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モブを自称するモテモテハーレム主人公君の友達役になった俺は彼を観察するのが趣味の1つです。  作者: ムラタカ


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31話 友達ごっこ

俺は自分をモブと定義付けている。

が、別に俺はモブなんかになりたい訳では無い。

とはいえ、主人公みたいな花のある人間になりたい訳でもない。


何かの代表になるとはそれだけ責任や重圧と向き合わなければならない。

俺はそんな面倒くさい人生は嫌だ。



主人公とは物語の中心的存在だ。

主人公の視点で物語というのは動いている。

故に俺の嫌いな面倒事というのは主に主人公たる人間に集約されると俺は思っている。

そんな面倒な存在にはなりたくない。


そんな面倒事ばかりの主人公に深みを与え、意味を与える役目の一つにモブが存在している。


モブの役目とはひとえに主人公を目立たせる事だ。

俺の見立てではこの世界が何かしらの物語ならば主人公はまさしく宮藤雅人だろう。


図らずもこの学校には5大女神なんて非現実めいた美少女が5人もいる。

この美少女達をハーレムメンバーとした宮藤の物語がこの学校で繰り広げられているんだ。


しかし、今の宮藤はどうだ?

1人寂しく机に突っ伏している。

あれでは主人公なんてとても言えない。

それこそモブだ。


奴には主人公に返り咲いてもらはないと困る。 


今の奴を見て物語がどの様な展開を迎えていると思うかは人の解釈に寄るだろう。


バッドエンドを迎え、どのヒロインとも結ばれない灰色のルートを選び、終幕を経た後があの様なのか…、あるいはこれは一種の逆転イベントの前段階で、主人公は挫折を経験し一段と強くなって復活するための前フリの期間とも捉える事が出来る。


俺は奴に主人公の座を退いて欲しい訳では無い。

ならば今の状況が正真正銘のバッドエンドの後。

灰色の終幕だとしても逆転イベントに切り替えないといけない。



しかし…



「どうすればいいか…」


「おや?また良からぬ事を愚考しているようだね?」


「愚考とか言ってめっちゃ笑顔っすね、蔵王先輩。」


「そりゃあね、君は私を飽きさせない罪な男の子だからね、思考に耽るその姿にはいつもドキドキさせられてるよ」


「5大女神に数えられるレベルの美女にいわれてるのに全く嬉しくない…。」


「罪づくりだね、君は、今の私が好意を寄せているのは間違いなく君だよ?」


「あんたが俺個人に向けてラブコールを囁いてくれてるならウェルカムだが違うって馬鹿でもわかるよ。」


「私は純粋に君を評価してるよ?なんなら君のために処女を散らしても良いとすら思うよ。それだけ君を好意的に見ているさ」


「え?マッ?先輩で童貞卒業出来るなら願ってもないっすよ?」


「こうも犬みたいに純粋な感情を向けられると冗談だと言えなくなるね、いやはや冗談だよ。」


「言ってるじゃないすか、ソッコーで冗談って!言ってるじゃないっすか!」


「あははは!君はホントに面白いねぇ、ただ私が君を好意的に見てるのは本当だよ?私をこんなにも楽しい気持ちにさせてくれたのは君だけだよ」


「買い被りっすよ、」


「ふふ、それで?さっきは何を考えてたんだい?」


「アイツを主人公に戻す方法っすよ」


「ほう?アイツとは宮藤君の事だろう?意外だね、君は彼を嫌ってると思ってたんだけどね…?」


「嫌いですよ…だからアイツには主人公に戻って貰わないと困るんすよ」


「何故だい?宮藤君をハーレム主人公の座から引き摺り下ろす、それが君の目的だったはずだ…なのに今度はまたハーレム主人公に戻そうだなんて君の行動は矛盾だらけだ。」


「本気で言ってます?アレは俺の力じゃない、ただの偶然っすよ、アイツはアイツ自身でハーレム主人公のルートから外れる選択肢を選んだ、つまり今のアイツのザマはアイツの自業自得って訳ですよ」


