俺精霊と出会う
『いるよ♪』
「へぇ、やっぱりいるんだぁ……」
後ろから話しかけられる。
何処にいるんだろう?…………ん?俺誰と話してるんだ?
後ろを振り返る。
「?君は誰だい?」
振り返るとそこには…………小さな女の子がいた。
「私は精霊だよ♪」
「へぇ、精霊なんだ。あ、俺はセイヤって言うんだ、ヨロシクな」
「むぅ……もうちょっと驚いてよッ!精霊だよセ・イ・レ・イッ!」
いや、そんなこと言われても何となく分かるだろ!
つーか若干来ないかなって思いながら言ってたしな!
「精霊さん、君の名前は何ていうの?」
「むぅ……私の言ったことを無視しないでよッ!
…………私はアリスよ」
「へぇ、アリスかぁ」
アリスって聞くと、不思議の国のって聞きたくなるんだよな……。
この場所幻想的だし良く似合ってるなアリスちゃん♪
「それでアリスはどうしてこんな所にいるんだ?しかも自分から俺に近づいてきて」
「何時もは来ないんだけど、今日は美味しそうな匂いがしたから」
美味しそうな匂いで釣られる精霊って何よ?間抜けなの?
内心ではこう行っているが……
「美味しそうな匂いの元は見つかったか?」
「うん♪見つけたッ!」
「何だったんだ?」
「エヘヘ♪それはね…………セイヤッ!だよ」
え?俺ぇッ!?俺ってそんなにおいしてるっ!?
て言うか精霊っ肉食なのッ!?ちょっとヤバくね?戦ったら勝てるかな?
(どれだけ強いか知っとかないとな……【鑑定】)
アリス Bランク精霊 無属性精霊
武器:なし
防具:なし
能力:ミラー
魔法:ミラー
スキル:鏡の世界.ミラークローン
種族専用スキル:契約.能力食進化.自己鑑定
え?種族専用スキルって何だよッ!そんなんあったのかよッ!
それに属性じゃない能力と魔法……コイツ無属性だな。
それも珍しく強そうな無属性……コイツは厄介だな。つーか俺以外の無属性能力者初めて見たわ!
「セイヤ?セイヤ!どうかしたの?」
「いや、何でもない。それで俺を食うのか?」
「え?セイヤを食べる?……あ!ごめんなさい!セイヤじゃなくてセイヤの能力が美味しそうだなって!」
「能力?」
「うん!私達精霊は何も食べなくてもいいけど、能力だけは我慢出来ないくらい美味しいのッ!それも能力のレベルが高ければ高いほど美味しいのッ!」
レベルを理解している……俺以外にレベルをもっているヤツなんて影狼ぐらいしかいないのに何故知っているんだ?
「レベルって能力の横にあるヤツだよな?」
「そうだよって何で知ってるの?精霊しか知らない事だよ!」
「俺も自分を鑑定出来るからだよ」
「そうなの?じゃあレベルを教えてよッ!」
「アリスから教えてくれよ」
どれくらいが高いのかをこれで知れるな。それにもう1つの仮説も検証できる。
「えぇー、しょうがないなぁ。私結構レベルが高いんだからね。
私のレベルは4よ!どう?スゴいでしょ!さあセイヤも教えてよ!」
これで仮説が仮説じゃなくなった。
俺が思った通りレベルは自分でしか知ることが出来ないんだ。
そして俺のレベルが異様に高いことも分かった。
「アハハ……悪いなアリス、俺のレベルは7だよ」
「な、7ッ!?だからこんなに美味しそうな匂いなんだッ!スゴいスゴい!」
確かレベッカに会う前にモンスターを100体倒したからレベルが1つ上がってるはずだ。
「ね、ねぇセイヤぁ、能力食べてもいい?」
「俺の体に何の異常もないのなら食べていいぞ」
「ホントッ!?やったぁー!じゃあ奥に私の家があるから来てくれる?」
「あぁ、分かった」
「ご飯!ご飯!……エヘヘ♪楽しみだなぁ」
コイツ……かわいいな。
子供だからだよな……まさかロリコンになったわけじゃないよなッ!
そんなつまらないことを考えながらアリスの家を目指したのだった。
知っている人はアリスが鏡の国のアリスをモチーフにしていることが分かりますよね。まぁ、名前と能力に鏡とアリスを入れただけなんですけどね。
総合評価よろしくお願いしますッ!!




