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時空間魔法で異世界旅行記  作者: 紙紙紙
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いざ、ダンジョンへ

「みんな気を付けて」


「行ってくる」


「行ってきますアイラさん」


「ワフ!」「わふ!」


 アイラに見送られマモルたちは予め決めている集合場所に向かう。


 女盗賊イアの襲撃の翌日からベラによるダンジョンの講義を始まった。と言っても午前中はクエストを受け午後から講義の生活だ。


 チート級の時空間魔法を使えるのマモルは前日の夜不安でなかなか寝付けず目の下に隈を作り大きな欠伸をした。


「マモルさん眠れませんでした?」


「あ、うん……不安でね」


 フードから飛び出しマモルの前でベラは励ます。


「私もククリもクロもいます。それにエレンさんや他の冒険者の方もいるんですよ? 大丈夫ですよ!」


「それはわかってる。けど、なんか不安なんだ……」


「マモルさん……」


 不安がっているマモルの頭に乗り髪を撫で優しくベラは言う。


「大丈夫ですマモルさん私が守ります」


「ワフ!」


「わふわふ!」


 ベラの言葉にククリとクロも同意するように鳴く。


「ありがとう、みんな」


 皆を守るためなら自重しないと決意するのだった。



 しばらく歩き集合場所が見えてくるとそこにはエレンと前日に打ち合わせした冒険者たちが既に集まっていた。


「おはようございます皆さん」


 マモルが挨拶すると騎士の鎧姿のエレンが答える。


「おはようマモル。今日はよろしく頼むぞ!」


「が、頑張ります」


 そんな会話を交わしていると緊張気味の白いローブを着た女性――神官のティシュが凄い勢いでお辞儀する。


「ふ、不束者ですがよ、よろしくお願いします」


「ティシュ緊張し過ぎよ? もっとリラックス、ね?」


 黒いとんがり帽子にいかにも魔女の恰好をした妖艶な女性――魔法使いのアナンマがティシュに抱き着く。


「う、うん」


「ふふふ」


「お主ら緊張感が無さすぎるぞ……」


 そんな二人のやり取りに大斧を背中に装備している虎獣人のガイルが呆れる。

 以上が今回のボス部屋攻略の少数精鋭パーティーのメンバー。盾のエレン、アタッカーのガイル、遠距離攻撃のアナンマ、回復のティシュ、そして全員のサポート兼アタッカーのマモル。なかなかバランス良いパーティーだ。

 

 少数精鋭と言ったもの実際はマモルとエレンしか申請していなく、ギルド長のヴァーナルはクエスト達成した者にはAランク昇進させると条件が追加され今のメンバーが揃ったのだ。それはさておき。


「よし、出発するぞ!」


 エレンの掛け声にマモルも気を引き締めダンジョンへ向かった。




 ダンジョンの入り口に着いたマモルたち。エレンは入り口で監視している部下のもとに駆け寄る。


「ダンジョンの中の様子は異常はないか?」


 部下は敬礼してから答える。


「は! 報告では特に問題はありません!」


「了解した。よし、突入するぞ!」


「ご武運を!」


 警備隊の横を通りエレンを先頭にして、ガイル、アナンマ、ティシュ、最後にマモルの順に隊列を組み洞窟を進んでいく。


松明の明かりを辿り進んでいくとベラが口を開く。


「前方からアーミーアント四体来ます。」


「了解した。皆、打ち合わせ通りにやるぞ」


 それぞれが武器を構えると前方から大型の蟻型魔物が近づく。


「今だ!」


 エレンが合図を出すと先に動いたのはマモルだ。


「クイック!」


 アーミーアントの所まで範囲を指定し終えるとクイックをエレンとガイルに掛け、二人は高速で移動し硬い甲殻を切り裂きあっという間に四体の魔物は倒された。


 前日の日に打ち合わせした際、マモルは時を止める魔法フリーズ以外の魔法を伝えた。ついでに魔力も消費しないことを伝えたら案の定驚かれた。特に女性二人には。

 そしてそれを考慮してエレンが考えたのが先ほどの動きだ。


 戦闘が終わり武器に付いた体液を払い武器を凝視をする二人にマモルが尋ねる。


「どうかしました?」


「いや、なんか剣の切れ味がいつもよりも上がったと思ってな」


「お主もか? 我も同じだ」


 何故と三人の頭上にはてなマークが浮かぶ。その時ベラがフードからひょこっと頭を出す。


「どうかしました?」


「なんか二人の武器の切れ味が上がったらしくて」


「ああ、それはククリの能力ですよ。ブレードウルフにはもともと能力で仲間の武器の切れ味を上げる心眼って能力があるんですよ」


「へぇー。初めて知った」


 マモルの発言に呆れてエレンが言う。


「初めっててお前の従魔だろ? なんで知らないんだよ!」


「え、だって……」


「マモルさんが知らないのは私が教えていなかっただけです。言おうと思っていたのですが忘れていました。ごめんなさい」


 ベラは頭を下げる。


「俺がククリの事なんも聞かなかったのが悪いんだからベラは謝らないで」


「マモルさん……」


「ベラ、これが終わったら色んなこと教えてね」


「はいです!」


 元気よくベラは答えた。



 再び歩き出したマモルたちは数回敵と戦闘し、予定よりも早めにボス部屋の近くにある敵が湧かない休憩場に辿り着く。


「いよいよだが、覚悟は出来ているな?」


 エレンがメンバーの顔を見渡す。そしてマモルたちは頷く。


「よし、行くぞ!」


「「おう!」」


 エレンがボス部屋の扉を開けるとニコッと笑っている様な不気味な顔をしたイビルトレントが待ち構えていた。




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