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第26話 エリクサーで妖精族の少女を救う

「なんかあっさり三竜を倒せちゃったな」

「すら~」


 フロアに広がる激戦の跡を見渡しながら俺は回想する。


 実はこのフロアに足を踏み入れる直前。

 氷剣竜ミラジェネシスがどのような行動に出るか、俺は《神眼》を使って少し先の未来を視ていたのだ。


 スラまるにも【U譲渡試合】のカードを使って事前に俺の『凍結無効』を渡していた。


◇◇

 【U譲渡試合】

 [レア度] ★★(2)

 [カテゴリ]アイテムカード

 [タイプ]インスタント

 [効果]対象相手に自身の『アビリティ』を一つ譲渡する。

◇◇


「ぜんぶスラまるのおかげだ。ほんとありがとな」

「すらぁ!」


 頭を撫でてやるとスラまるは嬉しそうに飛び跳ねた。


 とここで。

 光のウィンドウが立ち上がる。


 『氷剣竜ミラジェネシス1体の討伐に成功し、EXP113459012386708を獲得しました。アルディン=ギルバートのレベルが100から523に上がりました。』


「おぉ……。めちゃくちゃ一気に上がったぞ」


 そんな風に驚いているとべつのウィンドウに切り替わった。


 『レベル500に達しました。【LKG冠を戴く神威の権能ティアラメンツ・エルシャダイ】のカード効果により〈魔符術士(カードマスター)〉のパッシブスキル《超融合》が解放されます。』


「《超融合》?」


 なんかまたパッシブスキルが解放されたんですけど……。


「ステータスオープン」と唱えてひとまず確認してみることに。


====================


【アルディン=ギルバート】

種族:人族 年齢:16歳

ランク:SS


Lv.523

攻撃力 58500(×999999999)

防御力 34000(×999999999)

魔法攻撃力 30000(×999999999)

魔法防御力 43000(×999999999)

敏捷性 33000(×999999999)

運 50000(×999999999)


[職業ジョブ]

上位複合職/魔符術士


[才能ギフト]

《神眼》


[パッシブスキル]

《無限収納》

《超融合》


[アビリティ]

攻撃力増加+999%(神)

防御力増加+999%(神)

魔法攻撃力増加+999%(神)

魔法防御力増加+999%(神)

敏捷性増加+999%(神)

運増加+999%(神)

炎属性無効

氷属性無効

雷属性無効

風属性無効

光属性無効

闇属性無効

毒無効

麻痺無効

石化無効

混乱無効

誘惑無効

病気無効

痛覚無効

被物理ダメージ無効

被魔法ダメージ無効

レベルダウン無効

レベル上限突破


[所持カード]

〈水晶ホルダー〉

119枚

(N68枚、U38枚、R8枚、SR5枚)


〈魔素ホルダー〉

0枚


〈デッキケース〉

1枚

(N0枚、U0枚、R0枚、SR0枚、HR0枚、UR0枚、SSR0枚、KG1枚、X0枚、魔素0枚)


====================


「SSランクなんてあったんだ」

 

 しかもデッキケースの項目に『KG』と『X』っていう名前が追加されてることにも気づく。


「KG? ……あっ!」


 そこで俺はハッとした。

 【KGヘルメス・トリス・メギストス】の存在を思い出したんだ。


(これまですっかり忘れてたけど。たしかにデッキケースの中に入れてあったんだ)


 でもこれまでデッキケースの項目に『KG』って名前は表示されてなかったはず。

 レベルが500を越えたことと何か意味があるのかな?


 なんとなくデッキケースの中から【KGヘルメス・トリス・メギストス】のカードを取り出してみると。


「え」


 ふとあることに気づく。

 どういうわけか、カードの詳細が視えるようになってたのだ。


◇◇

 【KGヘルメス・トリス・メギストス】

 [レア度] ★★★★★★★★★★★★★★(14)

 [カテゴリ]魔法カード

 [タイプ]インスタント

 [効果]このカードの発動者は『禁止カード』の使用が可能となる。

◇◇


 禁止カード?

