終章:忌じき欲望の末-15
大変遅くなりました。
難産でしたね……。
知っている方も居るかもしれませんが、今作の小話集的な内容を載せた「強欲のスキルコレクター〜枝葉末節〜」を新たに投稿しました。
内容的には本編じゃ語られないような、さして重要ではない日常やちょっとした話を綴っていく予定ですね。基本的には何かしらの記念日や行事に関連したを一ページ完結で話をのせようかな、と思っています。
まあ、まだ一ページだけですが……。
最初はバレンタインに因んだ話です。良ければご一読ください!!
専用武器は文字通り、所有者専用の武器である。
所有者自身の名を血で刻み、手の魔間欠から無意識に漏れ出る微量な魔力を読み取る事で、その武器を万全に扱う事が可能となる。
非資格者が他者の専用武器を扱おうとした場合、武器は非資格者の魔力を感知した瞬間から完全にそれを拒絶。
それどころか魔力が反発する事で使い勝手は悪くなり、英雄級の実力者でもない限り他者の専用武器をまともに扱う事は到底叶わないだろう。
……しかし、なにも抜け穴が無いわけではない。
「お前の《嫉妬》は、本当に便利だな? 改めて素晴らしい権能だ」
「な、に……?」
「内包スキルの一つ、《憧憬》……。自身の身体能力を一時的に他者のものに書き換えるものだが、これには対象の〝魔力〟も該当する。波長や性質、濃度等を細かくな」
「ぐ……」
「するとどうだ? 本来ならば扱える筈のない専用武器を、魔力をチューニングする事で一時的にだが扱う事が出来る。今のロリーナのようになっ!!」
クラウンが声を上げるのと同時にロリーナは道極を繰り、ユーリの木剣を勢いよく弾き上げる。
「それにしてもユーリ──」
そしてその隙を──
「少し調子に、乗り過ぎだな?」
瞬時に取り出した砕骨を振り抜き、無防備な彼女へと叩き込む。
「──ッッ!!?」
痛恨の激打をモロに喰らったユーリはそのまま真っ直ぐ落下。
大穴が空いた行政局に向かって吹き飛び、激突した瞬間に建物の柱を幾つか巻き込んだのかその後間も無く倒壊。
ユーリが行政局の瓦礫に沈む。
「畳み掛けるぞっ!」
「はいっ!」
クラウンは砕骨を、ロリーナは道極を構えユーリが埋もれているであろう瓦礫に急降下。
二人は砕骨と道極を振り上げ、容赦無く彼女が埋もれている位置へ叩き込んだ。
「……む」
「ぐ……ぬぁぁぁ……っ!!」
しかし、振り下ろされた二撃は凄惨な破壊を齎す前に瓦礫から立ち上がったユーリの手によって止められ、辺りに衝撃波だけが振動する。
(力が……増している? コイツ……)
クラウンは必死の形相で砕骨と道極を受け止めるユーリを睨む。
──クラウンは森聖種となったユーリと再対面した際、当然《解析鑑定》を改めて彼女に発動していた。
スキルを全て奪った後の進化という事もあり、彼女に残っていたのは進化した事によって新たに獲得したスキルのみ……。
どれも強力で、霊樹トールキンと一体化し操る権能を持つ《霊樹の寵愛》はその中でも失ったスキルを補って余りある性能を有していた。
だがそんな新たに覚醒したスキルの中でも、クラウンが密かに危険視していたのがワールドスキルである《禁断の果実》。
霊樹トールキンとの接続を利用する事で、文字通り世界に流れる筈の霊力や魔力──そしてトールキンから加護を受けている全てのエルフから微量ずつ力を徴収し、それに残留する僅かなスキルの残滓を利用出来る権能……。
それは比喩でもなんでもなく、まさしく世界に影響をすら与えかねない絶大な力を扱うという事に他ならず。
