとは思い思惑を潰すために敢えて誘いに乗ってみたが、まさか私への復讐とはな。
いや、私に対していつかはそういった事が起こるのは想定済みではあった。
和平を推進していたものの、ユーリの暴走等の事情を知らないアールヴの一般市民からすれば、私は二万のアールヴ国民を手に掛けた大悪人だ。
彼等からしたら私など恐怖の対象であり、最も憎むべき不倶戴天の仇に違いはない。
故にいずれはその悪感情の矛先が私に向くだろうとは思っていたのだが……。存外に早かったな。
「……で? 結局お前は何がしたかったんだ?」
「え、ええと……」
「何か私を打倒出来る手段も無く。かと言って手加減を感じるような甘さもない。実に中途半端だ。何がしたかったか分からん」
「……」
「それともアレか? 彼等の復讐心が暴発する前に少しでも発散させたかったと? 私だけに向けるならば兎も角、私の身内にまで手を出して取り返しのつかない事になってはならないと気を遣ったか?」
「──っ!?」
「露骨な反応だな。大臣の一人にでも泣きつかれたか? このままでは不満が爆発しかねないと」
「……全部、お見通しですか」
「ふふふ。中間管理職は辛いなエルウェ。同情する」
「……いえ」
「どうせだ。何ならお前も私に向かってくるか? 気の済むまで相手してやるぞ?」
「あはは。勘弁して下さいよ……」
「ふふふふふふ」
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