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Skill Make Online  作者: 金平琥珀
4/10

四話、実戦。

「俺が説明してやるよ」


 登録手続きをしている間、グレイはカノンにギルドの仕組みについてレクチャーした。


 冒険者には階級制度があり、常時発令型依頼クエストでは自分の階級に見合ったものしか仕事を斡旋してもらえない。常時携帯型依頼シーカーでは、ライブラリデータにあるクエストで種類自体は数えきれないほどあり、こちらはわざわざギルドまで行って手続きをする必要がなく、決まった階級もない。ただ、報酬がない。報酬がないと言っても金銭面においての報酬がない。


 あとは階級昇格型依頼ランクアップ。これは自分に斡旋してもらえる仕事を増やすために必要なクエストでこちらの報酬は名前の通りランクアップとなっている。


 あとはあまり掲示されることがないが、緊急型討伐依頼トリガーがある。緊急型討伐依頼トリガーの由来としてはそれをきっかけに何かが変わるということかららしい。


「ちなみに階級ってどうなってるの?」


「階級はFからスタート上位ランクについてはまだ発表がないからよくわからん。もしかしたら特別な階級があるのかもしれないし、それはそこまで上り詰めてみないとなんとも」


「テスターのときはどこまで行ったの?」


「階級Bくらいだな。それ以上だと時間が足りないし、そこまで高度な依頼がなかったからな。これでもかなり上位だったんだぜ」


「へぇ」


 そんな話を聞いていると登録が終わったようでギルドカードと呼ばれるものを受付のお姉さんから貰った。


「何か依頼を受けたい際や報酬を受け取りたい際などはこちらをご提示ください。当施設を利用する際は必要となりますので、登録の記念に武器を一通りお渡ししておきます」


 短剣系、長剣系、棍系、篭手系、弓系、杖系、槍系の初期武器とサバイバルキットをもらった。


「活躍なさることを願っています」


 カノンはありがとうと一言言うと入口の外で先に待っていたグレイのところへ向かう。


「ようやく終わったよ」


「何言ってんだ、ようやく始まりだ。それにしてもお前はバグだらけだな」


「好きでこうなったんじゃないんだけど」


「ま、気にするな。それよりもあと何か聞きたいことあるか?」


 何か聞きたいことがあるかと問われ、カノンは聞きたいことが何なのか分からなかったため、今はないと答えた。


「そうか、何かあれば念話で連絡してくれや。昔馴染みのよしみで相談くらいには乗ってやるよ。面白そうなクエストがあれば呼んでくれよ」


「分かった」


「俺は『西方の聖騎士団』ってギルドをやってから、何かあれば力になってやるよ」


 グレイとフレンド登録を済ませるとギルドのメンバーを待たせているとのことでグレイとは一旦別れることになった。


 グレイと別れたカノンは渡された装備を見ながら自分には一番何が向いているのか考えながら一つ一つ試してみた。


 結果使いづらい装備は特になく、どれも同じくらいには使えるということが分かったため、状況に合わせて使い分けることで落ち着いた。


 ようやく装備を手に入れたカノンは最初にいた場所まで戻ると短剣を装備した。


 この世界に来て最初に遭遇したモンスター、ゴブリンを狩るためだ。ここに来る前にギルドで階級Eのゴブリン討伐任務を受領してきた。


 内容はゴブリンを30体ほど狩るというシンプルな討伐依頼。この辺にいるゴブリンの適正レベルは3~6と今のカノンにしてみれば格上であることは間違いない。


 カノンは最初のゴブリンを見つけると、短剣を投擲の構えにする。低い姿勢から放たれたそれは威力はないものの、しっかりと急所を捉えていた。威力がないため倒すことは出来ずとも致命傷を与えることには成功した。


 あらかじめ装備して長剣を抜刀すると、一気に間合いまで踏み込んだ。これはカノンは道場で師範代をやっている父から教わった武芸の一つだ。


「楯無流剣術一式、崩震」


 ゴブリンはすかさず防御の構えでカノンの剣技を受け止める。本来武器破壊のこの技はレベルが足らないのかそれともカノン技量が足らないのか、武器を破壊するまでには至らず、弾かれてしまう。


 バックステップで体勢を立て直し、長剣を一度納刀するとカノンは徒手空拳の構えを示す。


 楯無流は昔から一体多数を想定し作られた流派、武器に対するこだわりというものがない。あらゆる武器、あらゆる状況下に対応するための武芸だ。


 先程の攻撃激昂状態にあるゴブリンの動きはかなり単調なものとなっているが油断することは出来ない。


「楯無流歩行術、無音」


 音というのは戦闘に置いてかなりの情報を相手に与えている。それがゴブリンとはいえ例外ではないだろう。カノンは自ら音を消し、そして。


「楯無流徒手空拳、崩撃」


 剣技で使った武器破壊の拳バージョンとも言えるそれはやはり武器を破壊するまでには至らず、多少ダメージを与えただけにとどまった。


「攻撃系の【スキル】は持ってないし。発動させようにも【ギルティブレイドⅠ】は何故か発動してくれないし」

 

 カノンは自分の持つポテンシャルのみで敵を倒そうと試みたが、どうもうまく行かないようだ。


 距離を取りながら小さく息を吐いた。

<ステータス>


 名前 カノン

 種族 咎人

 レベル 1


 HP80/80

 MP40/40


 攻撃力5

 防御力1

 魔法攻撃力2

 魔法防御力1

 回避力7

 速度7

 技術力4

 幸運1


 所持金0ガルム

 貯金0ガルム


 固有技能ユニークスキル

 【ギルティブレイドⅠ】レベル1


 独自技能オリジナルスキル

 なし


 既存技能ノーマルスキル

 【投擲】レベル1 【採取】レベル1


 職業技能ジョブスキル

 【薬師】レベル1


<装備>


 武器 屑鉄の剣

 武器 屑鉄の短剣

 武器 なし

 盾  なし

 頭  なし

 腕  屑鉄の篭手

 胴体 薄汚れた衣服

 腰  なし

 脚  壊れかけのサンダル

 羽織 なし

 装飾 なし

    なし  

    なし

    なし

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