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PLATONIC LOVE  作者: たまご
15/17

-15-

今日は晴れ舞台の日。




茜との結婚式だ。


結局茜の父には認められないまま(母は了承済み)挙式をすることになった。





「良かったな、幸せになれて」


郁海(いくみ)が言った。




暫くギクシャクした関係が続いていたが、茜の仲介により以前と同じように、いや、それ以上に仲良くなった。



「…ありがとうございます…」


亮佑(りょうすけ)ははにかみながら答えた。



「そういや茜のドレス姿、見た?」


「いや、まだ見てないです…」


「行ってこいよ、物凄く綺麗だからさ。

ホント…お前が羨ましいよ!」



郁海はそう言って控室を後にした。








亮佑はその言葉通り茜の控室へと向かった。


今は人が少ないようだ。





「あ、茜…」



初めて会ったときのように見とれた。



世界中の誰よりも美しい花嫁。



彼女の視線は今まさに自分へと向けられているのだ。






「あ、えと、綺麗…だね…」


「ありがと」




茜は微笑んだが、すぐに俯いてしまった。







茜の両親はここには来ていない。




「私…ホントに幸せになっていいのかしら。

このままで…何かいけない気がするの…。」




亮佑は茜を抱き寄せると額にキスをした。


甘い香りがする。




「俺と一緒は嫌?」


「!嫌じゃない!」


「じゃあ笑って?

幸せになっていいの、とか聞かないでよ。

なっていいに決まってるだろ…少なくとも俺には茜を幸せにする義務がある。

…俺の決意、無駄にしないでね?」



茜は涙目で俯いた。



「ホラ、今から式なのに泣いたらメイクが崩れるよ?

いつもの優しい笑顔を見せてよ…茜…」









俺達は幸せ者だ。


こんなに想い合うことの出来る人がいる。



素敵な仲間に囲まれている。







たとえ大きな壁にぶつかっても、俺達なら乗り越えていける。


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