俺の再会への道のり
街を目指して歩き始めてから2時間
「いっこうに街に着かないな……それにあの様子じゃあこの道があってるかさえも分からないな……」
はぁ、この調子で本当に皆と会えるんだろうか?……無理な気がしてきた……
「ワァウガァウ」
また分かれ道だよ
「またかぁ……」
ここに来るまでに3個ほど分かれ道があった
「ワァウガウッ!」
私に任せてッ!
このセリフも4回目だ
最初の分かれ道の時に影狼を起こしたら、ものすごく元気だった。少ししか寝てないのに元気だった。また、俺のために無理をしてるのかと思ったら本当に元気でした!
そして、さっきみたいに『私に任せてッ!』と言ってくれるのだ。言ってくれるのはいいんだが……
「クンクン……ワァウ?ガァウ?ワァウガァウ?」
くんくん……右かな?左かな?どっちだろう?
「ワァウ?……ワァウ?……クゥン……ガウッ!」
右?……やっぱり左?……ここは勘で……右ッ!
最初の分かれ道からずっとこんな感じだから心配なんだ……分からないなら言えばいいのにな……
「はぁ、じゃあ右へ行くか」
「ワァウッ!」
うんッ!
はぁ、俺も影狼には甘いな……
あぁー暇だー!敵でも出ないかなー
ガサッ!
「何だッ!?」
敵ッ!?敵かな?敵だったらいいなぁ
「貴様らは人間だな、ここを魔族の大陸と知ってのことかッ!?」
「……俺は魔族だ」
こう言った方が良さそうだな
「嘘をつくなッ!お前には魔族にある当たり前の特徴がないッ!出せるものなら出してみろッ!」
「はぁ、分かったよ、出せばいいんだろ……【シャドウコスチューム:デビル】……どうだ?これでいいだろ」
角や羽、尻尾を出すぐらい影操作なら楽勝だ。ちなみに角や羽、尻尾は、前にあった魔族達の特徴を混ぜたものだ
「ッ!?……ど、どうやって出した……」
「俺の力で隠してただけだ。それを今解いたにすぎない」
「……そう、だったのか……すまなかったな、てっきり人間かと思っちまって」
「いや、俺も紛らわししかったな。魔族大陸に入った時点で解除すればよかった」
すっから騙されてるな……何で特徴を隠す力があるのに特徴を真似て作る力がないと思っているんだ?バカなのか?まぁ、こっちとしては好都合か、エルザさん達の向かった街の場所を聞けるしな
「お前、この大陸から出てたのか?どんな用で出てたんだ?」
「ん?俺にはこの魔族の特徴を隠す力があるだろ、この力を使って人間達のスパイをしてこいっていう仕事だよ。今は状況報告の為に帰ったんだよ」
「そうだったのか、あの人間達のスパイをしてたのか……お前ってスゴいなッ!」
我ながらよくこうも嘘がペラペラ出るものだよ
「お前も人間達の相手をして疲れただろ、この先に街があるからゆっくり休んでいきなッ!」
「……あぁ、そうさせてもらうよ」
「それじゃあ俺はまだこの辺の見回りがあるから行くな!」
「おぉ、ありがとう」
この先って魔族の街だよな……思いっきり間違えてるな影狼……まぁ、ちょっと興味があるよな魔族の街
もしかしたら仲良くなれるかもな……いや、俺は魔王を倒しに来たんだから無理か。いや、人間と魔族を同盟関係にさせれば出来ないこともないか
まぁ、無理だと思うけど……
「さて、それじゃあ魔族の街に行きますか」
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