8話 お前のような奴が居るから戦争が無くならないんだ!
さて今回こそ【】をっ! ……また使わないのかよ!
凍「作者無計画だな」
焔「作者だもん」
雷「作者ですものね」
花子「え、えっと、そのっ」
作者「ショボーン(´・ω・)」
「凍、蝶王が動いたみたいよ」
「投石器は全部壊したしあとは石弓だねっ」
ようやくお出ましか。投石器が全滅するまでは下手に動くなと言ったのは俺だが。
さ~て、さくっと石弓壊して目撃者0にしないとな。
「あら、蝶族って戦うのは苦手だと思ってたけど意外と戦えるのね」
雷の視線の先では王様と長男、次男が空から突風で人間たちを空に舞い上げて地面に叩き付けている。
地面は死にかけやら即死やらで凄いことになってるな。骨とか普通に見えてるし。
「凍、速く次行こっ」
「そうだな」
さっさと終わらせて避難している魔獣たちの所に行こう。もしかしたら伏兵が居るかもしれない。
そんなことを考えてる内に、雷が発射直前の石弓を両断した。
非戦闘員をジャングルの奥地にやったのは意味があってのことじゃない。配置に困ったから安全な場所に居てもらっただけだ。下手に戦闘に巻き込まれて戦闘中の魔獣に動揺されても困るしな。
俺たち魔獣も人間と同じように身内が傷ついたら動揺する。だから自分のウィークポイントはなるべく安全な場所に配置ことにした。俺が関係あるのは蝶族の王族一家だけだが炎猿族なんかは種族皆が家族、みたいな考えだからやっぱり非戦闘員は下がらせておくべきだろう。
「遠いわね」
でもジャングルの手前からだと遠くて面倒だな。
石弓は全部破壊して、あとはジャングルの魔獣たちが人間を全滅させれば終わりだ。何も村を壊滅させる気はない。攻め行ってきた冒険者やら侍やらを皆殺しにすれば良いだけだ。
他の種族も賛成してくれた。死んだ魔獣はただ弱かった、それだけだ。
「……凍、火薬の臭いがする」
焔さんマジですか? ジャングルに火薬を持ち込むなんて何考えてんだ? 安定的な食料の確保ってのは建前で何か企んでんのか? それとも負けそうだから自爆してやるってか? 人間辞めてから長いから人間の考え方が分からなくなってるかもしれないな。
そろそろ非戦闘員の避難場所なんだが……おいおい。
「人間に襲われてるわね。急いだ方が良いみたいだわ」
言われるまでもない。しかも王妃、身を挺して他の魔獣が逃げる時間稼いでるな。でも身内を逃がすのは最後か。
人間は5人か。
「魔獣が人間の真似をするなっ!」
お、何か言ってる。
「その姿はお前たちがなって良いものじゃないんだよっ!」
「お黙りなさいっ! 侵略者風情が、恥を知りなさいっ!」
ヒートアップしてらっしゃる。
「恥、恥ねえ。じゃあ恥知らずな俺たちの相手でもしてもらおうか?」
あ、炎猿の子供が猿質に取られてる。普通なら見捨てても良いんだがジャングルの統治者としては見捨てるわけにもいかないんだろうな。母親も居るみたいだし。
てか相手って、魔獣のこと嫌がってる割にそっちはOKなのか? アグレッシブだな。
あ、焔が先行しちゃった。
「じゃあ、まずはそっちの黒服に嬢ちゃんから相手してもらおうか?」
「人間ごときが私の敵に何をしている」
伸ばした法剣を腹に刺して炎を流し込んでいる。内側から焼かれるとかレアな体験してるな。肉の焦げる特有に臭いがする。ちょっとずつ、内側から炭化していく人間を見て他の奴らが呆然としている。
「ぎゃあああぁぁぁ……」
断末魔が寂しい。大声だったの最初だけだよ。人間はあと4人。
あ、1人は吐いた。汚いな。
「また人間に化けた魔獣かっ!」
「口を開くな」
顔に法剣巻きつけるのは色々酷いと思うんだ。確かに耳障りな声だったけど。頭ボロボロになるぜ?
