表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

18/203

混ぜ物もやり方次第


 再び町の外へ向かったダルク達を見送った後、ゆーららんから薬作りの指導を受ける。

 といっても、教わるのは薬としては初歩のポーションとマナポーションの作り方だから、さほど作業は難しくない。

 分量に気を付けてしっかりすり潰して、後は水出しで抽出するだけだ。


「それにしても、やっぱりお兄さんは凄いですね」

「なにがだ?」

「抽出されるのを待ってる間に、いくつも料理を作ってることがです」


 そりゃな、追加で料理を作らなくちゃならなくなったし、抽出されるのを待ってる時間が勿体ないからな。




 トマトの卵炒め 調理者:プレイヤー・トーマ

 レア度:1 品質:8 完成度:92

 効果:満腹度回復12%

    MP最大量+10【2時間】 魔力+1【2時間】

 卵のまろやかさとトマトの酸味が絡み合った優しい味わい

 トマトの水分が出ないうちに、強火でサッと炒めるのがポイント

 この二つの組み合わせは、炒め物でも最高!


 *ちょっと多めの油でトマトを炒める。

 *溶き卵を加えて炒め、塩で味を調えて完成。




 豚モモ肉のニラネギ炒め 調理者:プレイヤー・トーマ

 レア度:2 品質:7 完成度:89

 効果:満腹度回復33%

    HP最大量+20【2時間】 腕力+2【2時間】

 豚モモ肉を、ニラとネギと一緒に炒めたもの

 しっかりした肉質のモモ肉の肉汁が、ニラとネギと絡んで絶品

 刻み唐辛子を少し加えたピリ辛風味なのも良し


 *薄切りにした豚モモ肉を炒める。

 *肉を一旦皿へよけ、刻んでおいたニラとネギを炒める。

 *よけていた肉を加えて炒め、刻み唐辛子と塩で味付けして完成。 




 ささみと鳥胸肉の棒棒鶏 調理者:プレイヤー・トーマ

 レア度:1 品質:8 完成度:93

 効果:満腹度回復28%

    器用+1【2時間】 俊敏+1【2時間】

 茹でて細切りにしたささみと鳥胸肉を野菜に乗せ、タレを絡めた一品

 ニンニクとネギを加えた塩ダレが食欲をそそる

 肉はしっとり野菜はシャキシャキ、いくらでも食べられる


 *ささみと鳥胸肉を茹で、細切りにする。

 *千切りキャベツ、くし切りトマト、茹でもやし、肉を盛り付ける。

 *刻んだネギ、乾燥ハーブ、おろしニンニク、塩、油を混ぜる。

 *この即興塩ダレを肉と野菜へ回しかけて完成。




 これらは既にアイテムボックスへ入れてあり、今は手羽先と手羽元と骨付きモモ肉の水炊きを作っている。

 骨があるこの三種類の肉からは良い出汁が出るだろうから、味付けが塩だけでも十分期待できる。

 灰汁はしっかり取ってるし、あとはこれにキャベツとニンジンとネギと大根の代わりのカブを、火が通りにくい順に入れて煮込めば完成だ。

 さらに隣の鍋ではジャガイモを薄い塩水で茹でていて、これにバターを乗せてじゃがバターにする。

 ちなみにジャガイモは皮付きだ。だって皮を剥いて茹でたら、旨味がお湯へ逃げちゃうから。


「これで本職じゃないのが信じられませんよ」

「そう言われても、本当のことだぞ」

「……本当に、調理師免許持ってないんですか?」


 本当だって。だから、そんな疑いの眼差しを向けないでくれ。


「持ってないぞ。というか、調理師免許が無くても料理人にはなれるからな」

「えっ!? そうなんですか!?」

「そうなんだぞ」


 料理人として働くのに調理師免許は必須じゃない。

 料理人は料理を作る人を指すから、料理を作る仕事をしていれば無資格でも料理人を名乗れる。

