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冤罪で修道女にされた令嬢は復讐します!  作者: satomi


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5/10

5話 証拠を探せ


 自白ってあんまり有力な証拠じゃないのよね。もっとこう、言い逃れが出来ない物証が欲しいわ。

「ルイ。この場合、どんなものが物証になるかしら?」

「そうだな。裁判記録、これは残っているはずだ。それに訴状。残ってるだろ?」

「お父様が捨ててなければ…」

 かなり、怖い。ローランドの落書きに使われてたりするかもなぁ。

「あの男たちに紙で指示していればいいだろうけど、使いの者に口頭で指示してるだろうな」

「紙は証拠が残りますからね。その使いの者を見つけ出すってのは?」

「アールルード伯爵家の信用のおける人間だろうから、接触するのが難しいだろうな」

 私の持っている手札だけで冤罪を暴くのは難しいのかな?

「あとは……メアリー=アールルード伯爵令嬢の為人かな?人望があるとか?」

「人望がある人は、冤罪を作り出しませんよ!」

「悪い悪い!例えだ」

 ルイは顔の前で両手を合わせる仕草をする。

「とは言っても、私はこの髪の長さでメアリー嬢のターゲットなわけだから、それを調べるのは私にはできないかなぁ?」

「俺の知り合いの筋で調べるよ。どんな人間なんだかねぇ?」



**********


「皆様今日は、私の開いたお茶会に参加いただきありがとうございます」

「メアリー様は犯罪に遭ったばかりなのに、健気よね」

「それに比べて、エリス様は修道院から還俗してきたという話ですけれど、犯罪を犯したというのに厚かましいですわ!」

 うふふっ、世間のウワサというのは全く操作しやすいというものですわ。


「あのことを思うとまだ恐ろしいんですが、皆様とお茶を楽しむと心が落ち着きますわ」

「流石はメアリー様ね。ところで、どのような場所に監禁されていたのですか?私は恥ずかしながら最近小説を書くようになりまして、参考にできたら…なんて思いまして。厚かましいですよね、こんな願い」

「殴られて記憶がちょっと曖昧になりまして……朧気なんですの」

「まぁ、大変!そんな風になるのですね。ゴメンなさい。純粋にお茶を楽しみましょう!」

「そうよね。こんな()()のように心の広いメアリー様がそんな目に遭うなんておかしいわ‼」





「というように、社交界ではメアリー嬢こそ善。エリス嬢は悪。というように情報が操作されています」

「よくやった。そのお茶会にいた令嬢全てが証人となる。「殴られて意識が朦朧」という話があったな。という事は伯爵家が医師に診断をしているはずだ。ないと不審だ。‘医師の診断書’の有無。その中身が証拠となる。物証となるだろう」




「エリス様。有力な証拠としてとあるお茶会にてメアリー嬢が監禁場所を尋ねられ、「殴られたため、意識が朦朧としていてあまり覚えていない」と言ったそうです。これは、伯爵家ならば医師の診断書があって然るべきこと。診断書がなければメアリー嬢が嘘の発言をしたことと同義となります」

「すごいわね。どうやって、そのお茶会の話を?」

「知り合いの筋を使って」

 怪しい…。

「便利屋としては、いろんな知り合いがいるんだよ」

 便利屋恐るべし。


エリスちゃんが言うように、便利屋怖い…。

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― 新着の感想 ―
今の状況だと、冤罪の証拠集めは、中々難義している感じかな?色々と考えているとルイが知り合いの筋で調べて貰う事に。持ち帰った情報は、メアリー嬢がお茶会で「殴られて意識が朦朧」と発言した事。事実なら伯爵家…
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