俺達は森へ~中腹~
レベッカが泣き止んでから再出発した。
出発したのはいいんだが、何故かレベッカが手を繋いできた。
何で?何で急に手ぇ繋いできたん?
「なぁレベッカさん、何故に手を繋いでいるんですか?」
「な、何で急に敬語になるのよ?」
「いや、だって急に手を繋いできたら誰だって聞くでしょ」
「そ、それは……そうだけど。でも、……怖いんだもん」
おぉ!『怖いんだもん』のところで手をギュッとする感じがかわいいな。
今までツンツンだったからこうデレるとギャップ萌えするよね!!……いや、萌えはしないか。
「こ、怖かったら仕方ないな。でも、案内はちゃんとしてくるよ?」
「わ、分かってるわよッ!……でも、ちゃんと守ってね?」
ツンデレ来たぁ――――――!!
「お、おう!任せとけ!」
「う、うん。頼りにしてる」
何か急に素直になってないッ!……かわいいから良いけど。
「は、早く行こう」
「う、うん」
◇◆◇◆◇◆
◇◆◇◆◇◆
森に入ってから半日が経過。
「結構進んだけどあと何れくらいで奥に着く?」
「そうねぇ……もう半分くらいあるんじゃないかしら」
「ま、まだ半分もあるのかッ!?」
マジですかぁ?どんだけデカイんだよこの森ッ!
「うん、私もこれ以上奥へ行ったって聞いた事がないわ」
「え?じゃあ何で精霊の実があるって分かるんだ?」
「街の言い伝えで言われてるのよ。森の奥に行けば精霊の実が貰えるよ~ってね♪」
「……なるほど」
それが本当なら精霊もいんじゃね?
というか精霊って何なの?
「なぁレベッカ、精霊ってどんな存在なの?」
「ん?そうねぇ……精霊は能力の塊って言われてるわ」
「能力の塊?」
「えぇ、自分にあった精霊と契約すれば能力の威力が2倍3倍になると言われているわ」
「へぇ、そりゃあ是非会ってみたいな」
「そうだね。……それと精霊の他に妖精とかもいて、妖精は魔法の威力を上げるって言われているわ」
「いろいろいるんだな」
「まぁ、私も会った事がないけどね」
「そうそう会えるもんじゃないだろ」
精霊や妖精ねぇ…………まぁ、会えたらラッキー程度に思っておくか。
「今日はこの辺で休みにするか」
「やっぱり野宿なのね」
「いやいや、さすがに女の子に野宿はさせられないよ」
「お、女の子って………」
「じゃあ作りぞ。【影造形:影テント】……よし、これで大丈夫だろ」
「あ、アンタも一緒なの?」
「俺は大丈夫だから」
「そ、そう。……あ、ありがとう」
「おう!ゆっくり休めよ」
「分かってるわよッ!」
「はいはい」
それから俺はいつでも動けるように影の中で仮眠をとったのだった。
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