俺達は森へ~テント地~
「ふぁー……何も襲って来なかったな」
モンスターは姿形も現さず朝をむかえた。
「レベッカはまだ起きてないのか?」
俺はレベッカのいるテントへ向かった。
ラノベとかだとこういう時ってだいたい 着替えとかをしているんだよな……
そんな事が現実で起こるとは到底思えないけどな。
「一応念のために確認した方がいいよな。
おーいレベッカぁ!もう起きてるか?」
「う~ん……起きてるわよぉ」
入っても良さそうだな……いや、まだ入っていいか聞いてない、一応聞いておくか。
「入っていいかレベッカ?」
「ッ!!?ダメッ!いま着替えてるからッ!」
「……分かった、終わったら言ってくれ」
アブねぇー!ホントに着替えてたよ!
確認して良かったー!…………ちょっとは見たかったかな。
「入ってもいいわよ」
「失礼します」
「もう準備は出来たか?」
「えぇ、バッチリよッ!」
「よし、じゃあ行く『ぐぅぅ!』か……」
レベッカのお腹が鳴った。
「うぅ~。……さ、さぁ!早く行きましょう!」
「そうだな。でも、その前に朝食としよう。昨日から何も食べてなかったな、気付けなくて悪かった」
「い、いいわよ別に!そ、それより早く朝食にしましょ!」
「あぁ、そうだな」
本当に申し訳ない。全然気付けなかった…………情けないな俺……。
「食材はどうするの?」
「う~ん、あるよ…………レベッカはステーキといか焼き、どっちがいい?」
「ステーキといか焼き?う~ん……ステーキ、かな」
「りょーかい♪【影倉庫:オープン】……さて、焼くか」
「ちょっと待ちなさいよッ!何で……何で"ミノタウロス"の死骸を出してるのよッ!」
「何でって、焼いて食うために決まってんじゃん」
そう、俺は"ミノタウロス"の肉を食べようとしている。
理由は牛だから食えるんじゃね?という考えからきている。因みにいか焼きはクラーケンである。
「えぇ~、それ食べれるの?」
「あぁ、食える(多分な)」
「じゃあ安心だね」
「…………あぁ、そうだな」
ごめん、俺が毒味するから許してくれ……。
結果的にミノタウロスのステーキは普通に旨かった。
今度いか焼きも食べよう。
「まさかモンスターのお肉を食べるとは思わなかったわ」
「ん?珍しいのか?」
「珍しいというかほぼないわね。モンスターのお肉を食べるくらいならそれを売るか武器をつくる素材にする方が良いと思われてるのよ」
「へぇ、武器の素材に使えるのか」
「え?知らなかったの?……モンスターの素材を武器に使うと、素材にしたモンスターの能力や属性が付くことがあるのよ。ランクが高いほど能力や属性が付く確率が高くなるのよ。あぁ、後から武器に付けることも出来るわ」
「マジでッ!?帰ったらやってもらおう」
ランクA.Sのモンスターがこっちにあるんだ、いい武器が作れるだろう。
「アンタが使うモンスターはクラーケンかしら?」
「あぁ、そうだな。あと邪獣も使うかな」
「え!?邪獣なんて精々Bランクがやっとだし、能力もいまいち解ってないのよ」
え?Bランクが精々なの?Sランクだったよね?しかもかなり強い能力だったし。
「……あのレベッカさん、俺が倒した邪獣、Sランクです」
「そんなウソつかないでよ…………え?マジで?」
「マジです」
「……えぇ~~~~!!そんなモンスターいたのッ!?って言うかそれをアンタは倒せたのッ!?」
「はい、ギリギリですけど」
何か敬語になってるし。
……しかしアルゴスはイレギュラーだったのか。
まぁ、あんなヤツがゴロゴロいたら終わってるもんな。
「アンタスゴかったんだね。……もう、考えない事にするわ」
「そうしよう」
それから森の最奥を目指すのだった。
総合評価よろしくお願いしますッ!!




