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モブを自称するモテモテハーレム主人公君の友達役になった俺は彼を観察するのが趣味の1つです。  作者: ムラタカ


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10話 九条茜と冬真静留


「こんな所にいたのね…」




「「え?」」






九条さんが何かを言おうとしたがそれを最後まで聞く事は出来なかった。

そこに新たな声が差し込まれて邪魔されたからだ。


声の主は…


「冬真…さん?」



九条が訝しげに彼女の名前を呼ぶ




そこにいたのは元カノの冬真静留だった。

良い雰囲気の所に来やがって何なんだよコイツ!



「九条さん?どうして貴方が足立君と…?まさか貴方も…?」


「え?貴方も…?」


「勘違いすんな…何考えてんのか知らねーけど多分違うと思うぞ?」 


「何が違うのよ!九条さんも宮藤君ともっと親しくなるために足立君を利用しようと思ってるんでしょ!?宮藤君の幼馴染のクセに何が不満なのよ!!」


「え…?ちが…」


「違う…?だから何が!!」


「落ち着けよ…いきなり出てきて何なんだよお前、」


「何なんだって貴方…宮藤君との関係をアシストしてくれるって約束したでしょ?なのに……貴方…何もしてくれないじゃい…」


「何故してもらえるって思うんだよ…お前の恋愛だろ?お前自身が頑張れよ?そもそも…前に勧めたゲームはどうしたよ?」


「……ストーリーモードっていうの?それを始めたのだけど3ステージ目で詰まって…何度やっても先に進めなくなって…それからやってない…」


「3ステで詰まるって……まぁそれはいいや、それを宮藤に相談しろよ、それだけでもネタになる。」


「そんなみっともない事言える訳無いでしょ!」


「はぁ…ならもっと楽な方法があるよ」


「っ!なっ何!教えて!」


「お前ストリーマーとかに興味あるか?」


「ストリーマー…配信者って事?」


「そう、宮藤はとある配信者に今どハマリしていてな、その話題をふれば絶対に食いつく」


「なっ、なんていうの!?」


「Vチューバだよ…アークスターって事務所の星乃詩羽って子だ…」


「ぜ…全然わからない…」


「今は女神達はそれぞれの対応をしてるよ、お前もうかうかしてられないんじゃないか?」


「……」


「わからないとかやる気がないとかそんなんで宮藤と仲良くなりたいなんて図々しいぞ、もっとやる気出せよ」


「な…!偉そうに…そもそもどうして貴方達が一緒にいるの…?九条さんは宮藤君がいるのに…この男と会っていて良いの?これって浮気にならないの?」


「おっ…お前…」


「私と雅君はそう言うんじゃありません…ただの幼馴染なだけです…脅そうと思ってるなら勝手にしたら良いです」


「おっ…脅すって…別にそんな気は…」


「それに私はもう雅君を甘やかす…彼に構うのを今日限りで辞めようと思ってます。」


「え…?」


「………へ?」


「私自身もう疲れちゃったから…」


「貴方…宮藤君の事を好いてるんじゃなかったの?」


「昔は好きだった…でも今は……多分もう…」


「……えぇ?…そう…なの…?…」


「…足立君の言ってる事は本当だよ…雅君は詩羽って子の配信にお熱だよ…その子の配信を見るだけならそんなに苦労もしないし話を合わせて上げたら凄い喜ぶとおもうな…」


「貴方……本当に……」




意外な展開になっていく。

まさか宮藤ハーレムから脱落者が出るなんてな…、

てっきり宮藤に恋心をいだいてしまったら盲目的に宮藤を想い続ける様になるんだと思っていたけど…。

これも幼馴染ゆえの距離の近さが招いた弊害なのか?