 ちなみに調理師免許は衛生とかにおける正しい知識を持っていることの証明であり、これの所持者は調理師を名乗ることができる。

 飲食店の応募要項によっては、この調理師を求めていることがあるから気をつけよう。


「へぇ、そうなんですか。知りませんでした」

「料理に関わってないなら、知らなくても不思議じゃないって。それとな、調理師免許は国家資格だから、免許無しに調理師を名乗ったら調理師法に違反するぞ」

「そんな法律もあるんですかっ!?」


 あるんだよ。俺も祖父ちゃんと父さんに教わって、自分でも調べた時は驚いたよ。


「まあでも、今は調理師免許があった方がいいって言われてるな。技術や経験だけでなく、衛生管理への知識も求められてるから」


 今の時代、食中毒を出した飲食店はあっという間に全国規模で知れ渡って、あっという間に潰れても不思議じゃない。

 だからこそ、衛生管理の知識もある調理師が求められているんだろう。


「じゃあ、お兄さんは調理師免許取るんですか?」

「本職を目指すなら、必須じゃないとはいえ取っておきたいな」


 必須じゃないから取りません、なんて考えで取らないつもりは無い。

 やっぱり今の時代、仕事に役立つ資格は取っておいたほうがいい。


「そしてこんな話をしている間にも、料理が仕上げられてるんですね」


 まあな。




 じゃがバター 調理者:プレイヤー・トーマ

 レア度:1 品質:8 完成度:91

 効果:満腹度回復10%

    器用+1【2時間】 知力+1【2時間】

 ホクホク食感にバターがとろりなお手軽料理

 茹でたジャガイモの熱で蕩けたバターは最高

 僅かに振った胡椒がピリリと味を引き締める


 *芽を取ったジャガイモを皮付きのまま茹でる。

 *茹で上がったら十字の切れ込みを入れる。

 *切れ込みにバターを乗せて、軽く胡椒を振って完成。




 骨付き鳥肉の水炊き 調理者:プレイヤー・トーマ

 レア度:3 品質:6 完成度:87

 効果:満腹度回復41% 給水度回復9%

    腕力+3【1時間】 魔力+3【1時間】

 手羽先、手羽元、骨付きモモ肉による豪華共演

 肉と骨から旨味が染み出た塩味のスープはおかわり必須

 そのスープを吸った具材の野菜も、これまた美味


 *手羽先、手羽元、骨付きモモ肉を水と塩で煮込み、灰汁を取る。

 *スープができたらキャベツ、ニンジン、ネギ、カブを入れる。

 *肉と野菜に火が通って味が染みたら完成




 話している間も調理の手は止めず、じゃがバターと水炊きが完成した。

 昨今の水炊きは何かしらで出汁を取るようだけど、今回加えたのは塩のみで出汁は三種の骨付き鶏肉に頼った。

 両方を味見して問題無いのを確認したら、冷める前にアイテムボックスへ入れておく。

 明日は朝飯がトマトの卵炒めとじゃがバター、昼飯が棒棒鶏と豚モモ肉のニラネギ炒め、ログアウト前の晩飯は水炊きでいこう。


「うぐぅ……。それを食べられるお姉さん達が、羨ましいです」


 どんなに羨ましがっても、ちょうだいって視線で訴えてもやらないぞ。


「さて、抽出が終わったようだし瓶に詰めるか」

「……はい」


 残念そうな表情のゆーららんと協力して、水出ししたポーションとマナポーションを瓶へ詰めていく。

 今回が初めてだから品質も完成度もゆーららんに劣るけど、初心者にしては悪くないと評された。

 さて、この薬作りをどう料理に応用しよう。

 乾燥させた野菜を粉末にして小麦粉の生地に混ぜる、ドラッグストアで見たことがある野菜茶なんてものできるだろうし、ハーブがあるからハーブティーも作れるかな。後は……。

