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犬猿アイドル百合営業中  作者: 三色ライト
1章 百合営業作戦編

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29話 認めたくない気持ち

 薫の行動に疑問を抱きながら電車に揺られ家に帰宅。明日のための荷物をまとめて、朝早いからすぐに就寝。意外と真面目な私は遅刻とかしたくないのだ!


 そして優雅な朝を迎える。考えてみれば普通に旅行に行くことは悪くはない。そこにイチャイチャしないといけないことが加わるだけだ。


 ただ薫の目を見れないのが辛いところだな。私は薫のことを好きになってしまった……のか? あんなに私のことをチクチク言ってくるやつのことを? なんだか認めたくないな。


 このドキドキは恐怖か恋かのどちらかかと思ってたけど案外どちらでもない別の何かかもしれない。そう思えば薫の目くらい見れるんじゃないか?

 朝6時半とあって通学通勤の人が多いこと多いこと。満員電車に揺られながら4駅を移動して駅を出ると……


「やぁ、おはよう、明日香」

「お、おう」


 あ、あれ? 別になんでもない感情のはずなのにまだ目が合わせられないぞ? 

 もう、一体全体なんなんだよこの感情は! なんで「おはよう」っていう当たり前の挨拶でドキドキしてるんだよ。


 もうダメだどうにもならんと諦めてトボトボと歩いて事務所に向かう。事務所に着くとエントランスのところでマネージャーが待っていた。

 小会議室以外で待ち合わせってそういえば珍しいな。


「おはよう2人とも。じゃあ出発するわよー!」


 やけにハイテンションなマネージャー。まさか京都で遊ぶ気じゃないだろうな。私たちは一応仕事という形で京都に行くというのに。

 渋谷からまず電車で品川へ。そこからは新幹線で京都にダイレクトに行けるらしい。便利な世の中だな。


「お仕事とはいえ、旅行は楽しみだね、明日香」

「あ、うん。そうだな……」


 隣に薫が座っているからドキドキが止まらない。やっぱりこの感情は恋なのか? いや認めない! 私は認めないぞ!

 謎に意固地になっている間に新幹線はどんどん進み、あっという間に京都に着いてしまった。やっぱり速いな新幹線は。


「さぁ〜! どんどん回るわよ! あ、Tシャツは今から着てね」


 着替え用の部屋もないのになんて無茶な。トイレで着替えろってことだよね。アイドルにさせることか? これ。

 渋々トイレでfelizの英語版Tシャツに着替える。まぁ色合いは黒を基調として黄色が散りばめられた感じのカッコ可愛い系だからいいんだけど。


「うん、いいわね。これでどっからどう見てもアイドルのfelizよ」


 Tシャツを着てなくてもアイドルのfelizだっての。

 今まで予算を抑えていたのはこの旅行のためだったらしく、今回はそこそこお金が使えるからとなんとタクシーで移動することに。そんな贅沢いいのか? と思いつつも快適な移動ができて嬉しいのでした。

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