使えば使うだけ力を得るが、反面世界そのものを窮地に追い込みかねず、またエルフ族にも多大な悪影響を及ぼす可能性があった。
クラウンとしては、その事態を決して看過する事は出来ない。
クラウンの目標はあくまでもアールヴ──延いてはエルフ族との友好関係を築き、エルフ族でしか生まれないあらゆる恩恵をものにする事。
それを果たすには円満な戦争の終結は勿論、何より大前提としてエルフ族が衰退してしまっては全てが破綻してしまうのだ。
つまりこのままユーリがクラウンを打倒する為に《禁断の果実》を利用し続け、力を増せば増すほどにクラウン自身──そして何よりアールヴとエルフ族が破滅を辿り、クラウン自身の計画も崩れてしまうという事に他ならない。
(チッ……。こんなスキルを使っておいて何が女王だ。いつまでも付き合ってられんな)
確かにクラウンは進化した事によって絶大な力とスキルを手に入れた。それこそ森聖種を追い詰めるに足る力をだ。
だがそれでもこのまま《禁断の果実》を使い続けられてしまえば、いつしかその力すら上回られてしまうだろう。
現に砕骨と道極による重撃をこうして受け止められているのだ。そうなる前に片付けなければならない。
「な゛ぁ、にをぉぉ──」
「むっ!?」
「呆けてんだクソやろォォォッッ!!」
ユーリが叫び、砕骨と道極を弾く。
そして間髪入れず弾かれた事で空いたクラウンの土手っ腹へ音速の拳打を見舞った。
「──ッ!?」
強烈な破裂音が鳴り、遅れてクラウンが呆気なく吹き飛ばされる。
行政局の瓦礫は勿論、その先にあった幾つかの建物をも貫通して破壊し、数十メートルまでいった所で漸く勢いが失速した。
「クラウンさんッ!!」
「テメェは黙ってろ腰巾着ゥッ!!」
ユーリはそのままの勢いで身体を捻ると脚を鞭のようにしならせ、ロリーナに回し蹴りを叩き込む。
「ぐぁッ!?」
既のところでなんとか一撃を腕と道極を盾にして守れたものの、クラウンを吹き飛ばした程の威力は凄まじく、ロリーナもまた積み上げられた瓦礫に向かい飛ばされてしまう。
「休ませねェぞゴミカスッ!!」
そんなロリーナには目もくれず、ユーリは駆け出し、それによって生じた風圧で周囲の建物を壊しながら吹き飛ばしたクラウンの元へと接近。
手に持つトールキンの木剣を大木槌に変形させると、それを瓦礫に沈み込んだクラウン目掛け一切の躊躇なく振り下ろす。
それを──
「本当に──」
振り下ろされた大木槌を、今度はクラウンが片手で受け止める。
「お前はすぐに調子に乗るなぁぁ……。ユーリ?」
クラウンは受け止めた大木槌に手を這わせるように滑らせ、絡め取るようにして持ち手を捻り上げて大木槌をユーリの手から引き剥がす。
「なっ!?」
「パワーで張り合えたからと、私に並べたと思うなよ?」
クラウンは左手を顎の先、右手をユーリに合わせると足を肩幅に前後で開く。
「叩き伏せる」
瞬刻。ユーリへ真っ直ぐに正拳突きを打ち込む。
「ぐあ゛ぁッ!?」
打ち込んだ瞬間、爆巓による小爆破が発生しユーリを爆撃。思わず足元が蹌踉ける。
「まだまだいくぞッ!!」
直後、クラウンはフラつくユーリに刻み突きを上段に放ち、すかさず同じ上段に逆突きによる《ワンツー》を打ち込む。
バランスを崩したユーリに対し間を置かず腰を入れた中段逆突きを更に打ち込み、続いて彼女の内側に左足を踏み込ませそのまま上段逆突き。