 ある案が浮かんで、瓶に詰めたポーションをジッと眺める。


「お兄さん? どうかしましたか?」

「ちょっと試したいことができた」


 そのために必要な物を準備しようとステータス画面を開いたら、ゆーららんに両手で腕を掴まれて止められた。


「お兄さん、お姉さん達から注意されたばかりなんですから、自重してください」


 どうしてジト目でそんなことを言われなくちゃならないんだ。


「いや、水出しみたいに成功するとは限らないぞ。失敗する可能性もあるから試したいんだ」


 というか水出し自体、失敗する可能性があったじゃないか。


「成功したら、また大騒ぎになりそうな予感がするのでやめてください」

「成功する保証なんて、全く無いぞ」

「私の女の勘が、そうなってしまう気がすると告げてるんです。やるなら個室でお願いします」

「気になるから、今すぐここで試したいんだ」

「駄目です、自重願います。でないとお姉さん達に言いつけますよ」


 くっ、せっかく思いついたのに自重しろだなんてあんまりだ。

 でもさっきの今なのは確かだし、周りもなんかこっち向いて凝視してるし、大人しく引き下がるか。


「分かったよ。後で個室に移ってやるよ」

「そうしてください」


 ちぇっ、お預けくらっちゃったよ。

 渋々ポーションとマナポーションと残った薬草をアイテムボックスへ入れ、使った器具を洗って片付けていく。


「ではお兄さん、私はそろそろ行きますね。唐辛子とニンニクの件は、分かったらメッセージを飛ばします」

「ああ、頼む」

「それじゃあ、また。……個室を使ってくださいね!」

「分かったって」


 幼い少女にここまで釘を刺されたら、守らないわけにはいかない。

 片づけが済んだら食べ忘れていた夜食を摂り、作業台の札を返して改めて個室を借りようとしたら、セイリュウからメッセージが届いた。



『今、町に帰ってきたよ。宿を取るために合流したいから、広場に来てね』



 ……さすがにこれは無視できないから、試作は明日へお預けか。

 ついでに、事前に話をしておいた方が良さそうだ。

 そんな俺の判断は間違ってなかった。

 合流してスケルトンボアの骨と追加の食費を受け取って宿を確保した後、ダルク達の部屋で明日の予定を確認している最中に試したいことを伝えたら、絶対に個室でやれと強く言われた。


「止めてくれたゆーららんには感謝だね」

「本当ね」


 ニコニコ笑顔のダルクはともかく、メェナはそんな呆れた顔しなくてもいいじゃないか。


「別の意味で、誰かが一緒にいた方がいい気がするよ」


 そんな世話が焼ける相手を見るような目を向けないでくれ、セイリュウ。


「成功しちゃってたら、どうなっていたかしら」


 実験成功で済まないのか、カグラ。

 だけど反論してもこっちが不利っぽいし、多数決をしてもこっちが負けるのは目に見えてるから、素直に頷いておいた。

 なお、作ったポーションとマナポーションをいくつか提供したらとても喜ばれ、これからは可能な限り薬草も採取してくると言われた。

 さてと、取った部屋に行って寝るか。

 同室じゃないのかって? ゲーム内とはいえ、それはない。

 ああそうそう、寝る前にゆーららんからメッセージが届いて、サンプルとして渡した唐辛子とニンニクを農業ギルドで種や苗と交換してもらえたから育てられるらしい。

 ただし貢献度不足で購入はできず、あくまで実物との交換でしか種や苗を入手できないとのこと。

 だからある程度の量を確保するには、受け取った種や苗を育てて実を交換してを繰り返す必要があるそうだ。

 そういうことらしいから、いずれ手に入るのなら焦らずじっくり育ててくれと返しておいた。




 *****




 翌朝。食堂で周囲から羨ましそうな視線を浴びながら、じゃがバターとトマトの卵炒めによる朝飯を済ませ、自分の分を取り分けた後のささみと鳥胸肉の棒棒鶏、豚モモ肉のニラネギ炒めを昼飯としてダルク達へ渡してレベル上げに向かうのを見送ったら、思いつきを試すために作業館へ向かって有料の個室を借りる。

 あれだけ釘を刺されて個室を使わなかったら、何言われるか分からないからな。


「個室の料金は使った時間に応じて加算されますので、お気を付けください」


 これまたネットカフェ仕様な料金システムだ。もしかしてだけど、運営の中にネットカフェ好きがいるのか?

