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18話 秘策

さて、ネット環境の無い状態になる前の投稿です


凍「3月24日の段階で書けてるのはここまでだな」

焔「次は書けてるのかな?」

雷「凍の口ぶりからして、無いのね」

花子「ネットから離れるのは27日からでしたけど、それまでにどこまで書けるでしょうか?」


頑張ります!

でも書けても次の話は4月5日の投稿になります!


では、本編~

雷狼とか他の魔獣に絡まれたら堪らないので魔都の連中を遠回りして帝都に向かう。最短距離を行く魔都の連中を避けて移動しているせいで奴らよりも時間が掛かって帝都に到着した時には既に戦争っぽいものが始まっていた。

今は帝都の城門防衛戦をしているようだ。帝都は完全に防壁に囲まれているわけではないが、城門から侵攻するのが最も人数を1度に投入できる。防壁の隙間から帝都に入り城門を開ける。その後魔獣を中心に帝宅を制圧するのが魔都の作戦なのかと思った。

城門の上から弓や銃を使う侍たちは空を飛ぶトビ鶏や昆虫に手一杯のようだ。地上では魔都の軽鎧を纏った騎士たちと帝都の侍たちが剣と刀を打ち合わせる。しかし魔都の戦力は100人少しなのに対して霊帝に訊いた帝都の戦力は約2万人、ここで問題なのは黒スライムの戦力だった。ジャングルで消耗した雷狼を抜いて15匹、20羽を超えるトビ鶏、40匹は居る大小様々な昆虫たち。これらの戦力が魔都と帝都の戦力を拮抗させていた。

侍の中でも防御に特化した奴らが居るようで侍鎧の肩と籠手こてと盾を使って十数人がかりで雷狼1匹を抑え込んでいる。雷狼の筋力に対抗するには十数人でも厳しく常に交代を余儀なくされ、その交代の隙に雷狼の進撃をゆるしてしまっているようだ。


「今は拮抗していても、いずれ雷狼の筋力で押し切られるわよ」

「いや、問題無いと思うぞ」

「何かあったっけ?」

「だって霊帝が危険になったら水龍来るだろ」

「……帝都は廃墟になっちゃうかもしれませんね」


俺たちは戦闘には参加せずに帝都から離れた所で観察していたが、雷の予想通り雷狼の筋力に盾を持った侍たちが耐え切れずに帝都の防壁の隙間が突破され、帝都内に2匹の雷狼が入って行った。俺たちの観察できる範囲だけでこれなのだから城門の逆側でも似たようなことが起きているかもしれない。何だかんだで帝都はシンメトリーな作りをしているから防壁の隙間も似たような作りになってるはず。

防壁の向こうでは同じように防御が得意な侍や冒険者が雷狼を数で抑え込もうとしているようだが、押し切られるのは時間の問題だろうな。


「早くレイちゃんの所に行こう!」

「人化していれば帝都の人間には何も言われないでしょうね」

「じゃ、行くか」

「はいっ」


帝都の防壁は高く1度では届かないが、壁を足場に三角飛びをすれば高さ自体は届く。しかしネズミ返しが付いているのでジャンプしても防壁を飛び越せない。だから雷狼は防壁の隙間を狙っている。俺たちは魔都の人間や昆虫、雷狼を背後から強襲した。


「天使様!?」

「天使様がいらっしゃったぞ!!」

「俺たちには霊帝様だけじゃない! 天使様も付いているぞ!」

「「「おおおおおおおおおおおおお!!」」」


何か知らぬ間に帝都の士気が上がった。

両手にオッチャンの銃をホルスターから抜き出し刃を展開する。後ろでは嫁たちも自分の得物を抜いた気配がした。

手近な魔都の人間の首を左の銃の展開刃で搔き切り、右の銃でカマキリの腕の関節を撃ち砕いた。焔は俺の後ろから人間昆虫問わず法剣を鞭のようにしならせ脚を切り裂き動きを止めさせると剣に変形し近い奴から突き刺した。雷は斧槍ハルバートの質量で近寄る奴から叩き切って行くが、飽きるのか偶に槍を長くして串刺しにしたりしている。花子は居合切りによる抜刀から水の膜を張り刀身を守りながら俺たち3匹のサポートのように痺れ粉を撒きながら動きが鈍くならない奴から攻撃している。

何はともあれ俺たちの周りの人間と昆虫は駆逐できた。つまり、俺たちの存在に気付いた魔都の指揮官は俺たちに向けて雷狼を仕向けてきた。まずは3匹だ。数の上では武器もあるから確実に勝てると言えるが、それは増援が無い場合の話だ。3匹の雷狼の後ろから2匹が来ている。あまり俺たちに戦力を割くと帝都に勝てないからこれくらいが限界なんだろう。


「さて、逃げるか」

「レイちゃんの所に急がないとっ」

「たかが敵魔獣ABCは空気読んで引っ込んでいてほしいわ」

「命令されてるから彼らの意志は関係無いんですけどね」


そんなことは知ったこっちゃない俺たち。まずは雷狼の足元に銃を乱射し牽制すると雷狼たちは動きを止めた。その隙を突くように花子が痺れ粉を撒くがギリギリで雷狼たちには躱された、ように見えたが少しだけ吸い込んでしまったらしい。焔が法剣を雷狼に飛ばすと明らかに鈍い動きで横に躱した。


「悪い、霊帝の所に行くからここは頼んだ」

「はい! 霊帝様をよろしくおねがいします!!」


手近な帝都の侍にここを任せるとあんがい素直に聞き入れてもらえた。まあ雷狼3匹の身体能力をカマキリより少し強いくらいまで落としたんだから頑張ってくれ。

防壁の隙間から帝都に入り途中に居る雷狼を適当に銃撃して帝宅に向かう。ああ、避けられたよ。当たらなかったよ。走りながら狙うの難しいんだよチクショウ! 映画みたいに走りながら正確な射撃とか無理に決まってるんだよクソッタレ!!


