12話 ロリコンの真実だよ!
今回は人によっては不快かもしれない表現が入ります
単語だけだったりで生々しい描写はしていないのですが、こんなの読めるか! と思った方はスルーを推奨します
凍「別に次話でも平気だとそういうことか?」
あ~、それは微妙です
凍「結局読まないと駄目なんじゃねえか」
すいません、その通りです
不愉快な単語とかは最初の方に数回出てくる程度なのでそこを飛ばしてもらえれば普段のフェンリルさんです
では本編どうぞ~
変態淑女暴走後に監視は焔と雷と花子が交代ですることが決まって2日が経ったんだが、収獲があった。ああ、その間に変態淑女は1度も帝宅を訪れてない。帝宅で暴れた奴をもう1度担当看護婦にできるほど世の中甘くない。
「まさか病院内で僕に知られないように無菌室で薬品の試験が行われていたとはね」
そう、変態淑女は先祖に獣人が居たという経歴から薬品の試験をしていた。それも非人道的な薬品だったりするようだ。それは以前の政治家一斉摘発の残党とでも言うべき存在だ。
「レイちゃんの5感でも完全に察知できない施設を建物内に作っていただなんて驚きです」
「しかも媚薬や麻痺薬の試験まであの変態看護婦で行っていたなんてね」
変態淑女は想像以上にジジイ共に体を好き勝手されていたらしい。ちなみに拘束しておいた変態紳士は変態淑女の媚薬試験で筆おろしをしたらしい。何だか悲しそうな顔でギンガに謝っていた。当人が居なかったことを心の底から安堵した。しかし、正確にギンガたちの住む森の方向に頭を下げている辺り侮れん。
「つまり、あの変態淑女がアブノーマルなのは変態な病院関係者のせいだってことか?」
「凍が私を薬で……キャー!」
「焔っ、何て楽しいことを考えるんですか!?」
「焔も花子も少しは落ち着きなさい」
雷さん、素敵! その落ち着いた大人の対応に痺れる憧れるぅっ!
「薬じゃ意識も朦朧として凍の感触が薄れちゃうわよ」
「しまった!」
「その発想はありませんでした!」
前言撤回、彼女は痴女だ。痺れないし憧れない。いい加減に病院をどうするか考えるぞ。
「でも病院は国民にとっても大事な場所だ。そこの重役たちが一斉に逮捕されたら大混乱だよ?」
霊帝、君は一体何を言っているんだ?
「人間の事情なんぞ知ったことか」
「そうだよっ」
「手遅れなら死ぬしかないのよ」
「別に私たちに実害はありませんから」
霊帝がポカーンとしてからハッとしたように考え始めた。こいつまた帝都から抜け出す方法を考えているな。
「それもそうか? そうすれば対応しなかった僕の支持率は最低値にまで下がって解任、この帝都から解放される?」
「懐妊? レイちゃん当たっちゃうようなことあったの!?」
「字が違うよ!!」
何で焔って勉強できないのに変なことは知ってんだ? まあ主に性知識なんだが。
しかし、
「……水龍とはさっさと当てられるようになってもらわないとな。そうすれば依頼が短縮できるかもしれん」
「凍は基本的に自分勝手じゃないかい!?」
「魔獣の典型じゃないかしら」
「私たちのことも好き勝手にしてくれると嬉しいんですけど」
「してくれないんだよねっ」
くっ、俺への攻撃に早変わりしやがった。でも霊帝の依頼は変態たちの撃退だからそろそろ終わりか?
だったら、今は他にやることがあるんだぜ!
