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犬猿アイドル百合営業中  作者: 三色ライト
2章 1周年記念ライブ編

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77話 セクハラアイドル

 マネージャーのご両親による弾丸のような質問攻めに苦戦した夜。ようやく安息の地へと辿り着くことができた。

 一軒家にしてはそこそこ広いお風呂にも入って、少しだけリラックスできた気がする。


「あーー、しんどかったぁ」

「マネージャーのことを褒めるのは難しいものだね」


 ご両親の手前、いつも仕事が雑だし連絡は急で困っているんです! なんて言えないしなぁ。

 ……さて、マネージャーの家とはいえ、この部屋では薫と2人きりなんだよな。なんか……緊張する。


「明日香、今日はお疲れ様。ここ最近、少し悪い空気を生み出しすぎたかもしれない。味噌っ子ちゃん達のファンを見て、そう思ったよ。ごめんね」


 なんとあのプライドの高い薫様があっさりと謝ってきた! 私に謝るんじゃなく、フルーツパフェのみんなに謝ってくれれば解決なんだけど……。


「あぁ。空気が悪いと楽しくないもんな」


 私が笑顔でフォローしてやると、薫も微笑んだ。そして敷き詰められた布団の上を這うように私へと向かってくる。


「な、なんだよ」

「ふふ……以前の明日香ならこの程度の動きでもビクビクしていたのに、変わったね」


 たしかに。昔の私なら恐怖と恥ずかしさでビクッと体が震えていたかもしれない。でも今は違う! 私は薫を乗り越えたつよつよアイドルだ!


「ふん! 私だって成長するからな!」

「そうかい? ここの成長は穏やかなようだけど」


 そう言って薫は私の平たい胸に手を当ててきた。


「おい! セクハラだぞ!」

「ふむ、明日香の胸はあまりに平坦だ。それすなわち背中を触っているのと変わりはない。つまりこれはセクハラにはならないのさ」

「どういう理屈だよ……」


 まぁそりゃ背中のようにぺったんこですけど? 何か問題でも?


「こういう時は『まだ発展途上だ』とでも言うかと思ったけどね」

「もう諦めてるんだよ。無いものは無い。生えてこないものは生えてこない」

「……一説によると他人に触られると大きくなるというじゃないか。試してみよう」

「……試す? まさかお前っ!」

「そのまさかさ」


 むにゅ

 っと、薫が私の胸を揉み始めた。当然、私の胸は荒野であるため、むにゅという表現は間違っている。しかしこれ以上の表現が見つからないため、あえてこの擬音を使うことにした。

 ……ってそんなことはどうでもいい!


「本当にセクハラじゃねぇか!」

「……小さい方が感度がいいというのは迷信だったかな?」


 ボソッと独り言を呟く薫。聞こえないけどそんなことを問いただすより逃げなきゃ!


「どこへ行くんだい? まだ施術は終わっていないよ」

「なんで医学みたいになってるんだよ!」

「真面目な話、胸があった方が人気が出るよ」

「私はマニア受けを狙うからいい! 貧乳に価値を見出す変態(しんし)達はいる!」

「悲しくないかい、それ」


 もちろん私如きで薫に太刀打ちできるはずもなく、小一時間は胸を揉まれ続けるのであった。くそ……いつか揉み返してやる!

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