エピローグ2『最強』
『さぁ! いよいよ結果発表と参りましょう!
第251回対抗テストを制したのは――』
全校生徒が整列する体育館。
どこからか聞こえる放送に、生徒は耳を澄まし……息を飲む。
さて……優勝はどこだ?
ステージの上でマイクを握る紅葉先輩の後ろには大きなモニターが設置してある
そして……数秒の沈黙の後、紅葉先輩はバッとモニターを指差し……
【一位・校長先生】67000pt
【二位・特殊科】 13400pt
【三位・獣人科】 9800pt
『―――校長先生です!!』
「「「……ちょっと待てぇぇぇぇええええ!!!」」」
……生徒の怒号が虚しく響き、俺の初めての対抗テストは幕を閉じた。
~
「……」
一着・所属なし 樫之宮 玲紀
使い魔・混沌の創造主
ゴールタイム・00分03秒
得点・500+500+1000+5000+10000+50000→67000
流星学園の屋上、一人空を仰ぐ紺色の魔女。校長は物思いに耽っていた
その帽子の下から覗く金色の瞳はどこか遠くを見つめている
「妖紀……」
誰に言うでもなく呟いたその声は、誰の耳にも届くことなく虚空に消えた
~
しばらくの間体育館はビリビリと揺れ、やがて生徒の波と共に静まった。
一年生はがっくりと肩を落とし寮へ戻っていき、二年生は平然と寮へ向かい
そして三年生は別の意味で消沈しながらも寮へ戻って行った
「はっはっは ひれ伏せ愚民ども」
「最強は譲らない……」
「……」
「先輩方……視線が痛いです」「ほっとけ」
「っていうか、アサギは」「ほっとけ」
「……私は早く部屋に帰りたいです」「帰れ」
何だかんだでテストは終わり、長い夏休みがやってくる。
賑やかな先輩方と、個性的な同級生。そして微笑ましい相棒が、俺の傍に居る。
俺の学園生活は未だ……終わりそうにない。
予想以上に長くなってしまった……
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