2章 1話
同作をカクヨムにも載せました。
その際に加筆した2章をこちらにも載せようと思います。
目を覚ますといつもと変わらない自室の天井があった。
学校に行く為にベッドからのっそりと起き上がり登校の準備に取り掛かる。
そこで余りにも大きな違和感に気付く。
「暑い…?」
そう、暑いのだ。
今は2月。
冬真っ只中の筈だ。
俺達3年は卒業を目前にしており、俺と茜は一緒の大学に進学する為に猛勉強し、辛く厳しくも実りのある充実した高校生活を送って来たんだ。
寒さに震えながらベッドに寝転んで根深にモーフを被った筈なのに今は暑くて汗だく…薄手のシャツと短パンという軽装だ。
おかしい…絶対におかしいのだ。
そこである違和感に気付く。
昨日茜に作って貰った弁当の容器。
今日、茜に美味しかったと容器を返そうと思っていた筈の物が無いのだ。
昨日、容器を洗ってしっかりと袋に片付けた筈の物が無いのだ。
忘れない様に勉強机に置いておいた筈なのに。
そんな馬鹿なとカバンの中や机の下等虱潰しに探すが見つからない。
キッチンに置きっぱなしなのかと部屋を出ようとした所でカレンダーに意識が行く。
「……はあ…?」
信じたくなかった…だってあり得ないじゃないか…そんな事があり得る訳がないじゃないか!
カレンダーは丁度6月を示している。
8ヶ月前にタイムスリップしたとでもいうのか?
いやいや、馬鹿馬鹿しい。
そんな事があり得るものか!
ポツポツと額から汗が滴り落ちる。
現実問題として暑い。
何故だ…どうして暑いんだ…。
今は2月だろ?
真冬だろ?
窓を開ければ照り付ける太陽と蝉の鳴き声。
あり得ないレベルの寒暖差に頭が痛くなる。
急いで部屋を出て台所に向かう。
しかし目当ての物はやはり無い。
頭の片隅で考えたくない想像が過る。
考えたくない。
あり得ない!
そんな訳無い。
「どうしたの?朝からバタバタと」
「か…母さん…」
母親が話しかけてくる、別に普通の事だ。
特別な事なんて無い、なのに酷く違和感を感じる。
母親は寒がりだ。
冬場にこんな薄着な訳が無い。
「はぁ~それにしてと暑いわねぇ〜これからもっと暑くなると思うと嫌になるわねぇ〜」
「は…あはは…何言ってんだよ…今は2月だろ?」
「はあ?何言ってるのアンタ…?今は6月でしょ?暑いからって寝坊けてないで顔でも洗って来なさい」
「……。」
洗面台で顔を洗い、自分の顔を見る。
髪が短く切り揃えられている。
いかにも暑いから短く切りましたと言わんばかりの風貌だ。
「そんな…馬鹿な…」
漫画やアニメにありがちなセリフが自然と口から出て来る。
ここ最近は髪なんて切ってない、こんなに短いなんてあり得ない…。
あり得ない事ばかりだ…。
確信に変わる。
今は6月…夏…。
俺はタイムスリップでもしてしまったっていうのか?




