第13話 村から出発! そして女王様の楽しみ
お久しぶりです。
久々の投稿です。
視点変更 彰→レイ
決闘の次の日、俺たちはまだシイラ村にいた。
「なんだかんだ言って一日いちゃったね。」
「主にレイさんのせいですよ。」
『子供と遊んだし楽しかった。』
昼食を食べた後、子供達と鬼ごっこやらかくれんぼやらをして村の子供に誘われそのまま家に行き夕食を食べ、泊まってしまった。 ちなみに狼の集いのルルダンという男は回復魔法を使って治療をしてギルドの人達に渡したが狼の集いの人達に怯えられてしまった……あきらかにお前ら年上だろ、何年下の少女にびびってんだよ一応冒険者でしょ。
「で、アリア今度こそ行くんだね?」
「あ、お父さん。 行ってきます!」
「ああ、行ってらっしゃい。」
そして今度こそ別れて二人と一匹でハイナ教国首都に向かうのであった……商人さんの馬車に乗って。
「すみませんウイナさん。」
「まあいいが……。」
みなさんは覚えているだろうか? ハイナ教国からシイラ村に来るまでに乗ってきた馬車に乗せてもらった商人さんだ。 シイラ村に来たときにウイナっていう名前だと判明した人だ、言っていなかったがヒューマンである。
「狼の集いのギルドマスターをあんなにアッサリ倒せるような人を無料で雇えるんならこっちも万々歳だ。」
「ふふ~ん、私は凄いんだよ~。」
「ああ、今なら正直にそう思うよ。」
「レイさんですからね。」
『だよね~。』
二人と一匹が俺に対してなんか暖かい目を向けてくる。
「何さ!みんなして普通に褒めて!」
「いやぁ……レイさんは凄いひとだなぁ~って。」
「ああお嬢ちゃんは凄い人だ。」
『うんうん。』
「なんか普通に褒められると不思議な気持ちに……。」
やっぱボケ担当なのかな……俺。
視点変更 レイ→ハイナ2世
「女王様!」
「ん?何ですか?」
私は、首都の孤児院に見舞いに行った後、宮殿に戻ってきたときに女官に呼び止められた。 私は、正直机に座っているよりも歩き回って民の声を聞く方が好きだ。 母上は最初は傷ついた人の為に治療をずっとしつづけていたら、いつのまにか人々の中心になっていて自然に村となり、国が出来たのがハイナ教国であり。 母上が言った掟や思想などがハイナ教の聖書になっと私は母上から聞いてきた。
「そ、その国境の魔導隊の人達からの報告書が届いたのですが……。」
「緊急の問題ですか? それとも伝聞機に不備があったのですか?」
伝聞機……最近出来た魔力で動く道具であり、伝聞機から遠くの伝聞機まで文字を届けることが出来るという道具であり、今は試作品が国境付近に配備されている。 まあ、急ぎの用事にしか使われないのですが……。
「いえ……伝聞機には問題がないらしいのですが。 国境を通ったエルフ種の人に少し変わった人がいるらしいのです。」
「変わった人?」
「はい……魔導隊の人によるとハイエルフなんだとか。」
「まあ……ハイエルフなのですか!」
ハイエルフ……今じゃ私だけになってしまったと思っていた種族。 母上からの遺伝でハイエルフになったのだが私以外にはいないというのにやや抵抗を感じた。 だが私と同種の人がまだこの大陸に居るということに少しうれしくなってしまう。
「その人は今何処にいるか分かりますか? 話をしてみたいのですが……。」
「すみません……そこら辺はわからないそうです。」
「そうですか……。」
その人はどんな人なのかとても気になっていたのだが居場所が分からないという事にやや落ち込む。 その人と少しお話ししたかった……。
「そ、そんなに落ち込まないでください!女王様! とりあえずそのハイエルフの人を探すように国全土の教会に通達してみます!」
「ありがとうございます。 よろしくお願いしますね。」
「はい!おまかせください女王様!」
今は会えないのはしょうがない。 その名も知らないハイエルフの人の事を考えながらも仕事をするために椅子に座るのであった。
視点変更 ハイナ2世→レイ
「ッ!?クシュン!」
『どうしたの?風邪でもひいた?』
「いや……誰か噂してるのかな?」
『?』
「そうだ……風邪といえば状態異常 病って何か分かる?」
「えっ?」
なんかアリアが「えっ、この人何言ってるの?」という感じの目を向けてくる。
「状態異常 病は様々な物があるんですよ。 例えば体力が徐々に減ったり体が痛くて動けなくなったりとか……基本的には時間がたてば自然に治りますけど、治りやすいものもあれば治りにくい物もあるんですよ。」
「病気って事?」
「まあ、そうです。」
「あ~なるほど。」
つまりルーブの町ではとりあえず病気を魔法で治したって事か。 なるほど。
「ハイナ教国は南の方の国なんだよね?」
「はい、大陸では西南の方に位置しますね。 オルアナ王国は真西に、ヴェルズ帝国は北西に位置しています。」
「見事にみんな西なんだね~。」
「でもライヴァン同盟は南東の方にあるんですよ。 鉱山があるとか何とか。」
「真ん中には国は無いんだね。」
「真ん中は大平原っていうんですけど、平原の主っていうモンスターが居て平原中を駆け回っているそうで、町なんかを作ったら平原の主に荒らされるそうです。」
「ふーん。 平原の主ねぇ。」
「どうしたんですか?」
「……捕獲できるかなぁ。」
「……お嬢ちゃん本気かい?」
「とりあえずペガサスとスレイプニルと朱雀を出せばいけますかね?」
『私もいるよ!』
「そうだ黒猫さんが居た!」
「なんで言い伝えにしか出てこないようなモンスターばっか……。」
「……お嬢ちゃんは本当に何者なんだい……。」
なんかウイナさんがガクブルしている。 ってそうかスレイプニルがいるのか。
「そうだ!スレイプニルに乗ればすぐに首都に行けるじゃん!」
「だからそれは却下です!」
『個人的には楽しそう。』
「黒猫さんもですか!」
「……若いってのは本当に良いねえ~。」
馬車はゆっくりと首都へ走っていくのであった。




