16話 宮藤の独白
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最近茜が僕に対して素っ気無い。
前まではお弁当を作ってくれたり朝迎えにも来てくれたのに、最近は僕のことなんてまるで忘れてしまったかの様に素っ気無くなっている…。
避けられてる…?
そんな馬鹿な…
僕は何も悪い事なんてしていない。
茜を怒らせる様な事はしていない。
なのに茜は最近僕に素っ気無い。
いつもは皆の輪の中に茜もいた。
とても頭がよく皆の憧れの副会長、蔵王先輩。
聖女なんて言われてるけど実際その通りで清楚で巨乳で優しい足立桜花先輩。
中学から家族になった義理の妹の花楓。
そして最近僕なんかにも優しくしてくれる博識な冬真さん。
冬真さん以外の皆と茜は仲が良かった。
それに茜の人間性なら冬真さんとも問題無く仲良く出来るはずだ。
だから人間関係に疲れたとかじゃ無いハズ…
じゃボクのせい?
あはは…あり得ない…僕は何も悪くないし、僕のせいじゃない…まぁ…大丈夫だろう…明日になったらまたいつもみたいに話しかけてくるさ…。
おかしい。
茜が来ない。
茜が話しかけて来ない。
茜がお弁当を持って来てくれない…。
花楓に朝、起こしてもらって花楓と2人だけで登校して、途中で蔵王先輩や桜花先輩も混じって皆で登校して、授業が始まるギリギリまで皆と楽しく雑談して…その中には茜もいて…。
その筈なのに茜は他の女友達と会話して笑っている。
僕が茜が最近変だと周りの皆に言っても別に普通だと思うけど?と、返されて、そうかな?そうかも…?とその時は思ってもやっぱり後になったら変だと思ってしまう…。
でもだからといってどうしたらいい?
直接茜に最近どうして弁当作ってくれないんだ?とかどうして迎えに来てくれないんだ?とか聞くのか?
そんなの聞ける訳無いでしょ?
まるで僕が茜に早く弁当寄越せと催促してるみたいじゃないか…そんな事をしたら僕は茜に嫌われてしまう…。
もしかして…嫉妬してるのか…?
ここ最近の僕はずっと詩羽ちゃんに夢中だった。
それが気に食わなかったのか?
だって仕方ないじゃないか?
詩羽の可愛さは本物なんだ。
詩羽の愛らしさの前ではなんだって霞んでしまう。
歌もトークも声もlive2Dモデルも可愛くてエロくて全てが最強なんだ。
それに茜も詩羽の事を可愛いねって認めてくれてた。
茜も詩羽の事が大好きなんだ。
それなのに嫉妬とかオカシイじゃないか?
流石にこれはあり得ない。
詩羽に嫉妬とか無意味過ぎるんだ!
何故なら詩羽は最高に可愛いのだから!
なら結局茜が最近素っ気無いのは何故なのだろう…。
僕にはどれだけ考えてもわからない…。
そんな考えても考えてもわからない悩み事を抱えたまま時間だけが過ぎていった。
そんな時だ。
「よお!宮藤あと1時間で帰れるな!毎日長くてヤになってくるな」
「あっ!足立君…そうだね!でも後1時間だし、我慢してれば直ぐだね、授業中は詩羽の今日の配信の事で頭がいっぱいだよ!詩羽は…」
足立君…あの聖女、足立桜花先輩の弟で僕と唯一仲の良い男の友達だ。
僕は女の子の友達は沢山いるけど男の友達は少ない。
彼はその見た目とは裏腹に僕と同じオタク気質の人間だから話しやすい。
他の男の人はみんな怖い。
僕の事を睨んで来るし、言葉使いも粗野で乱暴だ。
全く僕が何をしたっていうんだ…。
「そういや宮藤はモテモテだな!先輩に後輩に選り取り見取りじゃないか?誰が本命なん?な?やっぱり俺の姉ちゃんか?」
「へ?え?…どうしたのいったい…」
「どうしたのじゃね〜だろ?毎日学園の女神に取り囲まれてお前だって気付いてるだろ?このハーレム主人公がよ!憎いね!このこの!」
何を言うのかと思えば…
それは足立君の勘違いだ。
みんな優しいし、親切心で僕に話しかけてくれているだけ…。
でないと僕みたいな何の特徴もない平凡なモブ男子に毎日話しかけてくれるわけないのに…。
「あ……あはは…や…やめてよ…みんなそんなんじゃないよ…みんな良い人たちだから僕みたいなモブにも優しくしてくれてるんだよ…」
「良い人ってだけで人は誰かにあそこまで執着しないぞ?副会長なんて毎日昼休みに来るし、お前の義妹だって毎日弁当作ってくれてるじゃん?」
「それは妹だからだよ…花楓は優しいからね…僕のもついでに作ってくれてるんだ…蔵王先輩も僕がだらしないから気を使ってくれてるんだよ…はは、皆には迷惑かけてばかりだ…」
「…………。」
「足立君?」
「え?ああ…ごめんごめん、でも普通そんな理由で構ったりしないと思うぞ?やっぱりフラグが立ってんだって?な?勝ち目のある勝負なんだって!で?お前は誰が本命なん?」
「あはは…もうだからそんなんじゃないってもお!あはは!」
何故だろう…?