怯んだユーリに今度は外側へ右足を踏み込むと再度上段逆突きを放ち、そこからもう一度左足を踏み込んでから中段逆突きによる《逆突き三連》を見舞った。
「ぐ……あぁぁ……」
踏み込んだままの左足を利用し上段刻み突き。そこからその場で上段逆突きを放ち、更にその際の腰の捻りをバネとし、上段回し蹴りによる《空打ち独楽》を繰り出す。
「かはっ……っ!!」
ユーリはあえなく吹き飛び、床を滑る。
だが追撃を恐れた彼女は湧き上がる痛みと爆破による衝撃から無理矢理に身体を起こし、クラウンを警戒しようとした。が──
「なっ!? いな……どこにッ!?」
「よう」
「──ッ!?」
いつの間にか背後に居たクラウンに身構えようとしたユーリだったが、彼はそれを意にも介さず左足を内側に踏み込んでの中段逆突きから上段刻み突き、更に左足を深く踏み込んでの中段逆突きによる《虚突き三連》。
そしてそこから膝を抱え込んでの中段回し蹴りで薙ぎ、着地と同時に上段刻み突きの直後に中段逆突きを放ち、最後に後ろ足を抱え込んでの中段回し蹴りによる《二天独楽》を打ち放った。
「ぐ……がぁ……」
「これでも基本だ。まあ、流石に私のように爆破はしないがな」
「く……そ……っ!!」
煙を上げるユーリはこれ以上近接戦は不利と判断し、その場を《空間魔法》によるテレポーテーションで転移。
行政区画の隅の方まで一瞬で移動した。
「遠距離からトールキンを操り牽制か? 無駄な足掻きだ」
笑うクラウンは《蒐集家の万物博物館》を発動し、そこから風弓・飆一華を取り出して宙に居座るユーリへと構える。
「エルダールの弓を使うのも悪くはないが、やはりお前でなくてはな」
飆一華に《風魔法》の魔術の矢を番え、魔力を練り上げながら弦を引く。
ユーリはそれを見て的を絞らせ当たる事の無いようにと宙を縦横無尽に飛び回り始めるが……。
「くだらん」
宛ら竜巻のような暴風が一本の魔術矢へと集約。辺りの瓦礫が飛ばされてしまう程の風力がクラウンを中心に巻き起こり、飆一華が震える。
「放て。《狂飆挽歌》」
飆一華が崩壊する直前。放たれたるは殲滅の嵐。
周囲の空間を真空にしかねない程の風力は周囲のあらゆる建造物を巻き込み次々破壊し、その矛先をユーリに定める。
「バカがっ! 当たるかそんなものっ!!」
音速に匹敵する一矢ではあるが、今のユーリならば避け切れないものではない。
彼女はすぐさま《狂飆挽歌》の範囲外にまで再び転移すると、矢を放ったばかりのクラウンの背を見遣る。
「その首もら──」
「愚劣め」
瞬間、ユーリの目端に不可解な光景が写り、スキルによる警鐘が脳内に鳴り響く。
そこには本来なら全く見当違いの方向へ飛んでいた筈の《狂飆挽歌》がその矛先を180度変え、再び自身へと向かって来ている絶望的なものであった。
「なっ!?」
「さぁ。逃げ回ってみろ」
忌々し気に眉を顰めたユーリは今にも食い付いて来ようとする《狂飆挽歌》から距離を取る為に三度転移。
しかしその直後、またもや《狂飆挽歌》がユーリに迷いなく狙いを定め直し、彼女を追い詰める。
「クソッ!! なんなんだッ!!」
これは決して、《狂飆挽歌》の技効果ではない。
クラウンが進化した事で新たに得たマスタースキル《森羅万象》。それによる権能によるもの。
その権能は謂わば〝属性の掌握〟。
属性が含まれているあらゆるものを魔力を介して自在に操作する事を可能とし、例え一度制御を離れた魔術であろうと、魔術に干渉可能な範囲内ならば掌握する事が出来る。