「お前たちの言葉を聞くために私の耳はあるんじゃない」
引き寄せた人間の首を爪で切り離して頭だけ3人の前に転がした。
いや、ちょっと悪の嬢王っぽすぎる。そういうのは雷のキャラだったと思うんだが?
「人間の肉って不味いのよね」
この状況で死体の味見とか、雷さんの心臓はチタン製かな? ああ、腕の肉ゴッソリ頂いたの見て人間たちの顔色が。きっと命がマッハとか考えてるんだろうな。安心しろ、ちゃんと殺してやるから。
「やっぱり、酷い味だわ。凍、帝都に着いたら美味しい物を食べましょう。人間の肉なんて本当に非常用にしかならないわ」
だよな。やっぱ兎とか鹿とかの柔らかいけど噛み応えのある肉じゃないとな。人間のは柔かすぎるし雑食な所為か変な味がするしで食えたもんじゃない。
「待て、待ってくれ!」
「何を待つの? お前たちが死ぬまでの数秒間? 私の敵に向けた下卑た視線の時間? 炎猿の子供を脅しに使った腐った心の分? 凍の旅を邪魔した時間? 私のイライラを解消するまで? 雷にあんな不味いもの口にさせた不快感分? それとも全部?」
よくもまあペラペラと言葉が出てくるな。1歩ずつ近付く度に人間たちは震え上がるし、焔の後ろの魔獣たちは恐怖で動けなくなってるし……魔獣脅かしてどうするよ?
「安心して。この場で殺すような惨めな思いはさせないから。最初は逃げられないように足を切って捕らえておいてあげる。この抗争が終わったら、きっと宴会になる。その時のメインディッシュにしてあげるよ」
「生きたまま食われるか、生きたまま鍋に入れられるかの違いね。魔獣用と人化用で半々かしら?」
「数の多い方に1人追加すれば良いよ」
「「「ひいいいいいっ!」」」
あ、逃げた。
銃を抜いて足を撃つ。
「凍、ありがとっ。先に足だけでも切り落としておくべきだったね。凍に余計な労力使わせちゃった」
「俺が1番働いてないんだしこれくらいはなんでもない。それより火薬の臭いはコイツらだけか?」
「そんなことないよ凍は防衛策とか人間の妨害とか投石器と石弓対策とか抗争が始まってからの段取りとか色々してたもん途中参加の私の方が何もしてないくらいだよ自分を過小評価しないで自分を貶めないでもっと堂々と胸張って威張って良いんだよむしろ凍がこのジャングル救ったって言っても過言じゃないんだから王様に足舐めさせるとかしちゃって良いんだよ寧ろ私が凍の足舐めたいよ凍が言うなら今この場で舐めても良いよ寧ろ舐めさせてください罵ってください虐めてください蹂躙してください心に消えない傷を刻んでくださいHurry Hurry!」
長い! そして息継ぎがなかった所為で苦しそう! 他の魔獣はドン引きしてるし人間たちは余計にビビってるし雷は楽しそうにしてるし最後だけ英語な理由もわけ分からん! そして花子からの視線が猛烈に痛い! 俺はそんなことする気は毛頭無い!
「あ、火薬の臭いはその人間たちからしかしないよ?」
覚えてたんですね俺の質問。
焔「凍の手を煩わせた凍に無駄なことさせた凍に苛めてもらえなかった凍に罵ってもらえなかった凍に蹂躙してもらえなかった!」
凍「作者逃げて超逃げて!」
雷「あらあら、焔の周りが歪んで見えるわ」
花子「と、止めないんですか?」
キャーこーろーさーれーるー゜(゜´Д`゜)゜




