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14話 失脚幕劇

霊帝様がご乱心なされた


焔「レイちゃんに何が!?」


ちゃんと乗ってくれる焔は良い娘だと思います

王子は帝宅の来訪者用施設に泊まっていると聞いたので霊帝に会う前に行ってみた。

良い所に住んでいるものだ。衛兵の話だと昨夜は女性の凄い乱れた喘ぎ声が聞こえたらしい。王妃(メイド長)だな。これで最初の挨拶は決まった。


昨日の反省として4匹で固まって行動している。これ以上誰かが泣くのは見たくない。ちょっと虐めたくなるとか、そんな軽いもんじゃないことがよく分かった。

これからは色々気を付けないとな。

もし理性が飛びそうになっても、不公平にしちゃいけないんだろう。

実は昨晩最も積極的だったのが雷だ。本当に、ツンデレとは違うんだろうが、雷なりに俺に何かを訴えているのが分かった。

御陰で耳が更に開発されてしまったが。髪が当たるだけでちょっとむず痒い。

唯一の救いは焔がジジイの家でかなり満足したのか目立ったことをしてこなかったことだ。

本当に助かった! もし焔まで何かしてきたら確実に理性飛んでヤッちゃってたと思う。

運が良かったのか悪かったのか。


で、王子発見。


「む、お前たちか。どうした?」


さて、お約束だ。


「「「「昨夜はお楽しみでしたね」」」」

「っ!!」


顔真っ赤にしてて面白いな。しかも寝室から布を引き摺るような足音も聞こえてきた。

これはチャンス!


「おはよう、ギルバァ、ト……///」

「久しぶりっ」


寝起きのメイド長、改め王女? メイド長でいいや。

スケスケのネグリジェで彼女の白くて綺麗な肌がうっすらと見えている。

焔は再会を喜ぶかのように抱きつきに行ったが、メイド長の方からしたら恥ずかしさで死ねるだろうな。王子は恥ずかしい趣味がバレた子供のように顔を赤くしている。メイド長は完全にフリーズしたがな。


「これはこれは、王子も良い趣味をお持ちだ」

「コオル!?」


王子の焦った姿なんて珍しいからな。精々八つ当たりさせてもらうぜ。

さて、尺も無いからさっさと本題だ。メタ発言はスルーしてくれ。


「黒スライムが見つからなかった?」


森の魔獣たちは見たなんて言ってなかった。子狼以外にもちょっと聞いてみたがそんなの見たことないと口を揃えている。


「そうすると、霊帝の依頼はなんだったのだ?」


さあ? しかも帝宅の地下にはそこそこの大きさの地下実験上が広がっているのは確かだ。集めているのは人間だけじゃなくて魔獣もみたいだが。

そして、かなり薄気味悪かった。王子の言ってた魂が引っ張られるもあながち間違いじゃなさそうだ。


「分かった、私の方でも調べてみよう。お前たちはこれからどうするんだ?」


霊帝に会いに行くことと理由を話して王子たちが泊まっている来客用の建物を出ようとしたら王子に止められた。


「武器屋が花子用の刀が完成したと言っていたぞ。取りに行ってやれ」


で、行ってみた。同じ建物の工房に居たらしい。


「おう、来たな。これが黒い嬢ちゃんの刀でい!」


花子に渡されたのは鍔に6角形の魔石が付いた片刃の西洋剣にも見える蒼い刀だった。きっと花子用に重心とか刃渡りとか色々調整されているんだろう。


「こいつぁ魔石に水をかけると水を刃として構成できるようになってる。しかも物凄く薄く鋭く形作る上に刃に纏うように作られてるから刃こぼれも心配いらん。魔石は急に触れているものが変わると周囲のものを識別無く引き寄せるがそれには多少指向性を持たせられる。その技術を応用したのがその刀でありゴーレムなんでい。刀は兵士用、ゴーレムは拠点防衛用として、」

