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犬猿アイドル百合営業中  作者: 三色ライト
3章 ICL編

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124/143

124話 乾杯

 ようやく時計が30分を刻み、生配信の時間となった。

 多くの人に見てもらうなら私たちのチャンネルで配信したほうがいいと思うけど、どうやら今回のコラボの条件にはリキュールレディのチャンネルに私たちが出るという条項が盛り込まれていたらしい。まぁ、新規ファンが増えるのならいいけど。


「よっしゃ、アタシらの生配信スタートだ!」


 霧島さんは完全に酔っ払っている千鳥足で配信ボタンを押した。見てて心配になるけどたぶん大丈夫だろう。


 今回私たちはゲストということで、初っ端から画面に映るのではなく伊佐美さんに呼ばれてからフェードインする形のようだ。


「おっすおっす! お前ら飲んでるか〜? 今日はアタシ、霧島と」

「伊佐美がお送りするよ〜ん」

「コメントは随時見てんからな〜? えっと……『二人で寂しい』だと〜? おい伊佐美、ゲストだゲスト!」

「はや〜い☆ けどいっか、おいで〜」


 うわ、唐突に呼ばれた。

 薫と目を見合わせて頷きながら画角に入った。


「どうも、felizの宮野明日香です!」

「泉薫です。よろしくお願いします」


 軽く挨拶をしただけで霧島さんの持っているスマートフォンに表示されたコメント欄がすごい速度で流れていくのがわかる。


「一応ライバルだけどfelizちゃんに来てもらいました。というわけで成人済みの君はお酒を持って、未成年の君はジュースを持って。いつも通りに乾杯しましょう。ほらfelizちゃんもジュース持って!」

「え? は、はい」


 そこら辺に転がっていたオレンジジュースのペットボトルを持って掲げる。伊佐美さんは焼酎を、霧島さんはウォッカと書かれた瓶を掲げている。


「じゃあ行くよ〜! リキュールレディ、飲み飲み配信んんんん、スタート! かんぱ〜い♡」

「「か、かんぱ〜い」」


 流されるままに乾杯をしてジュースを一口飲んだ。おそらく画面の向こうでは多くの視聴者がお酒を飲んでいるのだろう。


「「んぐっ、んぐっ……」」


 って思ったら伊佐美さんも霧島さんも一口どころの騒ぎじゃねぇ!? 酒ってそんなに飲んでいいものなのか? 学校で一気飲みはやめよう的な教育された覚えあるぞ!


「あ"〜〜! 喉が焼ける」


 なら飲まなきゃいいのに。大人って不思議な生き物なんだな。

 デロデロに酔っ払った状態で生配信がスタートするという過酷な状況にある。さて、ここからいったい何が始まるというのか。怖くて怖くて仕方がない私なのだった。

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