そしてその干渉範囲を《演算領域拡張》と《演算神域》により極大させ、トールキン内全体を範囲としている。
先程クラウンが放った多重魔術放射──「千遍万花」もこれらを利用する事で可能としたものであり、これらは師であるキャピタレウスにすら真似出来ない超常の技と言えた。
「さぁさぁ気張れ。集中しろよ?」
音速で迫る《狂飆挽歌》に、ユーリはもう一度テレポーテーションを発動。別の場所に転移するが、やはり即座にその方向を変えユーリへと狙いを定める。
「くっっっっっそがァァッ!!」
怒りに叫び更にもう一度テレポーテーションを使おうとした。が、しかし──
「がッ!? クソがッ!!」
発動しようとした魔術が破綻し、魔力として霧散する。ほんの僅かにだが、演算にミスがあったのだ。
──《空間魔法》は取得難易度は勿論、魔術を行使するのですら高い技術と経験、演算能力を要求される魔法。その難易度は中位二属性や複合魔法をすら凌ぐ。
そんな高等技術を要求してくる《空間魔法》を、使えるとはいえ普段使いせず、経験も技術も足りていないユーリが連続発動すればどうなるか?
「《空間魔法》に必須の魔力による座標の置換はまさに精密作業だ。最小単位の計算の間違いも許されない。それをこの追い詰められた状況で、お前に出来るわけないだろう?」
ユーリはテレポーテーションの連続発動などした事がなく、またそこまでの高度な演算処理などもした経験がない。
「なら──」
「間に合わんよ」
「──ッ!?」
再演算をしようとしたユーリの身体が、何かによって固定される。
それは蜘蛛糸の如き細さを有しているにも関わらず鋼以上の硬度を誇り、今現在のユーリをして容易には引き千切る事が出来ない。
「な──キサマァァッ!!」
「……」
ユーリの眼下。そこには両手に綢繆奏を装備し、射出した硬糸でもって彼女の動きを止めたロリーナの姿があった。
「ぬぁッ……こんな糸ォ……」
「させません」
糸を無理矢理に千切ろうとしたユーリを見たロリーナは手元を複雑に繰ると、糸を道極へと絡め宛らハープのように弦として固定。
ロリーナはその弦と化した糸を撫でるようにして弾くと、《狂飆挽歌》による風音に掻き消されてしまうような細く、けれども厳かな音が糸を伝わり、ユーリに届く。
「がッ!? あ゛あ゛ァァ……ッ!?」
音による振動は彼女の内側を激しく揺らし、骨伝導によって耐え難い凶音が鼓膜を揺らす。
致命的ではない。しかし身悶えしたくなるような激痛と不快感がユーリを襲った。
「そう言えばさっき、ロリーナを私の腰巾着とかどうか言っていたな?」
「ぐぅ……がァァッ……!!」
「訂正せんでいいからその分だけ思い知れ。……ロリーナは強い。私と並ぶに相応しい程にな」
「がァァァァッッ!!」
断末魔を上げるユーリに、《狂飆挽歌》が直撃する。
瞬間、災害級の竜巻が彼女を中心として展開し、辺りの瓦礫や未だ無事であった建造物を破壊しながら巻き込み、ユーリへと殺到。
大小様々な街の残骸が彼女を徹底的に痛め付け、押し潰す。
竜巻が収まる頃には、ユーリを核とした巨大な瓦礫の塊が宙に形成されていた。
「ふむ。随分と歪な団子になってしまったな。上手くは丸くまとまらんか……」
そう無感情に呟き、自由落下を始めた塊が落ちるポイントへとクラウンは転移。
目の前に轟音と衝撃を伴いながら落下して来た巨塊を静観し、数十メートルも立ち昇った砂埃の先を凝視する。
「クラウンさん」
「む。来たか」
顔を動かさぬまま、背後に同じく転移してきたロリーナに反応だけを返し、変わらず凝視し続けるクラウン。