「それにして…まさか冬真さんも雅君の事を思っていたなんてね…あの噂は本当だったんだね…」


「噂…?」


「いつかは忘れたけど冬真さんが食堂で男子生徒に雅君の良さについて一方的に語ってたなんて話を聞いたんだ、まあ、それ程ビックリはしなかったよ?またか〜って感じかな…」


「そ…それは……」



どうやらあの日の出来事は噂として学校中にしっかりと広がってるらしい、そうとは知らずにいた冬真は可愛らしく頬を赤らめている。



「まぁ…気にしないでよ…私は貴方の邪魔なんてしないしそんな気持ちはもうないよ…ただ忠告は聞いてほしいかな」


「忠告?」


「雅君は人の気持ちがわからない…平気で人の気持ちを裏切るの…無自覚でね。貴方の噂も雅君は知ってるけど信じてはいない。まさか貴方から好意を寄せられてるなんて1ミリも思ってないんだよ…彼は自己評価が何故か異様に低いから…」


「………」


「貴方だけじゃない…。

私はこれまで雅君に好意を抱いて散っていった子達を沢山見てきたの…もし雅君に思いを告げるなら慎重にした方が良いよ?でないと後悔する。」


「あ…貴方……まさか…」


「良かったじゃん…俺なんかよりよっぽどまともなアドバイスだぞ?」




冬真はがっくりと項垂れ、そのままその場に膝をついてしまう。

いや…立ち去れよ…。

俺は九条の弁当を食べたいんだよ…



「九条さんは…本当に宮藤君にもう未練はないの…?」


「恋心はもう無いよ…あるのは幼馴染としての情だけかな?」


「なら…なら私の相談役になってよ…!」


「お…お前…」



なんて図々しい…



「え…嫌だよ…」


「お…お願い…お願いします!!私に出来る事なら…何でも…何でもしますから!」


「えぇ…」



九条さんはドン引きしている。

学校の五大女神の1人で図書室の天使なんて呼ばれてる女が土下座して必死の形相でなんでもするからと懇願しているのだからそりゃ…引くのも仕方ない。



「どうしよう?足立君…?」


「お…俺に聞かれても…」


「なら…交換条件と言うのはどう…?」


「え…?」


「交換…?」



そんな提案を持ちかけた冬真はゆっくりと九条さんに歩み寄り、彼女の耳元に口を近づけると俺には聞こえない程の小さな声で何事かを話す。

それに対して九条さんは驚いた顔をした後頬を赤らめているがそんな九条さんに畳み掛ける勢いで冬真は尚も何事かを話しかけている。

今度は怒った顔をする九条さん。



いったい2人の間でどんなやり取りをしているのやら。

しばらく2人のやり取りを遠巻きに傍観していると話がまとまったのか、2人して俺の方に顔を向け九条さんはこんな事を行って来た。



「本意じゃないけど…私冬真さんの応援をする事にしたよ」


「ま…マジかよ…」


「そういう事よ、これで貴方との関係も本当にこれっきりよ?良かったわね…」


「俺としてはお前みたいなクソ女に纏わりつかれなくなるってだけで歓びのあまりにバンザイしたくなるよ…でも九条さんはいいのか?嫌がってたのに?」


「私の事は気にしないで?大丈夫だから」


「まぁ…なら良いんだけど」


「それじゃ私はもう行くわ…お二人の邪魔はしたくないからね」


そう言ってあの女は去っていった。



「本当によかったのか?あんなのに纏わりつかれたら相当面倒くさいぞ?」


「約束したからね…それに私としては彼女が雅君と付き合ってくれた方がいいから…」



こんな言葉が出てくるなんて…

彼女は本当に宮藤にもう未練が無いんだな…

2人がどんな会話をしたのかは気になる。

しかし宮藤に未練が無いのだという事実が意外で、それ以外は然して気にならなかった。 



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― 新着の感想 ―
[一言] 一気読みしてたら、いきなり面白くなってきやがった~w
[良い点] 早い段階で九条が宮藤の本質を告げたこと。 足立が馬鹿じゃなければ、現状のままだとハーレムがどういう結末迎えるのか想像つくはず。 それに気づいてどうするか、行動する動機が出来そう。 [一言]…
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