何故今日に限ってそんな事を彼は言うのだろう…。
何故彼は僕がモテるなんてそんなあり得ない事を言うんだろう…
だって僕にだよ?
頭だって平均で運動だって並程度で、女の子が好きそうな流行り廃りもわからない。
そんな僕かモテるわけないのに?
なのに何故そんな事を言うんだ…?
何故そんな怖い顔をしているんだ?
止めてくれよ…他の男子と同じ目で見ないでよ!
僕達は友達だろ?
「で?九条は?同い年の美少女幼馴染とかギャルゲのヒロインによくあるあるじゃん!お前的には九条が本命なん?」
「あはは!だからありえないって…茜は幼馴染だし、向こうも僕の事なんて弟みたいにしか思ってないよ〜あははは〜」
そうだよ…
茜みたいな可愛い子が僕みたいな奴に気があるとかあり得ない…。
こんな僕に彼女が構ってくれてたのも幼馴染としての誼みで…他に理由なんて無いのに…。
こんな話をして彼は何がしたいんた…?
全く意味がわからない。
「何なに?やっぱ幼馴染は負けヒロインなん?
そんな事言ってるけど九条さんに彼氏とか出来たらどうすんだ?美人だしあり得ないって事は無いんじゃね?」
「え?う〜っまぁ…良いんじゃない?そこは茜の自由なんだし…そりゃ…すこしは寂しいけど…僕に束縛する権利なんてないんだしね…」
「おお、つまり取られても大丈夫と…流石エロ漫画マスターだな!NTR耐性バカ高いじゃん!」
「いやいや、全然高くないよ!もし推しの詩羽が裏で男性Vと個通とかしてたら僕病んじゃうよ」
「とか言って!推しのNTRモノでぬいてんだろ?このエロ魔人がよ!」
「もう!そんな事しないよ!推しは神聖な存在なんだからね!」
なんなんだよ!
さっきから…茜に彼氏?
そんなの…そんなの…考えた事も無い…、ホントに?
考えた事もないなんて嘘だ…。
もし、茜に彼氏が出来たらって想像は何度かした事はある…でもそんなのはタラレバの話で現実に茜が彼氏なんて作った事は無いんだぞ?
多分だけど茜はそう言う事に興味がないんだ。
友達と仲良く笑ってるのが茜なんだ。
茜はまだ子供っぽいところがあるしね…。
まったくお門違いも甚だしい…
足立君は茜の事を何も理解してないよね?
そんな事を考えてるより、推しの事を考える方がよっぽど合理的だ。
「そ…そんな事よりさ!今度アークスターの合同ライブがあってね…よか…」
キーンコーンカーンコーン
「じゃな、席に戻るわ」
「あ……うん。」
しかし予鈴の音がそれを阻害する。
結局足立君はそのまませかせかと自分の席に戻って行った。
まるで詩羽の事なんて興味無いと言わんばかりに…。
何なんだよ何なんだよ何なんだよ……。
腹立つな腹立つな腹立つなぁ!!
結局授業中は彼の言葉が喉に引っかかったみたいに気になって授業に集中出来ない。
茜が僕に気がある?
なのに…彼氏が出来ちゃう?
はは…バカバカしい…。
結局そのまま放課後になり、僕は帰り支度をする。
今日は変わったことがあった。
いつも通り副会長の蔵王先輩に聖女の桜花先輩に義妹の花楓。
そして図書委員の冬真さんが僕のグループに入ってきた。
まるで茜と入れ替わるみたいに…
皆仲良く笑顔で話している。
女の子の話はまるでわからない。
流行りのドラマの話。
近くの映える食べ物屋の話
服や髪型の話
僕にはてんでわからない。
詩羽の配信の話をする雰囲気じゃない…
した所でこの人達では詩羽の素晴らしさは理解出来ない。
茜じゃないと…。
ふと茜の事が気になって教室を見渡す。
すると直ぐに茜は見つかった。
「え…?」
茜は足立君と一緒に教室を出ていった。
茜は頬を赤らめて…まるで恋する乙女みたいな顔をしていた…。
「え…?」
何故?
どうして…?
なんで…?
わからない…
わからない……。
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