3話 メアリー=アールルード伯爵令嬢の企み
私はエリス=ダイナゴク伯爵令嬢が気に入らなかった。
もはや、その存在が気に入らない。
社交界には顔を出さないみたいだけど、出てたら評判になるほど美しいプロポーションをしていて、一目で見惚れてしまった。不覚。
ハニーブロンドに金色の目で、あれではまるで伝説にあるような聖女様を体現しているようじゃない!この私こそが聖女に相応しいのよ!
私はストロベリーブロンドで紫色の瞳。蠱惑的じゃない?
私はお父様にお願いをしてあの忌まわしい伯爵令嬢が堕ちていくよう画策するようにした。
あの女に男を数人差し向けるというのも考えたが、この場合、私達の方が足がつきやすいということでこの件は却下された。
あの女の顔が苦痛で歪むのは見物だと思ったのに。残念。
次に、あの女を冤罪で貶めるという方法はどうだろう?ということになった。この場合の被害者を私にする。その事で、被害者と加害者の関係が出来上がる。
あの女が修道院に行く程度の冤罪を作り上げる。当初、国宝の盗難とか考えたがその場合修道院どころか一族郎党斬首となるだろうから、却下された。
結果、私の『誘拐拉致監禁及び暴行指示』という犯罪となった。ピンポイントで犯人が特定できるうえに修道院確実。修道院ではあの女の忌々しい髪の毛も切られることでしょう?
こうして冤罪は作り上げた。ただ、あの女の行動パターンが一定じゃなかったから、日時が確定できなかったのよね。確定しちゃうと逆にあの女がアリバイを持ちかねないからやめた。
結局戻ってきたみたいだけど、修道院での暮らしはどうだったかしら?あの女が苦しんでいるのを想像すると面白いわね。御自慢の髪も肩までの長さになっているようだし(使用人調べ)。そんな長さでは碌に社交界では生活できないわよ。ご愁傷様~♪
こういう女いるいる~!実行しないけど、結構陰湿な感じの人!




