91話 お疲れ様とごめんなさい
「「「「「「お疲れ〜!」」」」」」
豊田市某所にある居酒屋にて、今日のライブの成功を祝した打ち上げが始まった。もちろん私たちは未成年だから飲酒なんてしないぞ! 週刊誌に載ったら最悪引退……ひえっ。
「それにしても〜、りんご凄かったねぇ」
「ねー。私びっくりしちゃったよ」
「そうよそうよ! あんなにキレのあるダンスができるなんて聞いてないわよ!」
当然のように、最初の話題はりんごちゃんに向けてのものだった。
フルーツパフェの面々が中心となってりんごちゃんに詰め寄るけど、薫も気になっているようで横目で見つめているのがわかった。
「え……と……」
たくさんの人に詰められて困っているりんごちゃん。
「みんな、いったん下がって。……ねぇりんご、あなたがみんなに隠していること、今伝えるべきじゃない?」
フルーツパフェのマネージャーに諭されて、りんごちゃんが言葉を紡ぎ始めた。
「……はい。みんな……隠していたけど、私は元アップるだったの」
…………………………はぁ!?
「あぁぁぁあアップる!? それってあのアップるだよな!?」
「落ち着きなよ明日香。混乱しすぎだ」
薫に諭されて、なんとか冷静さを取り戻した。
いやただ……衝撃すぎるカミングアウトだぞ、アップるオタクの私ですら5人目のメンバーがいたなんて知らなかったし。
「その時に私が歌ったり踊ったりすると、みんなアップるを辞めると口々にしたんです。私の足を、引っ張りたくないと……」
確かに、今日見せたりんごちゃんのパフォーマンスはアップるの誰をも上回るんじゃないかというレベルだった。
「私、怖かったんです。自分の居場所がまた一つ消えるのが。フルーツパフェを好きになればなるほど、本気を出すのが怖かった……またみんなが離れていくと思うと私……」
りんごちゃんは顔に手を当て静かに泣き出した。そんなりんごちゃんを、みかんちゃんがぎゅっと抱きしめる。
「……バカね。私たちがあんたを見捨てるわけないでしょ? りんごがどれだけすごくても、今更アップるが取り返しに来たとしても、あんたはフルーツパフェなんだから。これはもう決定事項。私が言ったんだから二度と覆らないわよ」
「み、みかんちゃん……」
フルーツパフェのみんなも、私も、涙を流している。
打ち上げにしてはしっとりしすぎな気もするけど、今日くらいは許してほしいな、うん。
これにて第2章は終了となります!
次章は終章となります。謎に包まれたICL編をお楽しみに♪
連載再開は(私のテスト期間終了後の)7/25〜となります。今しばらくお待ちください。