「で、病院の違法薬品試験をしてる連中は全部破滅させれば良いのか?」
「ああ、構わない。必要な書類の場所は分かっているからね、あとはそれさえ揃えばどうとでもできるよ」
これでミッションコンプリートとなるだろうか? 帝都って変態多くてどうにも安心できねえんだよな。
ああ、書類は奪えるだろう。幻狼の身体能力を持ってすれば誰にも気付かれずに病院に侵入して書類を奪うなんて簡単過ぎて欠伸が出る。
そのはずだったんだけどさ、
「何でこう、変なもんが多いかな帝都は」
「レイちゃんがトップだもん」
「それに変態が多いのも原因じゃないかしら」
「ブサイクですね」
病院に侵入した俺たち4匹の前には体長4メートルくらいの猪の顔を持ったライオンのような何か。書類の置いてある部屋に行くにはどうしても通らないとならない真っ白で広めの通路に陣取っているせいで不可避なのは分かってたんだが、無駄にキメラっぽいな。
「凍君、猪とライオンの境界は魔石みたいですよ」
花子に言われて首の付け根を見てみると体毛で隠れているが魔石で首と体が繋がっているのが分かった。ここは霊帝の感知できないように密閉されてたからキメラの存在が分からなかったのは当然だな。しかし、魔石ってのは何でもありだな。使用者と言うべきか、持ち主が認識できるもんなら何でも引き寄せてないか? そもそも普通のライオンも猪も魔石を体内で生成したりはしないからあの魔石はあるはずがない。
「とにかく、倒すしかないわね」
「凍の邪魔をする猪モドキ……死んでいいよね?」
「私と凍君の仲を邪魔するものは、私に殺されて三途の川です」
……雷が凄いまともに見える。俺、脳外科か眼科に行った方が良いのかな? あ、雷って痴女以外は割と常識あったわ。割とだけど。しかし、魔獣じゃないみたいで言葉が分からん。
【ぶもおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!】
一直線で何も無い真っ白な通路を猪モドキが突進してくるが、雷狼たる雷にたかが猪やライオンの出来損ないが力で勝てるわけもなく受け止められた。その隙に俺が双銃の刃を展開して両目を刺し潰し、焔と花子がタイミングを合わせて首の魔石を剣と刀で両側から切り裂いた。すると宝石の割れるような音がして猪の首が落ちライオンの胴体も倒れ込んで肉が腐り骨と赤黒い血溜まりだけが残った。
「死体も残らない、か」
残念だ。実に残念だった。これでは魔獣の本来の食物連鎖に戻ることなんて絶対に不可能じゃないか!
「凍、猪モドキの肉が食べたかったんだね?」
「……うん」
「あなた、本当に節操無く何でも食べたがるわね」
「凍君って、幻狼にしては雑食ですよね」
だって猪にライオンだぞ? 猪だけなら臭みの強い豚肉って感じだけどライオンの体が豚に混ざったらどんな味か気になるだろう!?
「じゃあ次は殺さないで生きたまま炙らないとねっ」
「焔先生の3分クッキングにこうご期待!」
「先生……ありかも」
へ?
「焔、落ち着きなさい! というかかなり酷いこと考えてるわよあなたたち!」
「生きたまま炙って肉を食すって、どんな拷問ですか!」
え~、鮮度って大事だぜ? 今まで何度か焔には生きたまま炙ってもらったことあるし。
「凍って昔っから生きたまま炙ったりしてって頼んできたよ? 暴れられて火が通しづらいんだよねっ」
「……凍、あなた、残酷だわ」
「せめて、ちゃんと殺してあげましょう?」
何故か完全に俺が悪者にされてしまっている!?
ん? 通路の壁がガラガラと開いて……猪モドキが一杯だぁ~、嬉しいなぁ~
はい、現実逃避も程々にしておきます。
読み返して思ったこと
他の外道ってタグの小説と比べたら「どこが不愉快?」レベルな気がした
凍「お前、根本的に自分が外道とか残虐とか苦手なの忘れてるだろ?」
……あ
焔「凍のチワワって、作者さんの性格が無自覚に反映されてるのかな?」
雷「焔が反映だなんて難しい言葉を!?」
花子「成長しましたね、焔」
焔「酷いよっ!?」
いやぁ~、焔さんのおバカキャラは偶に入れると楽しいんですよね
では、次回~