「オッチャンありがと。俺たち霊帝に会いにいくからまたな」


長そうだったので放置することにした。花子が真面目に話を聞こうとしていたので襟掴んで引き摺って運んだ。生真面目過ぎるんだよ。




で、霊帝に謁見。


「やあ、思ったよりも早かったね。僕としては5日くらい掛かると思っていたんだけど君たちは凄く優秀なようだね。是非この国に残って欲しいけど、無理のようだね。大丈夫、言ってみただけさ。本気にしないでくれたまえ。

それより昨夜は随分と面白い寝方をしていたね。皆同じベットで寝るなんてオスとして最高の環境だったんじゃないかい? 僕がオスだったら絶対”して”いたよ? 凍は何が気に入らなかったのか、メスである僕でも辛抱堪らん状況だったのに手を出さないなんておかしなオスだね。

ああ、別に僕は同性愛者じゃあないんだ。本当にオスに対してトキメクよ。凍なんて最高にトキメク存在だ。大抵の魔獣はドラゴンだってだけで怯えるのに君は全然動じないからね。ああ、焔に花子、安心してくれ。トキメクが別に恋慕ではないよ。ただ未知のものに対する興味みたいなものさ」

「長い」

「おや、これは済まない。なにぶん帝宅に無理矢理拘束されて外に出れないとコミュニケーション能力が育たなくてね。どうしても人の話を聞くということが難しいんだ。王族も楽じゃないんだよ。だから多少の鬱陶しさには目をつむってほしいな。僕は本当に退屈で退屈で仕方の無い生活をしているからね。

で、老人の証拠はどんなものだったのかな?」


ようやくだな。横領の証拠と地下実験、ジャングルへの派兵、ジジイの日記、鞭の痕が残っている霊帝の抱き枕シーツを渡して昨日見たことを話した。


「…………気持ち悪い」


ああ、霊帝様が吐き気を、医者は居ないかー? 居ないか?


「まさか、僕に知覚できない地下でこんなおぞましいことをしていたなんて。しかもこの日記、同好の氏がどうとかとも書かれているということは、ムラウ以外にも同じような変態趣味の持ち主が居るということなのだろうか? ……グズッ、ウエエエエエエエエエエエン!! 気持ち悪いよおおおおおおおおおおおお!!!!」


ですよね~

他にも居たなんて今知ったよ。まさか保険で持ってきたジジイの日記がそんな破壊力を秘めていたなんて思わなかった。これは悪いことをしてしまったな。


「霊帝様!? 如何しましたか!?」


あ、霊士が外で騒いでいる。


「何でもない! 絶対に入るな! いいか、絶対だぞ!!」


フリですね分かります。


「凍っ、僕は笑えない冗談は嫌いだ!」


ハイハイ、ごめんごめん。


「くっ、ドラゴンに対してこのぞんざいな態度、ちょっと萌えたじゃないかっ」


良い感じで壊れてるなオイ。


「レイちゃんっ、凍が萌えるなんて今更だよっ」

「そうですっ、凍君は生き物として最萌です!」


初めて聞きました。


「話が進まないから大人しくしていなさい。で、霊帝としてあなたはどうするの?」

「横領に関してムラウとそれに関与していると思われる数人、そしてその1派を芋ずる式に排除してみせるよ。幸い霊龍の力は交渉ではかなり強力な力だかしね」


じゃ、これで俺たちの出番は終わりだな。


霊帝って、実は動かしやすいキャラだったりします


霊帝「ほう、つまり今後は僕の登場ももっと増えるのかな? ふふっ、そうだろうね、僕はこの小説で初のロリキャラだ。需要はあるだろう。未発達で背徳心を感じさせるこの体だ。コスプレさせて使いたいって言う人は多いだろう」


え、別にそんな話聞かないけど?


霊帝「……だったらなんでこの場に呼んだんだよおおおおおおおお!」


いや、ゴメン。強いて言うなら、つい?


霊帝「"つい"で許されたら警察は要らないんだよおおおおおお!」


五月蝿いので今日はこの辺で

次回もヨロシクお願いします

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