 そんな疑問を抱えつつ、三階の個室へ入る。

 中にあるのは作業場にあるのと同じ作業台と無限水瓶、それと端の方に椅子が十脚とゴミ箱。

 炉や鍛冶台が無いけど、受付にいるNPCの職員によると鍛冶用の個室は四階にあるんだとか。


「んじゃ、やりますか」


 アイテムボックスから出した小麦粉をボウルへ入れる。

 今回は実験で一人分しか作らないから、量は少なくていい。

 普通ならこれに塩と水を加えるところだけど、今回は水じゃなくてダルク達へ渡さなかった分の水出しポーションを加える。

 回復効果のあるポーションを直接料理に使ったら、これまでの効果に加えて回復効果が上乗せされるんじゃないか。そう考えたんだけど、どうなるかな。

 緑色になった生地をしっかりこねたら、寝かせている間に別のパターンにも取り掛かる。

 こちらは少量の小麦粉と水と塩に加え、残っている緑と黄の薬草を乾燥させてすり潰して粉末にした物を混ぜるという、抹茶風味の菓子とかを作る方法だ。

 実験だから両方とも失敗する可能性はあるものの、どっちかが成功してくれればいいなと思いつつこねていくと、生地は黄緑色に染まった。

 さて、こっちも寝かせている間にささみと鳥胸肉の棒棒鶏と同じ即興塩ダレを作ろう。

 ハーブを乾燥させてパラパラに解し、ネギを刻み、ニンニクをすりおろし、塩と油を加えてしっかり混ぜて即興塩ダレの完成。

 こうしている間に先に作った生地の寝かしができたから、鍋に水を張ってお湯を沸かしている間に、いつも通りローラーで伸ばして折り重ねて細切りにしたら茹でる。

 ザルに上げてお湯を切ったら皿に盛り、塩ダレをかけてポーションまぜそばの出来上がり。

 麺の味を確かめるには、これくらいでいいよな。




 ポーションまぜそば 調理者:プレイヤー・トーマ

 レア度:2 品質:6 完成度:86

 効果:満腹度回復29%

    魔力+2【1時間】 知力+2【1時間】

    HP回復9% HP継続回復【微・20分】

 水ではなく水出しポーションで打った麺のまぜそば

 水出しポーションのほのかな苦みと渋みと甘みが複雑な味わいを演出

 塩ダレ味の一品が腹も気分もHPさえも回復させます




 効果と説明文の上では、料理にHP回復効果を加えることに成功している。

 そして肝心の味も問題無し。味見をしてみると、説明文にある通り複雑な味わいで美味い。

 しいて挙げるなら、もうちょっと塩気があっても良かったかな。

 さてと、もう一方の薬草を直接練り込んだ黄緑色の生地はどうかな。

 同じ手順でまぜそばを作ったけど……。




 薬草まぜそば 調理者:プレイヤー・トーマ

 レア度:2 品質:6 完成度:85

 効果:満腹度回復29%

    魔力+2【1時間】 知力+2【1時間】

    HP回復2% HP継続回復【微・20分】

 乾燥させて粉末にした薬草が麺に練り込まれたまぜそば

 強い苦みと渋みでせっかくの麺と塩ダレが台無し

 一応回復はするが、気分は回復しないどころか急降下




 うん、失敗っぽい。そして味見してみると、やっぱり失敗だった。

 説明文にある通り、麺と塩ダレの味を吹っ飛ばして木端微塵に粉砕するほど薬草の苦みと渋みが強くて、なんのためにこれを作ったのか分からなくなった。

 今後、料理に回復効果を備えたい時は水出しポーションを使おう。

 とりあえず薬草まぜそばは処分し、次のログイン時の食事用にポーションまぜそばを人数分作ったら作業館を後にした。

 昼飯も晩飯も用意済みで急ぎ料理を作る必要は無いから、ダルク達が帰ってくるまでのんびり好きに動くか。

