第九章:第二次人森戦争・後編-18
たいっへん遅くなりましたっ!!
葬式とか色々ありまして……。まあ、数度しか会っていなかった親戚だったのでメンタル的には全く問題無いのですが、疲れ果てまして……。
──昨日、夕刻過ぎ。
「ふざけるなァッッッ!!」
「ぐッ!!」
恰幅の良い中年男が、ヴァイスの顔面に憤怒の籠った拳を叩き付ける。
しかし拳はヴァイスの顔にめり込んだものの、日頃鍛えているわけでもない中年男の右ストレート程度では彼の体幹は大して揺るがず、僅かに片足が下がるのみであった。
「すみません……ごめんなさい……」
殴られたヴァイスはヴァイスでその事について怒りを発露するでもなく、寧ろこれ以上無い程に顔色を悪くさせながら絶望し切った表情を見せるとその場で両膝を着き、地面に額を落としながら必死に謝罪を繰り返す。
「いくら謝ろうと……あの子は帰って来ないッ!! 貴様のせいで死んだのだァッ!!」
中年男は地面に伏すヴァイスの頭へ向かい、全力の蹴りを繰り出そうとする。
「ルーカス殿ッ!?」
が、それを見た背後に立っていた男が即座にマズイと反応。慌てて彼を羽交締めする形で取り押さえ、蹴りは既の所で空を切った。
「は、離して下されッ!! 私は……私はこの小僧を殺──」
「落ち着きなさいルーカスッ!!」
「そうですルーカス殿ッ!! それ以上はやり過ぎですッ!!」
暴れるルーカスを、羽交締めした男ともう一人の中年男が諌めようと声を荒げる。
するとその声で若干の冷静さを取り戻したのか、未だ冷めやらぬ激情を無理矢理内側に押し込めてから「……わかりました。申し訳ない」と言って羽交締めを解いてもらう。
が、それでもやはり、全てを飲み込めたワケではない。
「私は……私は許せんのですッ……。こんな小童の為に娘が……。アナタ方だってそうでしょうッ!? イアハート伯ッ!! クーロンバーク伯ッ!!」
ルーカスの声音は苛烈だった。
煮え滾るような怒りと深く底の見えない悲しみが綯い混ぜになって弾け、聞いているだけでコチラまで悲痛な気持ちになるような、そんな声音。
大切な〝何か〟を喪った、憎悪の叫びだった。
「……そうだ。我々とて同じだ。許されるならば彼を八つ裂きにしてやりたい……」
「な、ならばッ!!」
「駄目だルーカス殿。我々は自らの意思で、我が娘達を前線へ付いて行かせた。〝こうなる〟可能性を承知してだ。違うか?」
「そ、れは……。しかしそれでも……」
「それにこんなたかが一学生に娘達の責任を取れと? 何をどうやって? ……こやつ程度では、娘達の死を償えんよ」
「──ッ!!」
イアハートの言葉に、未だ地面に額を落とし続けていたヴァイスの肩が一瞬跳ねる。
ヴァイスとて償えるなどと考えてはいない。
例え彼女達の人生の分まで身を削る道を選んだとしても、そんなものは償いでも何でもない。ただの自己満足だ。それくらい、今のヴァイスでも理解している。
だがそれでも、ヴァイスは心の奥底で無意識の内に願ってしまっていた。
『きっと自分にも何か出来る事はある』と……。
しかし改めて彼女達の親である彼等に直接告げられた事で、ヴァイスは自嘲しながら自身の愚かさを心中で嘆いた。
(この期に及んで僕は、なんて浅はかなんだ……。僕のせいで死んだ彼女達に出来る事など、何一つ無いというのに……。どうして僕は……いつもいつも……何も間に合わないんだ……ッ!!)
ヴァイスは絶望し、己に怒る。湧き上がる怒気に思わず地面に着いた両手を土を巻き込みながら握り込み、身体を小刻みに震えさせた。
(あの時だってそうだッ!! あの時僕がもっと強ければ……もっと心が強ければ……。こんな……こんな……ッ!!)
