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無属性の天下統一  作者:
魔族大陸生活編
89/130

俺二度目の登録(1)

 ベルゴとのご飯兼情報収集が終わり、俺は冒険者ギルドに来ていた。いや、正確には冒険者ギルドの扉の前だ。


「王都よりは小さいけど、リンシャルよりは大きいな……入るか」


 入ってみると、やっぱり騒がしかった。


「……ギルドはやっぱり騒がしくなくちゃな…」


 冒険者ギルドにはもう半年も行ってないな……

 この雰囲気も3回目だけどちょっと懐かしいな……


「さて、カウンターは……一番空いてるところでいいか」


 カウンターは3つあり、真ん中が一番人?魔族が並んでいる。主に男性が多い、というか男しかいない。まぁ、そりゃあそうだろう、だって真ん中の魔族……美人だもんなぁ。

 まぁ、俺はエルザさん達で慣れてるけどねッ!♪


 次に多いのが右だ。こっちは女性が多い。ちらほら男性?というか少年も混じっている。カウンターで仕事しているのは、人の良さそうなお婆さんだった。


 で、残った左が、まったく魔族がいない。カウンターで仕事しているのは、俺より年下っぽい少女だった。

 …………何かこの光景にデジャブを感じる。いや、リンシャルの街で体験してるからデジャブではないか……というか、冒険者ギルドのカウンターは全部左から順に年が上がっていくのかッ!?

 そして何故毎回左がスッカスカなんだよッ!?胸もスッカスカ…………いや、あの、出来心でつい言ってしまいました。すいませんッ!


「はぁ、早く登録しよ……」


 俺は迷わず左のカウンターへ進んで行った。


「あの、すいません。登録したいんですけど、いいですか?」


 魔族少女はって言いにくいなぁ……魔族っ娘でいいかぁ……よしッ!

 魔族っ娘は俺の顔を見て、数回瞬きしてから目を見開いた。


「え?あ、お客さん……すいません!私ぼーっとしてて!」


 あ、この反応、エルリみたいだな……アイツ今頃何してるかな……客来てるかな?


「あの?お客さん、どうしたんですか?」

「ん?あぁ、俺もちょっとぼーっとしてたみたいだな」


 魔族っ娘は顔を赤くし、頬をかきながら……


「え、エヘヘ……お、お揃いですね?」

「あ、あぁ、そうだな……」


 それは卑怯だ魔族っ娘!いくらエルザさん達で慣れてるからって不意討ちに……しかもエルザさん達には1日も会ってないから余計に……余計に可愛く見えるわッ!

 あぁ、うっかり『魔族っ娘をテイクアウトで』って言いそうになったわッ!

 クソッ!恐るべき魔族めッ!


「お、お客さん、どうかしました?」

「うん、今俺煩悩と戦ってるからちょっと待って」

「は、はぁ、分かりました」


 よし、落ち着け、落ち着け俺。頭を撫でたいのは分かっている。でも、撫でちゃ駄目だ。我慢だ、我慢しろ。あと半年我慢すればアイラを撫でられる…………長くねッ!そんなに待てるわけないだろッ!


「あ、あの?戦いは終わりましたか?」

「はい、頭を撫でさせてください!」

「え!?煩悩に負けたッ!と、とりあえず落ち着いてください!」

「分かった。落ち着くから頭を撫でさせて」

「わ、分かりましたから、とりあえず席に座ってください」


 え?マジで?…………ヤッホォーーーーーイ!!


 頭の中は騒がしいが、静かに席に座った。


「あ、あの……どうぞ」


 魔族っ娘は頭を俺に向けてくる。


「で、では……」


 なでなで


「はぁうぅっ~」


 魔族っ娘は顔を真っ赤にしながら悶えている。かわえぇなぁ……


 なでなでなでなで


 魔族っ娘はさらに悶える。


「ふぅえッ!……どうしてそんなになでなで上手なのぉ?」

「ん?それは……ひ・み・つ♪」


 そろそろ止めておくか。撫でる手を頭からそっとのける。


「え?何でやめるの?」


 え?まだやってほしいの?


「また今度ね」

「あうぅ……はい、お願いします」


 あ、お願いしちゃってるよ……可愛いなぁ。


「じゃあ話を戻すけど、冒険者登録したいんだけど」

「はぁはぁはぁ、ちょっと待ってください」


 あら、ちょっとやり過ぎたかしら?なんちゃって♪


 それから、魔族っ娘が落ち着くまで待っていた。


総合評価よろしくお願いしますッ!!

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