 というわけで向かったのは料理ギルド。

 相変わらず人は少ないけど、プレイヤーが五人いる。少数でも料理に関心がある人がいるのは、なんか安心する。


「オリジナルレシピを提供します」

「はいよ。いつもありがとね」


 もう何度もオリジナルレシピを提供してるからか、お馴染みのおばさん職員のセリフに変化が出た。

 今回提供したのは、ペペロンチーノ風焼きそばと川魚のつみれ汁とポーションまぜそばの三品。

 一応薬草まぜそばもオリジナルレシピ扱いになっていたけど、あの味じゃあレシピといえども出せない。だから薬草まぜそばのレシピは提供しなかった。

 なんにせよ、これで提供したオリジナルレシピは合計八個か。



 塩焼きうどん

 乾燥野菜出汁の塩スープ

 茹で肉の油ソース掛け

 豚肉の茹で汁スープ

 ボーンズスープ

 ペペロンチーノ風焼きそば

 川魚のつみれ汁

 ポーションまぜそば



 傾向を見るに、麺類は手作りなのがオリジナルとしての評価対象なのかな。

 スープ類は自分で出汁を取ったことか? じゃあ干し肉と乾燥野菜のスープはどうして対象外なんだ? もしかして、干し肉は買ってきたものをそのまま使ったから?

 ということは、スープ類は買ってきたものをそのまま使うんじゃなくて、乾燥でもいいから自分で一手間かけるのが大事なのかな。

 だとしたらボーンズは? スケルトンボアの骨は買ったんじゃなくてルーレットの景品だし、食材というより素材としての要素が強いからオリジナル認定されたのか?

 オリジナル扱いの理由は気になるけど、システム上のことだから深く追求するのが難しいな。


「レシピをたくさん提供してくれてありがとね。お礼と言ったらなんだけど、これをあげるよ」


 おばさん職員が差し出したのは、料理ギルド認定証という木札。

 なんでもこれがあれば、商店で食材や調理器具や食器を買う際に少し割引してくれるらしい。

 また、一部の店では店頭に並んでいない物を売ってくれるそうだ。


「いいんですか? こんな凄い物を貰っても」

「アンタにゃ世話になってるからね、構わないさ。それとその札は、後々役に立つかもしれないよ」

「何にですか?」

「そいつは後のお楽しみさ」


 そう言われると逆に気になる。

 でもこれは、絶対に教えてくれないパターンだ。

 人間相手ならあの手この手で聞き出せるかもしれないけど、相手はNPCだから聞き出せるとは思えない。

 ここはその時が来るまで、大事に保管しておこう。


「なら、ありがたくちょうだいします」

「これからも、よろしく頼むよ」


 おばさん職員にお礼を言って受付を離れる。

 しかし思わぬ物が手に入ったな。これまでのオリジナルレシピを、全て提供してきた甲斐がある。

 さてと、せっかくこうした物が手に入ったんだし買い物に行ってもいいけど、その前に何か依頼でも受けるかな。


「おっ、いたいた。ちょっといいか、トーマ」


 うん? 玄十郎? どうしたんだ、こんな所で。

 ひょっとして玄十郎も料理を。


「この水出しポーションについて聞きたくて、お前を探してたんだ。早急に話を聞かせてほしい」


 右手でポーションを見せてきて、左手で肩を掴まれた。そっちの用事だったか。

 というか、真顔で肩をガッチリ掴んで語尾強めにしないでくれるかな。目力が強くて圧力があるから割と怖い。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
良かった
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