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NEW LIFE ONLINE   作者: てんく
29/36

29話

昨日は投稿出来なくてすみませんでした。

ログアウトした俺は、ヘッドギアを外してから寝る前にお茶を飲むために下に降りる。

その際、時計を見ると22時を過ぎていた。ログインをしたのが20時ぐらいからだったため、2時間ぐらいしていたことになる。


下に降りると、舞彩がゲームを止めていたのかオレンジジュースをコップに注いでソファーに座ってテレビを見ながら飲んでいた。


「止めていたのだな」

「あ、お兄ちゃん。うん、久しぶりの部活でちょっと疲れたから早めに止めて寝ようと思ったんだ」

「あぁ、そうした方がいい」


お茶を飲んで、二階に上がる前に舞彩に「おやすみ」と言ってから二階に上がり自室に戻って寝た。

どうやら母さんはもう寝ていた。



次の日の朝も5時に起きて、動きやすい服に着替えてランニングに出かける。

それから7時に帰ってくると、舞彩が制服に着替えて学校に行く所だった。


「おはよう、舞彩。朝練か?」

「おはようお兄ちゃん。起きるの早いね、何していたの?」

「あぁ、ランニングしていたんだ」


そう言うと、舞彩は「お兄ちゃんって、ランニングとかするんだ」と驚いていた。

まぁ、いつも朝早くからだし舞彩が朝練に出たとしても被ることなんて無いからな。


「そうだ、お兄ちゃん。今度一緒にランニングしようよ」

「あー、そうだな。いいぞ」


少し考えてから、舞彩の提案に了承した。たまには誰かと一緒に走るというのもいいかもしれないからな。

それから舞彩を見送り、家の中に入ってから汗を流すためにシャワーを浴びる。


さっぱりしてリビングに行くと、母さんがうつらうつらとソファーに座って眠そうにしていた。

朝食の準備はされていた。朝食はご飯にみそ汁、そしてサバ缶。

俺は、母さんに起こさないように気を付けながら毛布をかけて準備されていた朝食を食べ始める。


食べ終えた後、食器をまだ時間に余裕があるため洗ってから制服に着替えて家を出る。

しかし、家を出る前に母さんの意識がしっかりとしたらしく、出ていこうとする俺を見て眠そうに目を擦りながら、


「おはよう、冬冴。もう行くの?」

「おはよう。そのつもりだ」


「そう、いってらっしゃい」と言う母さんに見送られて、俺は「行ってきます」と言って家を出た。




☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆




授業もすべて終わり、放課後になって俺は帰り支度をして教室を出る。

享は、用事があるらしく先に帰っていった。

用事もないし、俺はゆっくり歩いて帰ることにした。


校門を出て、少し歩いた所で買い物袋を両手に持った母さんに会った。

珍しいな、こんなところで会うなんて。


「買い物袋、持つよ」

「大丈夫だよ、そこまで重くなんて無いから」


そう言って断る母さんだが、俺は「まぁ、そう言わずに」と言いながら母さんの持っている買い物袋を受け取る。

それから母さんと談笑をしながら帰っていると、舞彩と享の妹の沙希に出会った。


「あ、冬冴さん。それと、その人は?妹さんですか?」

「……母さんだ」


沙希のその一言に俺たちは顔をひきつらせながらそう答える。

それを聞いた沙希も驚いたような、反応に困ったという表情をしていた。

母さんは妹と言われて、ちょっと不満そうにしていた。


「それで、舞彩と沙希はどうしたのだ?」

「それがですね、今日は部長が休みらしくて急遽部活が無くなったんです。それで、舞彩ちゃんがゲームセンターに遊びにいくところだったんです」


へぇ、そうだったのか。遅くならないうちに帰ってこいよ。そう言って、母さんと一緒に帰ろうとすると舞彩たちに服を捕まれた。


「まぁ、お兄ちゃん。せっかくだから一緒に遊びに行こうよ」

「そうですよ、冬冴さん」


いや、そういうわけにもいかないだろう。買い物袋を持っているし。

しかし、母さんは気にしたようすもなく、


「私のことは気にしなくていいよ?舞彩たちと遊びに行ってきても」

「何いっているのお母さん。お母さんも来るんだよ」

「えぇ、私も?」


舞彩の言葉に驚く母さん。


「うん、たまにはいいでしょ?」

「えぇ、でも買ったものが…」


最後まで渋る母さんだったが最終的に舞彩に押しきられてしまい、しぶしぶゲームセンターに遊びに行くことになった。

…たまには息抜きとしてはいいんじゃないのか?