ここまで徹底的にやって生き残る者などそうは居はしないが……。
「……まだ」
「ああ。いよいよ面倒だな」
砂煙の向こう。
そこには瓦礫を退かし、フラつきながらも立ち上がる一つの小さな影が見て取れた。
「クラウンさん。このまま闘い続けては……」
「……はぁ。結局、アレに頼るか」
「アレって……。まさかっ!?」
「どの道《禁断の果実》を奴の元に置いたままには出来ん。後々の面倒な手間を省けると考えれば、まあ、都合が良いじゃないか」
「で、ですがそれでは……」
「心配するな。今の私なら問題は無い」
クラウンは徐に歩き出す。
「君は休んでいて良い。後は私がやる」
「……はい」
爆巓を仕舞い、夜翡翠も朔翡翠も仕舞う。
完全無防備にまで軽装化したクラウンは両手をポケットへと突っ込み、まるで散歩でもするように進む。
瓦礫を踏み付け、蹴飛ばし、未だにフラつき立っているのもやっとな影──ユーリへと歩み寄った。
「なんだ? フラフラだな? 肩でも貸してやろうか?」
「く……そ、やろう、が……」
「いい加減聞き飽きたぞ。何回「クソ野郎」を連呼する気だ? 口汚いにしても語彙力が貧弱だな? え?」
「だ、まれ……」
「ふふふ。声に覇気もないな? 疲れてるならいっそ降参してくれないか? 私ももう気疲れしてしまって──」
「黙れって言ってんだァァッッ!!」
ユーリはクラウンに右手を突き出す。
その手には立ち上がりながら作り直したトールキンの木剣が握られており、その切先が彼の胸──心臓目掛け真っ直ぐ伸びた。
それは今までのものに比べ余りにも精彩を欠く一撃。今のクラウンならば避けるまでもなく弾く事が可能な刺突だったであろう。
ユーリもそれを理解した上で放った攻撃。弾かれ、避けられ、守られた事を前提とした前座の一撃であった。
これを起点に再び斬り結ぼう。その中で《禁断の果実》を用いて更に力を増していけば、いつしか一つくらい隙を突ける……。そう、試算していた。
が、しかし──
「──ッ!!?」
ユーリが放ったトールキンの木剣は、アッサリとクラウンの胸を貫き、心臓を穿つ。
剣先は背中まで貫通し、同時に溢れんばかりの鮮血が傷口から溢れ出した。
「な……、な……」
「ふむ。久々に体感したが……致命傷とはやはり中々に痛恨を極めるな──ごふっ!」
クラウンの口から、血が溢れる。
その光景はまさにユーリにとっては何よりも見たかったもの。
自身の手で、力で、憎っくきクラウンを殺す……。それがまさに叶おうとしている光景だ。
だがそれでも、彼女の頭は一瞬にして真っ白になった。
興奮や喜びよりも、まず先にユーリを支配した「何故?」という疑問が頭を埋め尽くし、一切の理解が及ばない。
人生の中でここまで戸惑った事など、最愛の「おじさん」を亡くした時に次ぐだろう。
それほどまでに、今の攻撃でクラウンに致命傷を与えられた事に、衝撃を受けてしまったのだ。
〝あのクラウンが、こんなにアッサリ?〟
「なぁ、ユーリ」
「──ッ!!」
クラウンは木剣が刺さったまま、尚もユーリへ歩み寄り、血で濡らす口角を不気味に吊り上げながら、告げる。
「《禁断の果実》はお前には過ぎた玩具だ。私が預かってやろう」
そして木剣を握り、発動させる。
自身の生命の危機が訪れた時のみに発動を許された、禁断とも言うべきスキル……。
「さあ。その果実、私が《貪婪》に喰らってやろう」
直後。
ユーリの中にあった強大な力が、奈落の暗闇へと堕ちていった……。




