アタシとセーヤ
アタシはヘルミーネ、王都の学校を卒業後王宮の能力騎士団へ入団した
魔法や武術が得意ではないアタシがなぜ王宮騎士になれたかというと……まぁ、能力騎士団という名前から分かると思うけど…そう!私は能力だけはまだましなレベルで扱えるからギリギリで入団出来たのです!
しかもアタシは獣人だから皆からハブられる事がよくある、あぁこの仕事辞めようかな
「そういえば今日姫様が帰ってくるんですって」
「え?予定ではまだ掛かるはずでしたけど、なにかあったんですか?」
「それが何者かに襲われて、それを心配した王様が帰還を命じたとかなんとか」
「へぇこの大陸の姫様を襲うとは何者だろうか」
へぇあのお姫様が襲われたんだぁ、襲った奴も命知らずな奴だな
まぁ、アタシには関係ない事だけどね
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「ねぇねぇ聞いたぁ?―――
また世間話かぁと思っていると、信じられない単語が
―――姫様が冒険者と"魔王討伐"に行くんだって!」
「えッ!?どうしてそうなったの!?」
アタシも同感!!なんで襲われて帰ってきた姫様が翌日に魔王討伐をする話に変わってるのッ!?
「それがさぁ、姫様を襲った奴が上級魔族だったみたいなのよ、それで王様が今後いつ襲ってくるかわからないから、襲われる前に討伐しちゃえ!って事になったみたいなの」
「でもそれならあの親バカな王様が姫様をわざわざ危険な魔王討伐へ向かわせるのは可笑しいんじゃない?」
いや、あんたら王様を親バカとか……まぁ、アタシも思っているけど
「それがさぁ、姫様が頼んだみたいなのよ」
「どうしてまたぁ?」
「助けてくれた冒険者が魔王討伐に行くから姫様も行くって言ってるらしいのよ」
「え?もしかしてそれって恋!?」
「やっぱりそう思う!?」
「だってそれしかないじゃん」
「だよねー♪」
はぁ、恋ね~……私には無縁な言葉よね、少なくともこの大陸にいるかぎりはね…
「あ、それと魔王討伐に行くメンバーを募集しているんだって」
「え~、それ誰が受けるのよぉ」
「いやそれがさぁ、各騎士団、姫様護衛隊.魔導術団.能力騎士団から一人希望者がでなかったら上が勝手に決めるんだって」
「なにそれぇ、誰かやってくれないかなぁ」
「そうだよねー、特にあの獣人とかさ」
「そうよね!アイツがいなかったら団の雰囲気も良くなるし邪魔者はいなくなるしで一石二鳥なのにねー」
「だよねー♪」
はぁ、やっぱりアタシかぁ、まぁ、居心地が悪いから魔王討伐に行くのもありだけど、やっぱり危険そうだなぁ
まぁ、結局魔王討伐をやるはめになりましたよ
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はい、とりあえず姫様を助け、上級魔族を追い返した冒険者に挨拶をしにいく事になったのです
「ヘルミーネって言うの!見てのとおり獣人だけど気軽にミーネって呼んでね♪これからよろしくね♪」
「よろしくミーネさん」
獣人だと分かれば嫌な顔されると思ってたけど笑顔で返事してくれた
うん、好感度が上昇したね♪
そういえば名前を聞いていなかったと挨拶が終わってから気付いた
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翌日、何時もの日課で朝の散歩をしていたら向こう側から冒険者が肩を押さえながらしんどそうな顔でゆっくりと歩いてきた
「大丈夫~?え~と冒険者さん?」
「あ、ミーネさん、そういえば名乗ってなかったですね。俺はセイヤ・カゲノといいます」
「へぇセーヤって言うんだ!というか大丈夫?苦しそうだけど」
「セーヤ……いや、上級魔族にヤられた傷が開いちゃったみたいで」
「ちょっと見せて貰ってもいい?」
「いや、やめといたほうがいいと思うよ、わりとマジで」
「いいからッ!……なにこれッ!パックリあいてるじゃない!すぐに応急手当をしなきゃ!」
「いや、いいよ」
「そうよね……アタシみたいな獣人に触られるのはいやだよね…」
「いや、そういう事じゃなくて……」
「いいよ、気をつかわなくて…」
「いや、ただ恥ずかしいだけなんですけど」
「え?恥ずかしい?」
「いや、だって服をめくられて迫られてるのを誰かに見られたらあらぬ疑いをかけられると……」
「あッ!……ご、ごめんなさい……」
は、恥ずかしい…でもこっちの事も考えてくれるなんて結構優しいんだね♪
「それより治療をしなきゃ!」
「いや、大丈夫ですよ」
「そんな訳にはいきません!せめて医療室に行きましょう!」
「いえ、道を教えてくれたら一人で行きますから、ミーネさんはお散歩の続きをしていてください」
「そうですか?じゃあ道を教えますね」
「ありがとうございました、では行きますね」
「気を付けてね♪」
「はい」
最後が少し強引だったけどまぁあれも優しさだよねッ!
総合評価よろしくお願いします!!




