49話 一緒にご飯
「んがっー! 疲れた……」
小会議室で何時間も話し合い、頭がパンクしそうになる。話し合いも一区切りついたから今日は解散ということになった。
「お疲れ様。明日香はこれからどうする?」
「ん? ん〜……」
時刻は18:00。今からまっすぐ帰れば19時には家に着く。そんでスーパーに寄って、料理すれば19:30くらいか……。
「いや、面倒くさい! どっかテキトーなところで食べて帰る」
「そうかい。なら私も同行しようかな」
「へ?」
ど、同行!? つまり薫も来るってこと!? いや別に構わないけど……珍しいな。
「どこへ行く? 行きつけの居酒屋でもあるのかい?」
「いや未成年だし……」
冗談だよ、と笑う薫。なんだ? 飲みたいのか? 未成年アイドルの飲酒や喫煙は週刊誌に載るスキャンダルだぞ?
「んじゃまぁ……あそこでいいか」
というわけで薫を連れて、行きつけの店に行くことにした。勝手に行きつけということになっているけど、お店からしたら何でもないかもしれない。今までサインを求められたこともないしな。
私の家から徒歩10分の串カツ屋さんに到着した。ちなみに一応百合営業中ということなので手を繋いで電車にも乗った。はっきり言って、意識してからの方が恥ずかしい。
「どもっす」
「いらっしゃいませ〜」
ここの串カツ屋さんはおじさんに大人気……というわけではなく、むしろターゲットを女性客に絞っている気がする。
店内のインテリアは南国風で、とてもサラリーマンが仕事帰りに通う串カツ屋とは思えないしな。そしてデザートの種類が豊富なこと豊富なこと。むしろ串カツの種類より多いかもしれない。
「おしゃれなお店じゃないか。やるね、明日香」
「そ、そうか? へへ」
別に私そのものを褒められたわけではないけど、なぜか自分が褒められたように錯覚する。
「あ、あの。ご注文は……」
目を前髪で隠した灰色の髪の毛の女の子から注文を聞かれる。詳しいわけではないけど、マスターや女将さんと話している雰囲気的に娘さんってところかな。歳はたぶん私たちと変わらないくらいだと思う。
「えっと……じゃあ海老×3とアスパラベーコン×2、豚ヒレ×3とうずら×2お願いします」
「は、はい!」
注文を聞き終えたらいそいそと厨房の方へと駆け出してしまった。あの子、なーんか気になるんだよなぁ。
「どうしたんだい明日香、なんかぼーっとして」
「あ、いや。なんでもない」
まぁ私の勘なんて2週間先の天気予報並みに当たらないからな。特に気にしないで大丈夫だろ、きっと。




