俺の暇潰し
馬車が出発してから1時間が経過した。中の俺達が何をしているかというと……
「ふわぁ…やることがないな」
そう、毎回の恒例……"暇"である
前々から何回も言っているが、この世界には娯楽が少ない
なので今回も何かを作って暇を潰すしかないしかないだろう。しかしめんどくさい、それなら仕方ないよね♪
「あぁー暇だなー(チラ!チラ!)」
「そうですね♪(チラッ……チラッ)
「私もそう思います。セイヤさんもそうですよね?(チラチラチラチラチラチラ)」
……コイツら…毎回俺が面白い物を作ってるからって露骨にアピールし過ぎだろ……特にシズネさん、チラチラチラチラチラチラってこっちをちら見し過ぎだろッ!
「はぁ、暇ですし何か作りましょうか」
「そ、そう!作りたいなら作れば良いじゃない!」
「そ、そうですね!」
「せ、セイヤさんが作りたいなら仕方ないですね!私達も付き合いましょう!」
「はいはい」
俺が作ると言った時コイツらの顔がパッと明るくなっていた。お前らは子供かッ!?
それに、お前たちがあからさまに作れってオーラを出してたのに『仕方ないなぁ』みたいな態度をとるなよっ!シズネさんは何れだけ楽しみにしてたんだよって言うぐらいご機嫌のようだ。まぁ、作ると側としてはそうしてくれた方が嬉しいけどね♪
「さて今回は何を作ろうか……」
「前回みたいにトランプで良いんじゃないでしょうか?」
「でも遊び道具の種類は多かった方がいいだろ?」
「それは……そうですね、よろしくお願いします」
「りょーかい」
さて、何を作れば良いかな?出来れば作るのが簡単な物、ルールが分かりやすい物を作りたいな
何かあるか?……
「う~ん……あ!リバース(オセロ)なら簡単か!そうと決まれば早速影造形でって、別に影で作らなくてもいいか。毎回作るのがめんどくさいからな」
別に影で作らなくても素材さえあれば【影表裏一体】で形をつくれば簡単に出来るはずだ
なら早速……
「……誰か木とか持ってない?」
「ん?木なら何でもいいのか?」
「あぁ……だけどいらないやつだけでいいから」
「ならこれでいいか?」
カレンが手渡してきたものは……
「木剣か……でもいいのか?」
「あぁ、痛んでいるヤツだから好きに使ってくれ」
「ありがとうカレン」
「れ、礼はいらないぞ!」
「そ、そうか……」
それじゃあ先ず柄の部分と剣の部分を分けてる(物理的に折った)
「次に剣の部分を【影表裏一体】で8×8のマスの付いた盤を作ってと……」
「あの……セイヤさんは何を作っているんですか?」
「出来てからのお楽しみだ」
「……?」
エルザさんが不思議そうな顔をしてるな。まぁ、何をやってるか分からないからだろうな
「次に柄の部分をいいサイズに128個分に分けて(これも折りまくった)、【影表裏一体】で、2枚丁度でリバーシ(オセロ)の駒の分厚さにする」
「そして最後に半分の64個を【属性付与:闇属性】で着色をして、もう半分も【属性付与:光属性】で着色をしてから【影表裏一体】で2つをくっつければ……完成!」
結構うまくいったと思える出来だ。特に【属性付与】を使ったのがいいと思うなぁー
「セイヤさん!これは何ですかッ!?(わくわく♪)
「ははっ……これはリバーシ(オセロ)といって、こうやって同じ色で別の色を挟むと、間にある敵の駒を裏返して自分の駒にして、最後に自分の色が多かったら勝ち、少なかったら負けっていう簡単なゲームだよ」
「なるほど!やってみましょう!」
はやっ!それだけやりたいのかよシズネさん……何か嬉しいな
「よし!やるか!」
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「うぅ…負けましたぁ……もう一回しましょう!」
「はいはい、あと一回だけですよ?あとがつかえているんですから」
「今度は負けません!」
シズネさん、ゲームに関しては子供だな……可愛らしいな
でも負けないけどね♪
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「ま、また負けましたぁ……もう一回!」
「あとでやりますから、変わってあげてください」
「うぅ……分かりました」
そのあとも皆とリバーシ(オセロ)をしたが俺は無敗だった。まぁ、当然だな、皆やった事がないんだから。いずれ負ける時が来るだろう……多分シズネさんに負けるな…
これから数日、リバーシ(オセロ)ブームが来たのだった……
総合評価よろしくお願いします!!




