俺の情報収集
「早い事情報を聞いて、エルザさん達と合流しないとな」
セイヤは、街に侵入?してからエルザ達と再会する事しか考えていない。どんだけ好きなんだよッ!
(なるべく早く再会したいんだよな……)
でも、誰に聞こうか?いきなり話しかけるのは何か嫌なんだよなぁ……。
こういう事は、影狼に聞けば教えてくれないかな?
「影狼は、どんな人?魔族に聞けばいいと思う?」
(私ぃ?……私は、何処かのお店の人?魔族に聞けばいいと思うよ)
「なるほどなぁ……」←(はたから見たら一人でブツブツ言っている不審者)
自分の影なのに俺より頼りになるとか……俺、情けねーなぁ……。
まぁ!影狼も俺の体の一部だし!やっぱり、頼りになるのも俺の影だからだよな!
(影狼の言ってる事は正論だな。……普通なら…)
「なぁ影狼、店の魔族に聞くって言っても、俺ら金ないじゃん。さすがに何も買わずに情報だけって言うのはダメ何じゃないか?」
(う~ん……それもそうだね。だったらもう、その辺にいる魔族に聞くしかないね!)
「えぇー!」
結局そうなるんだな……しかもその辺にいる魔族って、聞ける訳ないじゃん!
たたでさえさっきから俺を避けてるって言うのに、聞ける訳ないだろ!
(そりゃあそうだろ!俺だって一人でブツブツ言っている奴には近付きたくないわッ!だから、他の案を影狼に聞いたのに振り出しに戻ったよ!)
「ふぅ、落ち着け俺、他にもまだ策はあるはずだ。焦らなくていい」
そうだ!その辺のひ弱そうな魔族を捕まえて金を借りよう!これなら……って、これ普通にカツアゲじゃん!
…………大分焦ってるんだな俺……こんな考えが思い付くとか怖いわッ!
……もっと怖い事してたわ!魔族殺っちゃってるもん!
(俺は……俺はどうすればいいんだぁー!)
「何やってんだスパイさん?」
不意に、誰かから話かけられた。
「え?……」
誰?……どっかで見たことがあるような?それにスパイ設定を知っている奴だろ……門番意外にいたっけそんなやつ?
「あの?どちらさまですか?」
「どちらさまって、スパイさんにこの街を紹介したのは俺でしょッ!」
「あれ?そうだっけ?……そう言えばそんなヤツがいたような、いなかったような……」
「俺がこの道を真っ直ぐ行けって言ったんじゃないですかッ!」
あぁ、そういえばいたなぁ。俺にあの1時間18分26秒を歩かせたヤツがぁ……
「お前かぁ!!」
「うぇ!?何ですか?」
「お前のせいで俺は、1時間18分26秒も歩かされたんだぞ!何度、本当に街があるかと考えたか……」
「細かッ!それに俺悪くないでしょ!」
悪くないだと…………人にこの街を勧めたくせにそれはないだろ!俺の時間を返せッ!
「いいや、お前が悪い。こんなに時間がかかるんだったらはじめから教えとけよッ!」
「そんなの知らないよ!大体他の街とはもっと離れてるから、この街が一番近かったんだよ!それを教えた俺が何で怒られなきゃいかないんだよッ!」
え?……マジで?他の街はもっと遠いの?…………。
かーげーろーおー!お前の鼻は使えないなぁー!
どうすんだよこの状況……メッチャ恥ずかしいんだけど。あの人のじゃない、魔族の親切を怒鳴ってしまった。こうなればあれしかない…………
「すいませんでしたッ!」
「え?いや、また態度が急変したな。まぁ、謝ってくれたのならもういいよ」
スゲーいい人じゃない、スゲーいい魔族じゃん!
「俺、誤解してましたッ!ただでさえ遠かったのに金が無くて……ホントにすいませんでした!」
「金がない?どうして?」
「俺!スパイしてたんで、人間の金しかもってなかったんですよ」
「あぁー、なるほど、それじゃあしかたないな」
やけに納得したようだ。まぁ、納得してくれるんならいいか。
ぐうぅ……
「腹へってんのか?なら俺と飯でも食いに行くか?」
「え?いいんですか?」
「あぁ、代金は俺が払ってやるよ」
メッチャいい魔族だ!何でこんなにしてくれんの!?
まぁ、奢ってくれるならついていくまでだな。
「ありがとうございますッ!」
「いいって」
「あ、あと聞きたい事もあるんですけど?」
「聞きたい事?別にいいけど、なんだ?」
「飯食ってる時に話します」
「そうか?ならわかったよ」
よしッ!
これで、腹と情報を満たせるな♪
俺ってつくづく運がいいッ!!
ありがとう!エラ神様ッ!
総合評価よろしくお願いしますッ!!