 なんだ、禁止カードって。


 しかも『X』っていうのも初めて目にする種類だった。


「《神眼》――発動」


 ひょっとしたら今、ギフトを使って確認すれば何か分かることがあるかもしれない。

 そんなことを思って瞳を黄金色に変えてみる。


 すると。

 

 案の定、これまで存在を知らなかったランクやカードが視えることに気がつく。


====================


[カードの種類とランク]


Lv.0~Lv.10 Fランク

N ノーマル 

★(1)


Lv.10~Lv.30 Eランク

U アンコモン

★★★(2~3)


Lv.30~Lv.50 Dランク

R レア 

★★★★★(4~5)


Lv.50~Lv.70 Cランク

SR スーパーレア 

★★★★★★★(6~7)


Lv.70~Lv.80 Bランク

HR ハイパーレア

★★★★★★★★★(8~9)


Lv.80~Lv.90 Aランク

UR ウルトラレア 

★★★★★★★★★★★(10~11)


Lv.90~Lv.100 Sランク

SSR スペシャルスーパーレア 

★★★★★★★★★★★★★(12~13)


Lv.500 SSランク

KG キングレア

★★★★★★★★★★★★★★(14)

X エックスレア

★★★★★★★★★★★★★★(14)


Lv.999 SSSランク

LKG レジェンドキングレア

★★★★★★★★★★★★★★★(15)

UGX ウルトラジーエックスレア

★★★★★★★★★★★★★★★(15)


====================


 なるほど。 

 これでようやくこれまでの大きな謎が判明した。


「そっか。【LKG冠を戴く神威の権能】ってカードは最高レアリティだったのか」


 たぶんスラまるの時のように隠れキラカードみたいな感じでFランクの俺でもカードの効果を発動させることができたんだろう。


 Xカードに続き、UGXカードってのも初めて見る名前だった。


(いったいどんなカードなんだろう)


 と疑問に思っていると。


「すら、すら~!」


 スラまるが何かに気づいたようだ。

 

 騒いでいる方へ視線を向けると、氷剣竜ミラジェネシスが消え去ったフロアに光り輝く妖精族フェアリーの美少女が倒れてるのを確認する。


(妖精族? なんでこんなところに)


 そう思いながらもすぐに彼女のもとへと駆けつける。


「おい大丈夫か?」

「……」


 妖精族の女の子はぐったりとしたままだ。

 深く傷を負っていて意識がない。


 辛そうに汗を垂らしながら呻き声も上げていた。


 すぐに【R恵みの雨雫(ライフ・マテリア)】のカードを取り出して回復を試みる。


◇◇

 【R恵みの雨雫】

 [レア度] ★★★★★(5)

 [カテゴリ]アイテムカード

 [タイプ]インスタント

 [効果]複数の対象相手の体力を回復させる雨粒を降らせる。

◇◇


「ダメか」


 これだと効果がないみたいだ。


 その時、俺は王立学院で学んだことを思い出した。

 たしか回復系カードの大半は人族以外には使えないんだっけ? 


(いや……待てよ)


 俺はさっき解放された《超融合》っていうパッシブスキルの存在を思い出していた。

 

 この能力を使えばあるいは。

 ひょっとしたらなんとかなるかもしれない。




「すら、すらぁ~~!」


 ぐったりとした妖精族の女の子を見て心配そうに慌てるスラまる。

 その横で俺は冷静だった。


「スタンバイフェイズ。カード解放レリーズ


 輝く水晶のホルダーを目の前に展開させる。

 その中の2個に両手をかざすと2枚のカードが輝き始めた。


「アイテムカード発動インヴォーク――【SR誘惑に満ちた聖杯】。続けてアイテムカード発動――【HR世界樹の葉】」


 上位回復系の〈アイテムカード〉を続けて発動させる。


「パッシブスキル《超融合》」


 その瞬間。

 2枚のカードは1枚のカードに輝き変わった。


 よし、思ったとおりだ。


◇◇

 【UR完全超魔水(エリクサー)

 [レア度] ★★★★★★★★★★★(11)

 [カテゴリ]アイテムカード

 [タイプ]永続

 [効果]あらゆる種族に使用することが可能。対象相手の体力・精神力を全回復させ、一定時間悪い効果を無効化させる。

◇◇


 実は回復系のカードの中にもさまざまな種族に対応して使用可能なものが存在することを俺は《神眼》を使って確認していた。

 

 【UR完全超魔水】はまさにその代表だ。


 カードの効果を発動させると女の子の傷は即座に浄化されていく。

 あっという間に傷を癒すことに成功した。

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