表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
犬猿アイドル百合営業中  作者: 三色ライト
2章 1周年記念ライブ編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

69/143

69話 完全アウェイ

「うわっ! すげぇ人!」


 思わず声が漏れる。

 大須商店街にどかんと構えるオレンジ色のお店、『まんだら〜け』には多くの人、特に男性客が詰めかけていた。


「ここは二次元系の作品を多く取り扱っているみたいだね」

「それって私たちに興味を向けてくれるのか?」

「今や二次元系のオタクさんと三次元アイドルのオタクさんとの境界線は薄くなりつつある。問題はないと思うよ。事実、ここのお店でも何回かアイドルのイベントを開いているみたいだしね」


 薫はスマートフォンで情報を仕入れているようだ。あまりの行動の速さにびっくりする。

 薫の言っていることは本当のようで、店に入ってからかなりの視線を感じるようになった。


 ……でも、一向に声をかけられる気配がない。京都ではすぐに声をかけてくれたのに。なんでだろ。名古屋の人は奥手……とか?


「なぁ薫、こっちから声かけてみた方が良くないか?」

「……一理あるね。このまま時間を浪費するのは惜しい」


 16:00からミニライブをするって情報も知れ渡ってないだろうしな。声をかけるメリットは大きいだろ。


「あの〜、すみません。私たちのこと、ご存知ですか?」


 フルーツパフェとの一件で不機嫌な薫に任せるのは怖いから、私が率先して声をかけることにした。

 声をかけることにしたのは20歳くらいの男子大学生っぽい人。本当は女の子に声をかけたいけど、この店ほぼ男客だしな。


「知っとるよ、felizだら?」


 やっぱり。felizってことは知られているんだ。


「ありがとうございます! 実は16:00から大須商店街の広場でミニライブをするですよ。よかったら来てください!」

「ふーん。ライブねぇ」


 ぐっ……あまりいい感触ではないな。


「初めての愛知県ライブです。ぜひお越しください」


 ここで薫も参戦してきた。劣勢になると薫の参戦も心強いな。


「……おみゃーたち、ちょっと東京で名の知れたアイドルだからってちょうすいとるんじゃないか?」

「「えっ」」


 ちょうすいとる? よくわからないけど、なんとなく貶されていることはわかるぞ。


「ここはアイドルの聖地、名古屋だがね。そんな生半可な気持ちでいたら足元掬われるよう」


 そう言って大学生くらいのお兄さんは足早に店を去っていった。

 もしかしたら、私たちへの視線はfelizを生で見られたという喜びからではなく……ただの敵対心からくるものなのかもしれない。


「薫……ここは私たちのホームじゃない。完全アウェイだ」

「そうらしいね。これは……厳しい場所を選んでくれたものだよ、まったく」

こんな大学生、いません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