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無属性の天下統一  作者:
修行編
54/130

私の修行(2)

 セイヤと雑談していると、いつの間にか訓練場に着いていた

 着いた事に気付かないとは、それほど雑談が楽しかったのかな?

 まぁ、いい


「準備をしてくる、少し待っていてくれ」

「了解!それほど急がなくていいですよ」


 こいつは、こういう所は優しいというか、気が利くというか……

 それより早く準備をしなくては!

 今回は二刀流でにするか?はじめは片手剣でいくか

 鎧は前回の物でいいか

 よし、準備できた


「待たせた、準備はもういい」

「待ってませんよ、じゃあ早速やりますか?」

「あぁ、そうだな」

「あ!ルールは前回と同じですか?」

「あぁ、魔法、能力の使用禁止、剣術だけの勝負だ」

「分かりました、では始めましょうか」

「あぁ、では、尋常に……」


「「勝負ッ!!」」


「先手必勝!」

「甘い!こんなやわな攻撃が効くか!」


 そう、セイヤは、避けるか、弾く事のできる、緩い攻撃をしてきた

 まだ、お遊びか!クソッ!本気を出させてやる!


「え!?酷くない!」

「そう思うなら、本気を出したらどうだ!」

「んじゃ少し本気を出しますかッ!」

「なに!……ッ!」


 セイヤめ、右側への攻撃はフェイントで左側を狙ってきたな。最悪のフェイントだ。この速度だったら間に合わないな、"片手剣"だったらな。クソッ!こんなに早く二刀流にすることになるとは……


「ふんッ!」


 ガギンッ!


「やっと、双剣を使っている所を見れるな、いやらしいフェイントを掛けたかいがあったよ」

「あぁ、前回はなかったフェイントだったから少し慌ててしまったぞ」

「まあ、前回は怪我もしてたし、一本しか剣を持ってなかったからね」

「ふん、その調子だと、怪我も治ったみたいだな」

「あぁ、アイラさんに治してもらったからね」

「む!そうか、アイラに………そろそろ勝負を再開しよう」


 さっきアイラに治してもらったと聞いた時、胸がチクッとしたが、何だったんだろう?


「そうだな、そろそろ再開しようかッ!」


 ガギンッ!


「そうだな!"十字切り"!」

「ちょっ!いきなりそれかよ!しかも前より威力が増してるように見えるし」


 さぁ、この攻撃をどうしのぐ?


「俺、剣術の技ないし、どうしよっ!こうなったら真っ向から……やっぱ無理!いなす!」


 む!あれをいなすか、さすがだ。だが、セイヤに決定打がないのは、幸いだな。これなら、押しきれるか?


「ならば!私の最強の剣技"電光石火"!」


 この技は、最高速度で相手に詰め寄り、威力の増した双剣で相手を切るだけの技だ


「はやッ!……俺には剣技は、無いけど知識はあるんだよ!」

「なにッ!?」


 何をやろうとしているんだ?


はやきこと風の如く!」

「……ッ!」


 なにッ!私より速いだとッ!

 だが、まだこの程度なら


しずかなること林の如し!」

「む!何処へ行った!」


 一瞬で消えるだとッ!


侵掠しんりゃくすること火の如く!」

「ぐッ!」


 ガギンッ!ガギンッ!

 ガギンッ!ガギンッ!


 くッ!凄い勢いだッ!

 もう、押しきられる!


「うわッ!……私の負けだ…」

「動かざること山の如し、これぞ風林火山の極意ってか、それより大丈夫ですか?」

「大丈夫だ、それよりさっきのはなんだセイヤ?」

「俺の故郷の武士の、戦いの心構えみたいなものですね」

「お前の故郷には、面白い事を言う奴がいるんだな」

「そうですか?」

「あぁ、……手合わせありがとう」

「いえいえ、それより、このあと付き合ってもらってもいいですか?」

「別に構わんが、どんな用だ?」

「そうですね、素直に言いますと、カレンさんに能力開花してもらおうと思いまして」


 は?…能力開花?この私がか?……あぁ、嘘か、結局セイヤも私をバカにしているのか…


「嘘はいい、だいたいどうやって開花するのだ!」

「自分で言ってたじゃないですか、体に電気を流すって」

「あれは雷属性の話だろ!」

「はい、だからカレンさんが丁度雷属性だから聞いたんですよ」

「分かる訳がないだろ!……開花後ならまだしも、開花前に属性が分かる訳がないだろ!」

「まぁ、そこは俺の力でちゃちゃっとしただけですよ」


 どこまでも真剣な顔に、もしかしたら本当なのかと思ってしまう……そんな訳ないのに…


「いや、しかし……」

「あぁ!めんどくさい!ちょっと来てください!」

「ちょっ!引っ張るな!」



 そうして私は、セイヤに裏庭へ連れて行かれた




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