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無属性の天下統一  作者:
魔族大陸突入偏
64/130

俺の馬車内

「暇だなぁ」


 馬車が出発してから1時間。最初は話していたが、今はみんな話す事がなく、黙っている。この世界には本当に娯楽が少ない。

 トランプとかあれば良いのに……ん?無いなら作ればいいんじゃないか。いや、材料がないしな……う~ん、もしかしたら俺の能力で作れるかもしれないな。


「やってみるか」

「ん?やってみるって何を?」

「故郷の遊び道具を作れるか実験しようと思って」

「でも材料が無くない?」

「そこは俺の能力でちょちょいと」

「あー、出来そうね」

「だろ。んじゃあ、【影造形】……うわぁ、1枚しか作れないのかよ。はぁ、【影造形】【影造形】【影造形】【影造形】【影造形】【影造形】【影造形】【影造形】【影造形】【影造形】【影造形】……」

「うわ!セーヤが壊れた!どうしよう姫様!」


 壊れたってなに!?君らの為にやってるのに俺がおかしいみたいじゃん!

 エルザさんは、分かってくれるよね?


「えぇと、とりあえず様子を見ましょう」


 エルザさ~ん!信じてたのに!


「わ、分かりました」

「……【影造形】【影造形】【影造形】…よし、出来た。見た目は黒いけど、マークと数字もちゃんとはいってるから問題無いだろ」

「あ、壊れてなかったんだ……何それ?」

「カードみたいだけど」


 あ、こっちの世界にもカードあるんだ。これなら遊○王やデュ○マとかも出来るかもしれないな。……いや、無理だな!どんだけ種類があると思っているんだ!せいぜいUN○ぐらいだなっといけない、考えてないでみんなに説明しないと


「これはトランプと言って、俺の故郷の遊び道具?かな」

「どうやって遊ぶんです?」

「いろいろあるけど、まずはババ抜きからでいいか。え~と、人数分にカードを配って、同じ数字を引いたら捨てて、一番早くカードがなくなった人の勝ちっいう遊び?ゲームかな。まぁ、やった方が早いか」


 やっぱり俺、説明するの下手だな。みんな?マークが頭にあるよ


「みんなカードはあるか?」

『はい!』

「じゃあ、今持っているカードの中で同じ数字のカードを2枚1セットで捨ててくれ。本当に馬車の外に捨てるなよ」

「わ、分かってるわよ!」


 本当に分かってるのかミーネ?


「な、何よその目!疑ってるの!?」

「あぁ、ごめん、俺が悪かった」

「分かれば良いのよ。で、捨てたわよ」

「あぁ、じゃあ俺から時計回りに右隣の人のカードを引く。引いたカードが持っているカードと同じ数字ならそれを捨てる。なくなったら勝ち。簡単だろ?」

「そうね。面白そう」

「早くやりましょう!」

「ん、早く」

「早くしてくださいセイヤ様!」


 みんなノリノリだな。今度はカレンも一緒に出来たらいいな


「はいはい、じゃあ引くぞミーネ」

「早く早く!」

「それ!お!そろってるな」

「ミーネ早く!」

「待って下さい姫様!……それ!うぅ、そろってない」


 みんな楽しそうだな。作ったかいがあったな


「早く引きなさいよ!セーヤ」

「あぁ、悪い。……そういえばこの馬車はどこに向かってるんだ?」

「そんな事も知らないの?」


 む!仲良くなってから言葉に棘が出てきたな


「え~とですね。港街のカルデラです」

「カルデラ?どうして港街に?」

「それは魔族大陸に行くには船でしか行けないからです」


 あ!忘れてた!


「あ、そういえばそうだったな……よし、あがり」

「え!?いつの間に!?」

「お前ら分かりやすいぞ。もっとポーカーフェイスでいろよ」

「ポーカーフェイス?」

「みんな顔を見てたら分かるから、表情に出すなって事だよ」

「なるほど……ありがとうございます。顔に出さない顔に出さない。どうぞシズネ」

「……あがりです」

「え!?顔に出してないのに!?」


 そのままエルザさんとミーネの戦いになった

 二人とも顔に出やすいから仕方がないか


「負けないわよミーネ」

「私もです姫様」


 二人の攻防は30分も続いた。勝ったのはエルザさんだった


 平和な1日だったな




総合評価よろしくお願いします!!

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