「成る程?つまり君は君自身の力で彼に鉄槌を下したいと…そう言う事なのかな?」


「まぁ早い話がそう言う事っすかね?」


「ほう、では聞くがまた彼が自滅したらその時はどうするんだい?」


「勿論最初からやり直しますよ、振り出しからね」


「くくく、そんな手間な事を復讐の為だけに何度も繰り返すのかい?」


「先輩〜、俺、そこそこ当時は傷ついたんすよ?あの辛さをアイツに俺の手で味わわせてやるまで辞めれるわけないじやないすか〜」


「くく、くはは…君は本当に面白い…愉快だよ…本当に…」


「つっても、どーしたらアイツにまたハーレム主人公になってもらえるかわかんねんすよねぇ〜」


「そんなの簡単だよ…彼のメンタルを立て直せば良い」


「それが難しいんすよね、アイツ、今は死んだ魚の目みたいな?希望もなんもありませんつー顔してますし、」


「大丈夫、君が彼の友達をやってる限りいつか彼はまた元気を取り戻すよ」


「ヤロー相手にマジでメンタルなんて回復するんすか?」


「するさ、彼が真に欲してるのは恋人ではなく…、男友達だからね…」


「ホモかな?」


「あはは…彼は昔からハーレム体質みたいでね、昔からそれで悩んでいたみたいだよ?そのせいで男の友達に恵まれなかったみたいでね、ゲームやスポーツや猥談や…男の子が主として取り扱うジャンルに男の友達と語り明かしたい…そんな(ささ)やかな夢を持ってるみたいだね、私達女では彼のそんな夢には応えられないからね。」


「贅沢な悩みっすね、くそくらえっすよ」


「はは、そういってやるな、あれで深刻なんだよ、彼にとってはね。」



女にモテれば当然同性()からの反感をかう。

当然だ。

モテたい、女と付き合いたいって考えの男なんてごまんといる。

これは学生、社会人とか関係ないだろう。

女にチヤホヤされたりベタベタされるのは殆どの男が望む所だ。

しかし現実は無情だ。

女ってのはプライドが高い。

男を様々なステータスで見てきやがる。

顔、容姿、身長、技術、頭の良さ…

大人になればここに家柄や金、清潔感と職場での地位…もっと言えば仕事自体の内容も込みで見てくる。


イケメンに限るなんて言葉があるがあれは即ちこれらステータスが潤ってる奴に限るって意味だ。


俺みたいに顔も普通、頭の出来も運動神経も軒並み普通な凡人は努力しないと女にモテたりしないのが普通だ。


そして悲しいかな大概の男がそんなもんだ。

なかには彼女持ちや女にモテるイケメンもいるがそういう奴はしっかりと努力してるわけだ。


足立も九条さんと付き合ってるがあれは足立の努力の結果だ。

俺は足立を応援してるぜ。

なんたって宮藤のハーレムメンバーの九条さんを奪って恋人にしたんだ。

応援しない訳がない。



まぁ…俺が仕向けた所も多少………



…兎に角…


なんの努力もしてないのに…女からチヤホヤされてる奴と仲良くしたいなんて思う男なんている訳がない。

いるとすればそれは女に興味のない変態くらいのものさ。


それにアイツ自身に人としての魅力もない。


そんな奴と俺は友達ごっこに興じるしかないみたいだ。


まったく…やれやれだぜ。

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― 新着の感想 ―
[一言] それにアイツ自身に人としての魅力もない。これが全てだと思う。
[一言] 確かに「モテ男に嫉妬する」のは世の男性の共通項な気はする。 だけど、同時に【同性の趣味の合う友人】と【恋人】の どちらに天秤が傾くかというのも納得できる。 墓の下までともにありたい意中の…
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