表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Skill Make Online  作者: 金平琥珀
10/10

十話、情報。

 リンダさんと別れ、再び弓が手に入ったため、ギルドで一度ゴブリン討伐の報酬を貰いに来ていた。


「カノンさんお疲れ様です。ゴブリン討伐の依頼完遂ですね」


 カノンは受付にギルドカードを渡すとそのデータを読み取り内容を確認していた。その動作を一つ一つ見ていてもやはり人間にしか見えないそれはかなり高性能なAIを使っているためだろう。

 

 街の人間の会話一つにしてもかなり個性があふれている。


 まるで街全体が生きているような感じさえする。彼らはここに生きているそんな感じに溢れている。よりリアルを追求した結果なのか、何かを求めた結果なのか、いずれにせよ面白い。


「確認が終わりました。依頼開始からかなり速かったですね。誰かに手助けしてもらいましたか?」


「途中で」


「道理で。別にペナルティとかはありませんので、他に何か依頼でも受けていきますか?今あるものだと期限付きのものばかりになってしまうんですが」


「大丈夫です」


 カノンは今受けられそうな依頼を一通りチェックするが面白そうなものがなかったのでひとまずギルドを後にした。


 ◇◇◇◇ 草原エリア・街道沿いの小屋。


「……ライダーさん、見ましたか」


「何を?」


「さっき、ギルドにいた美少女ですよ。中々の上玉でしたね」


「お前らはそればかりだな」


 ライダーと呼ばれた青年は退屈そうにその会話を流し聞きしていた。ライダー自身も会話に出ている少女を見たが特に何も感じなかった。


 もちろん男に興味があるわけではない。


 ただ興味が湧かなかっただけ。ライダーだって綺麗な女を見れば綺麗だと思うし手に入れたいとも思うが何故か彼女に対してそんな感情を抱くことはなかった。


 唯一感じたのが、強そうだと。


 ステータスという意味ではない。本質として彼女を強そうだと判断した。


「それでお前たちはどうしたいんだ?」


「もちろん、手に入れたいッス」


「勝手にしろ」


「ライダーさんは話が分かるッス」


 ライダーは曲がりなりにも自身の配下コミュニティを持つギルドマスターだ。方針はかなり適当で落ちぶれたものばかりのならず者集団となっているが、それなりに気に入っている。


PKプレイヤーキルなんてつまらない真似だけはしてくれるなよ。挑むなら正々堂々と、正面からだ。それに従えない奴は今この場でオレが消してやる」


「ライダーに挑む奴はここにはいねえよ」


 自身の部下に対してそんなことを言っていると新しく小屋に入って来た黒一色に染めたような男がライダーに対してそう言った。


「ハイア、珍しいな」


「一応は副ギルドマスターだから、な。たまには顔くらいだす。それに表にいた連中から何やら面白そうな話を聞いたんだね」


「お前も興味があるのか?」


「新規プレイヤーは一通り調べたはずなんだが、まさか俺の知らないフリーのプレイヤーがいるとは思ってもなかったもんでね。情報屋の端くれとしては見過ごせないのさ」


 ハイアはβ時代から情報屋としていろんなギルドの人間と接点を持っている。とは言っても表向きの顔のせいで他のギルド幹部とはあまり接点はない。下っ端から情報を集めている。


 今はβ時代から培った情報を売って稼ぎにしている。初心者にとって情報とはかなり重要なもので、特に攻略組に参加するようになる連中は喉から手が出るほど欲しいものばかり。


 例えば効率のいい狩場であり、収入のいいクエストだったり、武器の取得条件だった、上位スキルの取得条件だったり、ボスの弱点だったりとその情報があるだけで攻略組へと近づける。


 情報とは近道である。それはハイアの心情でありモットーだ。


「それにしても白銀の髪を持つ少女か。この情報は高値で売買されそうな予感がある分、早いうちから情報を集めておきたいのさ。今ある情報だと彼女は弓使いってことぐらいだな。真っ白な弓を使うってことしか情報がない」


「まだゲームが開始されてから二日三日しか経ってないんだからな、情報が集まらないのは仕方ないんじゃないか?」


「いや、意図的に人目を付くような場所を避けている節があるから、そのせいでもあるだろう。面白いな、面白過ぎる。謎の少女は行動までも謎だ。ほかのプレイヤーはレベリングに勤しんでいるというのに、彼女はまだレベル1。レベルを上げるつもりがないのか、レベルが上がらないのか。中々に面白い」


 そう言って不敵に笑った。


「さてさてさーてと。情報集めに戻るとするよ」


「ほどほどにな」


 そう行ってハイアを見送った。


「それにしてもレベルの上がらない少女か。それに弓使い?オレには剣士のように見えんたんだがな」


 ライダーも新しい玩具を貰った子供のように笑った。

<ステータス>


 名前 カノン

 種族 咎人

 レベル 1


 HP80/80

 MP40/40


 攻撃力5

 防御力1

 魔法攻撃力2

 魔法防御力1

 回避力7

 速度7

 技術力4

 幸運1


 所持金0ガルム

 貯金0ガルム


 固有技能ユニークスキル

 【ギルティブレイドⅠ】レベル1


 独自技能オリジナルスキル

 なし


 既存技能ノーマルスキル

 【投擲】レベル1 【採取】レベル1


 職業技能ジョブスキル

 【薬師】レベル1


<装備>


 武器 無垢の弓

 武器 なし

 盾  なし

 頭  なし

 胴体 薄汚れた衣服

 腰  なし

 脚  壊れかけのサンダル

 羽織 なし

 装飾 なし

    なし  

    なし

    なし

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