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犬猿アイドル百合営業中  作者: 三色ライト
2章 1周年記念ライブ編

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42話 何かが始まる!

 劇的な告白を遂行し、その結果で得るものは何もなかったというオチから1週間が経過した。

 それくらいの時間が経てば、傷んだ心も少しは元通りになるってものだ。


 今日は8月15日。これが何を意味しているか、みんなはご理解いただけているだろうか。

 ふむふむ、終戦の日。そうだな、それも大事だな。

 でも私にとっては違う。そう! 今日はfelizの結成から11ヶ月が経過した日なのだ!


 ……11ヶ月? って思った人、いるだろう。でもその1周年からひと月前ってのが大事なんだな〜、これが。


 というわけでいつものごとくマネージャーに呼び出されて事務所へ。夏休みだとすぐに飛んで行けるからいいよな。


「よ、よう。薫……」


 事務所前で薫に遭遇し、普通に気まずさを感じてしまった……。

 まだ気持ちの整理がついていないからな……もう好きなのは認めるとして、そこから先どうしたいかまでは考えついてないし。


「おはよう明日香。いよいよだね」

「おう!」


 普段クールな薫ですら、今日は少しテンションが上がっているように見える。それを見て私のテンションもさらに高みへと引き上げられた気がする。

 まだ百合営業は継続するとのことだから手を繋いで駅から事務所へ向かうことにした。最初はあれだけ嫌だったのに、今では悪くないというか、むしろラッキーくらいに思う。


 事務所に入って、いつもの小会議室へと向かうと、なんだか部屋の中が騒がしい気がした。この約1年間、小会議室に誰か別の人がいるなんて滅多になかったから緊張するな……。

 薫と顔を見合わせて、意を決してドアを開けた。


「お、おはようござ……」

「みやの〜ん! おひさ〜」

「うえっ!?」


 お偉いさんでもいるかと思ったら、ドアを開けた瞬間に飛び込んできたのは……イチゴだった。


「よく来たわね、あなた達。さ、会議を始めるわよ」


 抱きついてくるイチゴから離れようとすると、一瞬チラッとだけ残りの人たちが見えた。


 まず目を引くのがメロンちゃん。下品な言い方になるけど、デカい。何もかもが。意図的なのかはわからないけど、ショートカットのせいで余計に胸が目立つ。


 次に、逆に目を引いたのがみかんちゃん。こっちは対照的にあまりにも小さい。背丈なら小学○年生くらいにも見える。犯罪的だ。これで[フルーツパフェ]のリーダーなんだからすごいよな。


 そして会議室の端っこにポツンといるのがりんごちゃん。赤い髪はオーラを感じるんだけど、本人の性格が奥手なのが行動に表れている。


「な、なんで[フルーツパフェ]がここに?」

「それも今から説明するわ。とりあえず座りなさい」


 横にいる薫の顔を見ると、何かを察したような表情をしていた。何を察したか聞こうとも思ったけど、残念ながら薫が「座ろう」と言ったため聞くことは叶わなかった。

 ……何かが始まる気がする。でも……何が始まるんだろうか。

連載再開です!

火曜と木曜休みの週5更新予定です!

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