彼の脳裏に過ぎるは、数年前の忘れたくとも忘れる事の許されぬ記憶。
生まれ育った小さな村で貧しいながらも心の満たされる毎日を幼馴染と過ごした、明朗で豊かな日々……。
そんな日々が何の前触れも予兆も無く、あっさりと地獄へと流転し、家族も友人も顔見知りも……そして幼馴染も等しく死屍累々の景色に塗り潰された、忌まわしい過去の記憶。
果たして自分が強ければ防ぐ事が出来たのか? もっと強い心があれば救えたのだろうか? 全員と言わずとも一人か二人……家族や幼馴染の一人くらいならば助ける事が出来ただろうか?
その答えを知る者は、誰もいない。もう二度と、あの輝かしかった平凡な毎日の続きを見る事も知る事も出来ない。
ただ一人。気紛れと面白半分で生かされただけの──〝正義〟の元に首謀者を殺めただけのヴァイスにも、知る事は出来ない。
(僕は……僕は……ッ!!)
「それくらいで、勘弁してもらえないか?」
己への怒りに戦慄くヴァイスの横を、重たい声音の老紳士が並びそう発する。
「きゃ、キャザレル侯……」
ルーカスが少しだけ臆しながら、彼のファミリーネームを口にする。
ヴァイスの横に現れたのは、滅んだ村の中、たった一人で無気力で無機質に住み続け、餓死寸前だった所を拾い、救ってくれた彼の義父──アッシェ・ラトウィッジ・キャザレル侯爵であった。
「……義父さん……」
自身の義父だと察したヴァイスはそこで地面に着けていた頭を上げ、並び立つ大恩人をその場から見上げる。
しかしアッシェは息子に一瞥もくれる事無く、ただただ静かで重苦しい眼光でもって眼前の三人を見据えていた。
「再三の我が息子からの謝罪……。もう受け取られたか?」
「……」
「暫し趨勢を見守っていたよ。君達の怒り、至極尤もだ。例え君達自身が娘を送り出し、その結果として帰ってこなかった事実を考慮しても、我が息子を殴り罵倒するくらいの権利はあるやもしれんな」
「な、ならば──」
「故に、これくらいが限度と言っている。君達に許し、見逃してやっている……八つ当たりに近い怒りの発露に、な」
「「「──っ!!」」」
「どうしても誰かに責任を取らせたいと言うならば件のクラウン・チェーシャル・キャッツに矛先を向けるのだな。「責任だけなら取る」と、言っていたようだし。奴ならば断りはせんだろう?」
「そ、それは……」
「お分かりでしょう? キャザレル侯……。意地の悪い提案をなさらないで下さい」
「今や彼の者は先の功績により英雄並みの支持を得ております。そんな彼に責任の所在を問えば、コチラの名が傷付きかねませんっ!」
クラウンの英雄殺し。そして砦前に築かれていた二十を超える拠点の制圧と二万に及ぶ敵兵の討滅という信じ難い事実は、当然既に全軍に知れ渡っている。
当初話だけが上がって来た際は、それこそ虚偽や虚言、話に尾鰭が着いた眉唾物だのと別の意味で軍内に知らしめられていた。
だがそんな話の根幹であるクラウンが直々に正式な報告として後方拠点に現れた途端、空気は真逆に流転する。
つい数日前までとは比べ物にならない威容を滲ませた雰囲気と気迫。そして手ずから持ち込んだ英雄エルダールの首と、その他千にも及ぶ敵の首……。それら凄味と物的功績は軍に居たどんな疑り深い人間も瞬く間に黙らせ、息を呑んだ。
そこからは何もなくとも絶賛と賞賛が軍中を舞い飛び、恐怖と畏怖が静かに素早く広まっていった。
最早クラウンは彼の姉ガーベラと同等以上の存在として認知され始め、評価され始めている。
今後彼は国内で急速に頭角を現し始め、彼等よりも圧倒的な評価でもってその名が轟くだろう。
そんな彼に一介の伯爵と子爵、そして小さな商会の会長如きが八つ当たりとも取れる責任追及をすればどう彼等の評判に響くか……。想像に難くない。
「ふん。……我が子の将来を想い、功績を一つでも積ませたいという気持ちは分かる。だがそのリスクを承知していたにも関わらず私情を挟み、寄って集って弱い立場の人間を追い詰める貴殿等は、貴族やそれを目指す者として余りに狭量。身の程を知りなさい」
「……それは──」
「む?」
