第36話 超究極之王を召喚して魔王を瞬殺する
「スタンバイフェイズ。カード解放」
俺が声を上げると輝く長方形の水晶ホルダーがずらりと横並びで展開される。
ホルダーの1個に手をかざすと、1枚のカードがキラキラと輝きを放ちながら宙に浮かび上がった。
「アイテムカード発動――【KGヘルメス・トリス・メギストス】」
続けて光のウィンドウが立ち上がる。
『【KGヘルメス・トリス・メギストス】の効果発動により、Xカードの使用が可能となります。』
(よし。次)
俺はスラまるに声をかけた。
「準備はいい?」
「すら~!」
意図をくみ取ってくれたスラまるが大きな口を開けて俺を飲み込む。
「パッシブスキル《超融合》」
シュルピーーン!!
その刹那。
俺はスラまると融合を果たすことに成功した。
『神獣との融合を確認しました。【LKG冠を戴く神威の権能】のカード効果により、パッシブスキル《ペンデュラム召喚術》が新たに解放されます。』
(《ペンデュラム召喚術》?)
一瞬疑問に思うもすぐに《神眼》でその効果を確認する。
(なるほど。こいつは使えそうだ)
「フフフ! 召喚獣と融合したーのですかァ! しかーし! 今さら何をしたとーころで無駄、無駄、無駄、無駄でーーす!!」
「無駄かどうかは試してみないと分からないさ」
「下らない! 下らない! すべてが下らなーいのでーす! このまま無様に死んでーくださーい!! 72の魔神よ! 『宿命の器』を喰らい尽くすーのです!!」
ヒトシュラが手を挙げると近くの魔神たちが俺目がけて攻撃を仕掛けてきた。
俺はそれを《神眼》を使って軽々と避ける。
(すごいな。これが超融合の力か)
スラまるのパッシブスキルを継承してるためか、俺は高速での移動が可能となっていた。
「ぐぐぬぬぅ~~!! ちょこまかとこざかーしいのでーすッ!!」
思うように攻撃が当たらずヒトシュラは明らかにイライラしている。
(この辺りでいいかな)
魔神たちからある程度距離を取ると、そこで水晶ホルダーを展開させて1枚のカードを使用する。
「アイテムカード発動――【Uベアトリーチェの繋ぎ手】」
◇◇
【Uベアトリーチェの繋ぎ手】
[レア度] ★★(2)
[カテゴリ]アイテムカード
[タイプ]インスタント
[効果]遠くに存在する複数の物体をある地点まで動かすことができる。
◇◇
そんなカードの効果により、俺は地下室に飾られた禁止カードをすべてデッキケースの中に入れてしまう。
「続けて魔法カード発動――【SR混沌なる言語】」
その後すぐ。
デッキケースの中にあるカードと即座に契約を結んだ。
「72のしもべたーちよ! 目の前の男を塵一つ残さーず喰らい尽くすーのですッッーーーー!!」
グゥルゴゴゴゴゴォォォーーーーン!!!
ヒトシュラの怒号により今度はすべての魔神が俺に向けて進撃を開始する。
が。
(今さら攻撃を仕掛けてきたところでもう遅い)
「〝集いし神星が真の力を呼び起こす! 無限の王たちよ、光さす道となれ! 禁止カード発動!〟」
そう唱えた瞬間、俺の全身から眩い蒼光が無数に放たれた。
「なにぃぃ!?」
一瞬たじろぐヒトシュラ。
その中で俺は次々と禁止カードを召喚していく。
「蒼穹之王発動――。旋律之王発動――。閃光之王発動――。修羅之王発動――。滅之王発動――。疾雷之王発動――。獅子之王発動――。降臨之王発動――。永劫之王発動――。閻之王発動――。稲妻之王発動――。叡智之王発動――。矜持之王発動――。暁闇之王発動――。鬼門之王発動――。火天之王発動――。革命之王発動――。暗黒之王発動――。太陽之王発動――。威風之王発動――。月蝕之王発動――。黒鶫之王発動――。紅蓮之王発動――。虚無之王発動――。駆逐之王発動――。狂想之王発動――。災禍之王発動――。混沌之王発動――。虎狼之王発動――。剛力之王発動――。光芒之王発動――。豪傑之王発動――。業火之王発動――。幻想之王発動――。白襲之王発動――。常勝之王発動――。猩々之王発動――。残夢之王発動――。斬撃之王発動――。殺戮之王発動――。刹那之王発動――。絶世之王発動――。隻眼之王発動――。聖域之王発動――。迅雷之王発動――。浸蝕之王発動――。深淵之王発動――。黄昏之王発動――。葬送之王発動――。創世之王発動――。呪之王発動――。英傑之王発動――。堕天之王発動――。超越之王発動――。剣之王発動――。闘魂之王発動――。毒蛾之王発動――。独尊之王発動――。常闇之王発動――。風焔之王発動――。凱旋之王発動――。叛逆之王発動――。疾風之王発動――。白刃之王発動――。覇之王発動――。熱烈之王発動――。咆哮之王発動――。霧氷之王発動――。追憶之王発動――。無明之王発動――。鳳翔之王発動――。岩窟之王――発動」
ドドドドドゴゴゴゴゴゴォォォォーーーーーン!!!
まず先に召喚したのは72枚の禁止カードだった。
「余が主の名のもとォ!! その男を消し飛ばしなさァァーーいッ!!」
血相を変えたヒトシュラが必死に叫ぶも時すでに遅し。
俺の召喚獣たちがそれぞれ72の魔神に襲いかかる。
「なにぃぃぃぃぃぃいいいいい!!?」
圧倒的な制圧力をもってして72体の召喚獣は魔神たちをすべて闇に葬ってしまう。
続けて俺は【SSRヘルガイの果実】のカードを使って一気にレベルを999まで上げてしまうと、残りの禁止カード5枚を発動させた。
「天帝之王発動――! 無双之王発動――! 冥界之王発動――! 破壊之王発動――! 終焉之王発動――!」
そして、それらの召喚獣を1枚のカードへと融合させる。
「パッシブスキル《ペンデュラム召喚術》! 【UGX超究極之王】!!」
ブギュルギュルギュルギュルルギィィィィーーーーーンッッ!!!
その刹那。
最強の召喚獣である超究極之王が地上に爆誕した。
◇◇
【UGX超究極之王】
[レア度] ★★★★★★★★★★★★★★★(15)
[カテゴリ]召喚カード
[タイプ]インスタント
[効果]万物の頂点に君臨する最強無双の召喚獣。あらゆる次元から切り離され、時間を超越した無明の存在でありその力は神をも凌駕するという。召喚時間5分。
◇◇
「ひいぃぃぃぃぃいいいいいいいいいいいい!!!?」
ヒトシュラは体をぶるぶると震わせ、慌ててこの場から逃げようとするも。
(させるか!)
《神眼》を使って俺はその進路を予測した。
そこに超究極之王の攻撃をぶつける。
「ヒトシュラ! これでお前の野望も終わりだ!」
ドドドドドドォォォォオオオゴーーーーーン!!!
「うぎゃあああああああああああああああああッッ~~~~!!??」
超究極之王が繰り出す最強無双の一撃により、魔王は跡形もなく消え去るのだった。




