俺二度目の登録(2)
「はぁはぁ……すいません、お待たせして」
魔族っ娘がようやく落ち着いたようだ。まぁ、俺が撫でなきゃ良かったんだけどね。
「いえ、元はといえば俺が頭を撫でたのが原因ですから」
「あ、お客さんは悪くありません。私がなでなでに夢中になっていたのが悪いんです!」
む、夢中って……そんなにいいのかな?
「ありがとうございます。これからしませんので安心してください」
「え?…………あの……またやってもかまいませんよ……」
うん、可愛い、どうしよう……また撫でたくなってきた。
いかんいかん!さすがに今日はもうダメだ……そう、我慢するんだ……。
「いいんですか?」
「私の頭ぐらいならいくらでも貸します!」
「あ、ありがとう……」
魔族っ娘は自分が何を言ったか理解し、顔を真っ赤にしていた。
『うぅ……恥ずかしいよぉ』
うん、こそこそ言っているようだが、バッチリ聞こえた。
さすがに何か言ってあげた方がいいかな?でも何て言うか。
う~~~~ん………………はッ!これなら大丈夫か?少し恥ずかしいけど仕方ない。
「じゃ、じゃあ、明日また撫でさせてもらってもいいかな?」
あぁー、こんな事を自分から言うなんてぇーー…………恥ずかしい!
いやいや、煩悩に負けた時に言ってるから今さらだよッ!
「は、はいっ!お願いします!」
「あ、こちらこそお願いします」
やっぱり礼儀正しい子だよなぁ…………じゃあ、何で客が全然来てないんだ?
この子に何かあるのか?
「あの!お客さん!聞いてますかッ!?大丈夫ですか!?」
「ん?あぁ、ごめん。ちょっと考え事しててさ……それで何を聞いてきたの?」
「お客さん何て名前なんですか?私はシェリーです」
なんだ名前かぁ。しかし魔族っ娘はシェリーって言うんだな……シェリーっていうと、コ○ンの灰原を思い出すなぁ……そんな事はどうでもよくて、早く名乗ったほうがいいな。
「俺はセイヤです。シェリーさん、よろしくお願いします」
「……さん付けはやめてください。あと、敬語もなしで」
お、意外と大胆だな。まぁ、可愛いからいいけどね。
「あぁ、分かったよシェリー」
「はい、ありがとうございますセイヤさん。これからよろしくお願いします」
「あぁ、よろしく」
『これから』ね…………半年間は仲良くできるといいな……。
「それでセイヤさん、何の用ですか?」
「……はぁ、二.三回言ったけど……冒険者登録しようと思って来たんだよ」
「あ!そうでしたね。失礼しました。それではこの用紙に必要事項ん記入してください」
用紙はリンシャルの街とほとんどの同じだった。前回と同じように記入する。
「これで良いのか?」
「そうですねぇ…………………………大丈夫だと思いますよ」
「そうか、ならそれでお願い」
「分かりました。…………では、こちらがFランクのギルドカードになります。無くさないように気をつけてくださいね」
「分かっているよ」
「それでは、説明を聞きますか?」
「いや、大丈夫、分かってるから」
なんたって現役Cランク冒険者だからな。
「じゃあ、俺はそろそろ行くわ」
「あ、そうですか……またのおこしを……」
悲しんでるなぁ。そりゃあ客が全く来てないから仕方ないか。
「また後で来るから」
「え?……は、はい!お待ちしておりますッ!」
「じゃあ」
俺は冒険者ギルドから出ていった。
結局、登録時間よりシェリーと話してる方が長かったなぁ。まぁいいか。
「さあ!モンスターを狩るぞ!」
総合評価よろしくお願いしますッ!!
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一話一話短いですが、今後ともよろしくお願いします!