「それは御子息が生きて帰って来たから言える事でしょうッ!?」
ルーカスが突如、我慢ならないとばかりにキャザレル侯に食ってかかる。
それを見たイアハート伯とクーロンバーク卿はルーカスを必死で止めようとするが、彼はそれを振り切りキャザレル侯に向かって叫んだ。
「確かに貴殿の言う通りだッ! 我々は自らの意思で娘達を送り出し、そして帰って来なかった……。その無念を貴殿の御子息にぶつけた事が誤りだった事も認めよう……」
「……」
「だがその事をッ!! 我が娘に守られ生き延びた男の親である貴殿に咎められる謂れはないッ!!」
「……」
「貴殿の息子は生き延びたッ!! 我々の娘を犠牲にして生き延びたのだッ!! その気持ちが貴殿に分かるかッ!? たった一人の若造を助ける為に尊い娘三人が死んだのだぞッ!? それを赦せる親などいるかッ!?」
「……それだけか?」
「──ッ!?」
キャザレル侯は冷たく──極寒の吹雪に曝されるような幻覚を見る程の冷たさを孕む目線をルーカスに向け、無感情に言い放つ。
「──貴様は貴族への陞爵を夢見ていたそうだな?」
「それは……今とは関係──」
「貴様には無理だ諦めなさい」
「なッ!?」
「先にも言ったが貴族とは私情を挟んではならん重責を担うもの。国の為に身を削り国の為に力を振るい国の為に知恵を搾り国の為に命を捧ぐ……。故に国民の誰よりも権力と資金を持つ事を許され、ある程度の豊かさを享受出来る。まあ、程度にはよるがな」
「そ、れは……」
「だが貴様はどうだ? 先程から自身の感情に振り回され喚き散らし暴力を振るう……。貴族を目指す者として余りに分不相応。恥を知れ」
「だ、だが……。私達の娘の犠牲は──」
「だからなんだ? 息子娘など幾らでも犠牲にしろ。跡継ぎならば後に作るか、最悪私の様に養子を取ればいい」
「なん……」
「それが出来ねば貴族など務まらん。その覚悟を持てぬ者に、国を支え守る責務など決して果たせぬ。中途半端な夢など、抱くだけ無駄だ。捨てろ」
「……ッ」
ルーカスはそのまま複雑な感情を滲ませた表情で固まり、まるで化け物でも見るかのように強く動揺する。
それが果たしてキャザレル侯に対する畏怖から来るものなのか、はたまた貴族としての覚悟の違いを見せられ衝撃を受けたのかは判然としない。
だがその後数十秒間、ルーカスは何も言えぬまま押し黙り、頗る居心地の悪い空気が充満する。
そんな空気の中を、ルーカスの背後で黙ったままになっていたイアハート伯が気不味そうに言葉を発した。
「……申し訳御座いませんキャザレル侯。後程正式な謝罪へと伺い──」
「結構。貴殿等の評価は私の中で決した。今以上に下げたくなくば、せめて貴族の責務を果たしなさい」
「……畏まりました」
イアハート伯爵が苦々しい表情で代表するように謝罪すると三人で頭を下げ、各自思い思いの感情を秘めたままヴァイス達の元を去って行く。
「……」
「……」
「……義父さん、僕──」
「思い知ったか?」
「──ッ!?」
ヴァイスは目を見開き、父親というよりも厳格な指導者としての顔付きになっているアッシェに緊張した面持ちで身構える。
「お前は確かに強くなった。私があの村で拾い、心身共にズタボロだった脆弱なお前とは比ぶべくもない」
「……」
「だがそれでも足りない。例えあの時のお前に今の力があったとしても、然して変わらん結末になっていただろう。以前のお前と今のお前では、所詮その程度の差でしかないのだ」
「……はい」
「今まで以上に精進しなさい。あのクラウンに追い付け──とまでは言わんが、せめて背中が見える程度にはなって貰わねば困る。あの様な強く輝く闇……野放しにしては今後国がどうなるか判らん。お前には期待しているぞ」
「……はい。──あの義父さん」
「なんだ?」
「……」
ヴァイスは悩んだ。
先程ルーカスに放った貴族としての覚悟……。それが義父であるキャザレル侯の芯にある矜持ならば、自分もまた国の為の犠牲として迷わず切り捨てられるのか? 自分を養子にしたのはそんな犠牲の為の駒としてに過ぎないのか?