「下手ね」

「練習しよっ」

「長く使ってるはずなんですけどね」


だからお願いだから俺の心を傷つけないで!

何か心にダメージを負いながら帝宅に着くと侍たちが入口を守っていて奥には避難してきたのかどう見ても非戦闘員な人間たちが居た。そいつらに期待の目で見られながら霊帝の居る本殿に入ると霊帝の声が聞こえてきた。侍たちには専守防衛に専念して死なないように指示を出しているらしい。最悪の場合は自分を囮にして水龍召喚を試みるつもりのようだ。あの水龍、その辺でスタンバっていそうで怖いな。霊帝が危機に陥った時に騎士様登場的な演出でもするつもりだろうか?

霊帝の居る作戦室の襖を開けると小さな体で懸命に背伸びして机の上を覗きこんでいる。何か子供が頑張っているようで微笑ましい。それで大人相手に胸張って指示しているところが背伸びしてる子供っぽくて和む。そんな場合ではないけど。


「レイちゃん、大丈夫だった?」

「焔、雷、花子!? 戻って来てくれていたのかい!!」

「俺は?」

「疫病神はハワイアン民主国にでも引き篭もっていてくれ!」

「おいコラ折角敵を蹴散らしてきた救援隊に向かって酷くねえか!?」

「この事態も元はと言えば君が引き起こしたような面があるじゃないか!」

「俺が居なくてもこんな事態になってたよ!」

「まあまあ、凍もレイちゃんも落ち着いて。というか、レイちゃんは凍のせいにするなんて酷いよね? ね?」

「ゴメンなさいもう言いません!」


焔による殺意の波動で何だかんだ状況は進んだ。

これから俺たちも戦力に含んだ押し出し作戦を展開することになったのだが、慌ただしく作戦会議室に入って来た侍から驚くべき言葉が飛び出した。


「敵が撤退していきます」

「え? 彼我の戦力差はどの程度だったかな?」

「魔都の方が魔獣を多く従えている分、有利だったと思われます」

「なのに引いたのかい?」

「はい」


うわぁ、何か企んでんのか?

正直、雷狼と魔獣の軍団を考えると俺たちが居ても挽回は難しい。花子が完全に敵味方を分けた痺れ粉でも使えない限り完勝は有り得ない。本当に不気味だな。


魔都が引いたのが気になった俺は防壁の方に行ってみると戦場の痕らしく血や折れた剣が散らばっている。今回の戦闘では帝都の人間に使者は出ていない。何でも侍は死なないこと、生還することを最重要視するらしい。

さて、そんな戦場跡の先を見るとゾロゾロと魔都の騎士たちが帝都から離れていくところだった。遠目に見ると何故か達成感に満ちた顔をして視界から消えた。

仲間が殺されたってのに、何が何だか分からねえ。

何だか納得のいかないままその日は何事も無く日が沈んだ。帝都の侍たちは夜通し警戒することになり、避難した帝都民はより安全な場所として帝都の学校、その半地下に作られた避難施設に全員移った。帝都の周辺は水龍とか蝶とかが居るからこんな施設が発達したそうだ。


「何だか、腑に落ちないわ」

「レイちゃん無事で良かったねっ」

「スイさんが来てたら帝都が吹き飛んでいたでしょうね」

「明日以降も安心できないけどな」


そう、結局魔都は何がしたかったのか通達が無かったらしい。つまり、霊帝に何も言ってこなかったってことだ。

本当に訳が分からない。




翌日、朝から帝都は騒然とした。

魔都の連中は昨日の今日でもう帝都を攻めるために戦力を展開してきた。その戦力の中にはキスタニア王国の騎士たちと、水ゴーレム、そしてずっと前に王子が乗っていた戦車があった。空色の装甲に4輪の戦車は前面に主砲、側面にマシンガンを装備している、らしい。前にオッチャンが訊いてないのに教えてくれた。

キスタニアの第3王子が先頭の戦車の上から顔を出してキスタニアの騎士たちを鼓舞している。帝都の人間たちは友好国であったキスタニアが敵に周り、大量の最新装備を用意してきたことに驚いている。多分昨日の戦力は帝都の戦力を測るためのもので、今日に向こうの大陸からの主力を集中させるつもりだったんだろう。

でも、俺たちが驚いてるのはそんなことじゃない。


「なあ、風龍の匂いしね?」

「凍が1番聞きたくないこと言った!?」

「逃げましょうか。水龍でも勝てなかったんでしょう?」

「というか、魔都の後続組何だか疲れてません?」


そう、今日は魔都の連中から帝都に向かって風が吹いている。その中に、微かにだが風龍の匂いが混じっている気がしてならない。

もし風龍が黒スライムの手に堕ちていたら……逃げよう!


久々に登場する王子とオッチャンの名前

そして台詞は無いけどちゃんと騎士たちを鼓舞する王子

彼らからする風龍の匂いとは一体何を意味するんでしょうか?


凍「こんな所に居られるか! 俺は逃げるぞ!」

雷「何故この駄犬はフラグを建てるのか」

花子「一級建築士でも目指しているんでしょうか?」

焔「凍の作ったお家……住みたい」


話がズレてますよ~

では、次回~

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