俺の情報収集2
この街を教えてくれた魔族と一緒に冒険者ギルドが経営する酒場へ来ていた。
何故かというと、魔族が奢ってくれると言ったので、お言葉に甘えて料理と情報をいただこうと考えたのだ。
俺ってあったまいいー!……あ、先ずこの人……この魔族の名前をまだ知らなかったな。
「あの、名前何て言うんですか?あ、俺はセイヤって言います」
やっぱり、怒鳴ったのに俺が悪かったって分かると気まずいな……つい敬語っぽく喋ってすまうなぁ。何とかならないか?
「へぇ、スパイさんはセイヤって名前なのか……俺は、ベルゴって言うんだ。よろしくなセイヤ」
名前が分かって良かったよ。魔族魔族って分かりにくいからな。
「はい、よろしくお願いしますベルゴさん」
「さん付けなんてよしてくれよ、ついでに敬語も使わなくていいぞ」
おぉ!なんとありがたいお言葉!敬語って疲れるんだよな。
「ありがとうベルゴ、喋りにくくて仕方がなかったんだよ」
「分かる分かる、特に怒鳴った相手にはな?」
「やめてくれよ!知らなかったんだから仕方ないだろ!」
「はははっ、そうだな。それで聞きたい事って何だよ?」
あぁ、やっと本題に入れる。まぁ、こいつはいいやつそうだしもうちょっとふざけた話をしてても良かったんだけどな。
「あぁ、聞きたい事は、この大陸に人間達の住む街があるだろ?そこに行きたいんだけど、場所が分からなくてな、だからベルゴにその場所を教えてもらおうと思ってな。地図があれば嬉しいけど」
「……本気か?」
ん?本気か?……何で?何でそんな事を聞かれるの?
あれ?俺何か不味いことでも言った?
「え?いや、本気だけど……」
「……そうか。何故行きたいんだ?」
「いや、俺ってスパイだろ?だからちょっと偵察に行こうかと思ってな」
こういう理由なら教えてくれるだろう…………多分だけど
「そうか……そうだよな、セイヤはスパイだもんな。でも今はやめた方がいい」
ん?
「『今』は?どうしてだ?」
「今、セイヤが言っている街は…………閉鎖されている」
え?マジで?
「マジで?」
「マジで、だ」
ウソーン!……それならエルザさん達も入ってないのか?
「その閉鎖って何時から?」
「つい2時間前だ」
うわぁ、絶対エルザさん達を入れてから閉めただろ!これじゃあ会えないな……いや、俺の能力を使えばいけるか?
「あぁ、ちなみに街の外壁には結界が張っていて、能力や魔法を使っても傷付かない、入れない」
はい、詰んだー!…………どうすんだよッ!待つしかないよ!
「それでその閉鎖はいつ終わるんだ?」
「少なくとも半年はかかると思うぞ」
「は、半年ッ!?そんなにかかるのか!?」
や、ヤベェ……どうすんだよッ!これじゃあ少なくともあと半年はエルザさん達に会えないぞ。
「あぁ、だから今はやめておけ。閉鎖が終わった時に行くしかないだろう」
「そうか……なら、閉鎖が終わるまでこの街に住むかぁ」
まぁ、仕方ないよな……仕方ない
「この街に住むなら冒険者登録した方がいいぞ。冒険者なら門の出入りが自由になるからな」
「お、そうなのか。じゃあ早速行ってくるわ」
「あぁ、頑張れよ!」
「おう!今度会ったら奢ってやるよ」
「おう!楽しみにしてるぞ!」
「あぁ、またな」
まったくホントにいいやつだなベルゴは……
そんな事を思いながら、冒険者ギルドへと向かって行った……
総合評価よろしくお願いしますッ!!