それを聞こうと咄嗟に口が動き、しかしその真実を今の自分が受け入れられるのか分からず、呼び止めたにも関わらず思わず悩んでしまった。
しかしそれすらお見通しとばかりにキャザレル侯は深い溜め息を吐くと、敢えてヴァイスの方とは真反対に顔を逸らし、息子には聞こえぬよう小さく、小さく呟く。
「……お前は特別だ。馬鹿者め」
「と、義父さん?」
「何でもない。それよりいつまでそうしているつもりだ? 養子とはいえ、我がキャザレル侯爵家の嫡子がいつまでも地に伏しているなど許さんぞ」
「す、すみませんっ……」
ヴァイスは急いで立ち上がると土塗れの衣服を懸命に叩き、簡単な汚れだけでも可能な限り落とす。
「恐らく、もうこの戦争でのお前の出番は無いだろう。戦況は彼のクラウンの手柄によって決した。お前はもう大人しくしていなさい。良いな?」
「……はい」
それだけ言い残し、キャザレル侯はヴァイスの元を去って行く。
後に残されたのは無様に土で汚れたヴァイスのみ……。ヴァイスはそんな自分の姿を眺め、力無く、まるで亡霊のように生気のない顔で自嘲気味に笑う。
「……今の僕には、相応しい姿だな」
そう呟き、ヴァイスもその場から歩き出す。特に目的も無く、アテも無く……。己を呪うように……。
──約一週間後。アールヴ国内トールキンの王城──皇帝の私室にて、アールヴの女皇帝ユーリはソファで項垂れ、頭を抱えていた。
そんな彼女の私室はまるで複数の獣が暴れ回ったかのような荒れ様に様変わりしており、あらゆる物が傷付き、割れ、破れ、砕かれ転がっている。
もう既に日は落ちているというのに部屋の明かりは灯っておらず、割れた窓から差し込むトールキンの黄金の葉の光だけが唯一の光源となっていた。
「……どうして、こんな……」
アールヴの英雄にして切り札中の切り札であったエルダールの戦死と、その孫達であるディーネルとダムスの敵前逃亡及び行方の不明。
そこに加え二十以上あった筈の砦前の拠点が全滅し、約二万の兵士が散った。
そんなどうしようもない事実は然しものユーリを強く動揺させ、込み上げる憤怒は最早全く制御など出来ず、脇目も振らずに暴れ散らした。
体力の限界まで暴れては少しだけ落ち着き、しかし数分とせず再び怒りが再燃すると我慢出来ずに暴れ始め、限界まで部屋を荒らす……。その繰り返し。
飲み食いもせずに暴れた影響でとうとう動きが鈍った所を近衛兵達に取り押さえられ、そこで漸く少しだけ落ち着きを取り戻し、今に至るワケである。
しかしただ怒りのまま暴れていた時には考えなくて済んだ事も、若干の冷静さが戻ってしまった今の彼女はどうしたって考えてしまう。
このまま、この戦争に勝てるのだろうか?