ゲームセンターに来た俺たちだったが、そこでまったく意外ではない人物と出会う。

その人物とは笑顔を浮かべながら格闘ゲームで浜口をフルボッコにしている西條だった。

また、からかわれた西條がゲームで勝負して仕返しをしているのだろう、たぶん。


声をかけるか迷っていると、浜口が俺に気が付いた。


「笹崎くん、麻佑がいじめるよー」

「と、冬冴くん。というか、いじめてなんかないよ」

「まぁ、ある程度のことは予想がつく」


俺が浜口たちと話をしていると、舞彩が俺たちの会話に割り込んできた。


「お兄ちゃん、この人たちは?」

「あぁ、前に話した浜口と西條だよ」

「浜口真由香です」

「さ、西條麻佑…です」


浜口は普通に自己紹介をして、西條は人見知りをしているのか、少し小さい声で自己紹介をした。

それから舞彩たちが自己紹介をして、せっかくだから一緒に遊ぶことになった。

舞彩はゲームが上手いから西條とはすぐに仲良くなるだろう。まぁ、沙希はゲームが上手いかどうかは分からないが。



今、太鼓の玄人を舞彩と西條が一緒にやっている。舞彩がゲームを上手いことを知り、西條は俺の予想通りすぐに仲良くなり太鼓の玄人で勝負をしているところだった。


そしてこっちでは、俺と浜口と沙希で格闘ゲームのトーナメントをしていた。

ちなみに母さんは、一番最初に俺と格闘ゲームで勝負して負けて、その後に浜口と沙希とも戦って負けていじけてしまっている。


母さんがいじけてしまっている間に、前に戦えなかった為、俺と浜口が勝負をして、1ポイント取られて、後は俺がストレート勝ちをした。

その次に俺と沙希が戦い、2ポイント沙希に先取されたがその後俺がストレート勝ちをした。


舞彩とはやったことないが、舞彩と同じくらい強いんじゃないのだろうか。享の妹なだけあってゲームが上手い。

そう思いながら浜口と沙希が戦っている所を見ていた。


浜口と沙希の戦いが終わる頃に舞彩たちも終わったのかこっちに仲良く会話をしながら、歩いて来た。

楽しそうでなによりだ。


その後で入れ替わり、俺たちが太鼓の玄人をすることになり、舞彩たちが格闘ゲームを始めた。

その頃には母さんも気を取り直して、「今度こそは!」と意気込んでいた。



太鼓の玄人で鬼レベルでフルコンボをするなどと母さんが意外な才能を見せて、楽しそうにしていた。

それぞれ楽しんだことだしそろそら帰るのかな?と思っていたが、最後にリズムゲームで遊ぶことになった。

名前はよく分からないが、足元にある方向キーのパネルを踏むリズムゲームのため、ダンス部所属の舞彩が得意そうだな。


まず、見本として舞彩と西條が二人でやっている。

タイミングよく指示された方向の矢印の付いた下のパネルを踏む舞彩と西條。

舞彩はダンス部な為、上手い。西條も上手い。2人してマックスコンボしていた。


次に浜口と沙希の2人がすることになり、浜口は2回ほどミスをしていたが、沙希はマックスコンボしていた。

何か慣れている感じだったが、ダンスでも習っているのだろうか?

そう考えていると舞彩が隣で茶化すように沙希に、


「よっ、さすが私たちダンス部のエース!」

「もう、止めてよ舞彩ちゃん。恥ずかしいよ」


照れたように言う沙希。へぇー、そうだったんだ。

それから最後に俺の番が来た。何故か母さんは見学すると言っていた。


俺は、ダンスではないが戦う為の武術ではなく、人に魅せるための武術をじいちゃんに習っている。

確か、じいちゃんはカッコつけて【夢玄演舞】とかなんとか言っていた。

だからたぶん、俺も出来るとは思う。まぁ、やってみないと分からないけどな。


「お兄ちゃん、出来るの?」

「まぁダンスはやったことないが、【夢玄演舞】をやっているから大丈夫だろ」

「いや、何それ?」


不思議そうに首をかしげる舞彩たちをよそに俺は始める。知らない曲ばかりのため、俺はランダムにする。

曲が流れ始めて、俺はタイミングを合わせる。単純にタイミングを合わせてパネルを踏むだけな為、【夢玄演舞】よりは断然簡単だった。



曲を終えて、舞彩たちの所に戻ると浜口と西條はさすがと言ったような顔をして、母さんと舞彩それと沙希は驚いたような顔をしていた。


「お兄ちゃん、ダンスやったことないと言っているのに何でそんなキレのある動きが出来るの?」

「だから【夢玄演舞】をやっているって言っただろ?」

「だからそれって何なの?」

「じいちゃん曰く、人に魅せる為の武術と言っていたが」


そう言うと、舞彩は唖然として固まってしまった。

舞彩は何をそんなに驚いているんだ?俺がじいちゃんから武術を習っていることは母さんか父さんに教えてもらっているだろう?

そう思いながら母さんを見ると、さっと目を逸らされた。

……いや、母さん。その反応は何?もしかして教えてないのか?





次の更新は今日の夜か、明日の予定です。

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