「……もう、勝てない……のか?」
五十年に及ぶ策謀、その集大成がこの戦争だった。
人族に対する憎悪と怒り……そして自分の境遇とは裏腹に何事も無く平和に暮らす奴等への燻るような執念深い嫉妬心……。
そんな感情の塊を原動力に今まで文字通りの意味で必死になって進んで来た。皇帝にまで登り詰めてさえ道半ばの、険しい荊道をだ。
そんな道の結末が、先の途切れた崖だった……。そんなものを許せるのか? ここで諦めてしまうのか?
「──いや、違う。勝つとか負けるとか、そんな事、どうでもいい。どうでもいいんだ」
ユーリは立ち上がり、シャンデリアが落ち傷だらけになった天井を見上げ、それから勢いよく振り返る。
目線の先にはこの部屋で唯一、散々暴れたにも関わらず全く傷の付いていない木製の棺のような縦長の箱。
彼女はその箱の前まで歩み寄ると箱の蓋を開け、中のモノに宛ら子供の様に抱き着く。その表情はまるで別人の様な穏やかさだ。
「そうだ。敵とか味方とか……関係ない。奴等を苦しめられるならば幾らでも国民なんて犠牲にしてやる。国が滅ぼうが知った事か。私が……わたしが、必ず──」
そこまで言い掛けた時だった。
──コン、コン。
「……」
怯えたようにギコちないノック音がユーリの鼓膜を揺らし、折角の穏やかだった表情はまた不穏なモノに戻ってしまう。
ユーリは箱を閉めると簡単に身支度を整え、心底機嫌が悪そうに「入れ」とドアをノックした者へ告げる。
「し、失礼します……」
可能な限り恭しく入室したのは大臣の一人。数日と暴れていたユーリの漸く落ち着いた機嫌を振り返さぬよう、最新の注意を払って話し始めた。
「ほ、報告が御座います、陛下……」
「報告? この期に及んで今度は何だ?」
正直なところ、最早これ以上現状が悪くなろうと大した差ではない。部隊の一つや二つ、拠点の一つや二つ潰れたところで痛痒など感じはしない。だが──
「そ、それが……」
「チッ。なんだハッキリ言え」
「は、はいッ!! さ、先程ティリーザラ王国からし、使者が……」
「……何? 何の使者だ」
「……降──勧──」
「あ゛?」
「こ、降伏勧告ですッ!! ティリーザラ王国国王直筆の降伏勧告の書状を持った使者が参りましたッ!!」
「……」
そこで怒りが再燃しそうになったユーリだったが、しかし。彼女の脳裏に一つ、醜悪で邪悪な発想が浮かぶ。
すると湧きあがろうとした怒りはそのままに違う愉悦めいた感情がそれを塗り潰し、久しぶりにユーリは笑う。
「会おう」
「は、はい?」
「会うと言っている。使者を客間に通し、謁見の間の準備をしておけ」
「は、はぁ……」
「ああそれとだ」
「な、なんで御座いましょう?」
「拷問室も、準備しろ。良いな?」
「──ッ!? か、畏まり、ました……」
ユーリは口角を上げ、笑う。
戦争には負けた。もう覆しようがない。
だったらもういい。アールヴが負けようが知った事ではない。やる事は決まっている、そう、最初から決まっているのだ。手段が変わるだけで、もう、どうだっていい。
後はもう、国を使い倒して奴等に出来得る限りの〝嫌がらせ〟をするだけだ。
「苦しませよう。奴等を……」
ユーリは最早、女皇帝ではない。
この時点から彼女は、国という凶器を振り回して不幸を振り撒くだけの、復讐鬼となった……。
貴族というものの解釈が本来どんなものかは所詮は私の主観でしか描けないので賛否あるかもしれませんが、私としての見解はこんな感じです。
さてヴァイス君がどうなるか……。お楽しみに!!




