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俺と使い魔の学園生活っ!  作者: ぷにこ
第二章【対抗テスト】
57/114

51『教師とは』

その後、何だかんだで一年生の出番は終了し……


結局アサギ以外の特殊科が3Fにたどり着いた。

3Fには大きな集会所のような部屋があり、天井には各学科のプレートが吊り下げられ

その下に人数分の椅子と小型の掲示板、そして机とメモ用紙が設置されている。


恐らく2Fを突破した生徒がここで反省会もとい談笑を楽しむための場所なのだろう


聞いた話によると、2Fを突破した生徒は校長に挑むこともできるらしいが……

ぶっちゃけそんな気力は無いのでスルーしておく。


「先生方の出番は速攻で終わったしな。あとは終了時刻になるまで待機だな」


「もう終わったんですか……? 先生方の出番は俺たちの後でしょう?

俺が帰ってきてまだ5分も経ってないじゃないですか。幾らなんでも早すぎじゃ……」



ちなみに掲示板には特殊科の総合得点と順位。

そして個人のゴールタイムや点数が映し出されていた



【特殊魔物総合学科】

得点・計算中

順位・計算中


【藤野浩二】

ゴールタイム・3分08秒

学年順位・一位

全体順位・一位

得点・2500

評価・10


【灸蓮寺スミレ】



「……先輩。何ですかこの得点」


「あ? 計算すりゃ出るだろ」


「いやいやいや」


「それより、先生方の得点はでかいからな……結果がどうなるか楽しみだ」



暇そうにペンを回す藤野先輩の話によると

順位とゴールタイムによって点数が決まるらしい


順位が一位なら1000が与えられ、それ以降は100点ずつ下がっていき

さらに学年と全体の順位で二回ボーナスがもらえる。

順位が10位以下だとボーナスは貰えない。


ゴールタイムが5分以内なら500点。1分以内なら1000点。30秒以内なら5000点、

10秒以内で10000点、5秒以内で50000点と

短い時間でゴールすればするほど点数が跳ね上がってゆく仕組みらしい


流石に一分以内で2Fを突破する生徒は居ないらしいが……


ちなみに5分以上かかってしまうと順位ボーナスだけしかもらえないとのことだ

教師は特別に無条件で500点がボーナスとして加算されると説明してくれた


評価はゴールに至るまでの色々が関わってくるらしい。

評価に関する説明が何故か適当だったのが少し気になる


スミレ先輩は学年一位と全体5位の5分12秒で2000点。評価は9。

ノワールは学年一位と全体12位の6分37秒で1000点。評価は8。


俺は……まぁ得点なしの評価は2。どうしてこんなことに……


さらに聞いてみると、個人対抗は40分でリセットされるらしい。

何らかの理由でテストが続行不可能になったり、

40分以内にゴールできなかった生徒は脱落者となり、得点と評価は共に0。


未だ帰還していないアサギは脱落者扱いとなってしまったということだ

いつ帰ってくるんだあいつ……無事だと良いけど



~3F・教師控室~


すでに出番を終えた先生方は職員室(控室)で静かに休んでいた

ある者は新聞を読み耽り、ある者はコーヒーやお茶を啜り、ある者は外を眺め……


先生方の表情は達成感でもなく、後悔でもなく……

全員が等しく考えていることがあった。


――――『またか』


「いやはや。皆さまお疲れ様です~」


2着・特殊科担任 暁

使い魔・記載なし

ゴールタイム・00分14秒

得点・500+900+500+1000+5000=7900pt


()()のメイド服を着た特殊科の担任、暁が笑顔で言った。


どんよりと沈む空気をぶち壊す暁の労いの言葉に、

ずっと黙っていた先生方はがっくりと肩を落とし、やれやれと溜め息を漏らした


「暁先生、校長が参加なさるなら私は参加しませんでしたのに……

何故伝えてくださらなかったのです?」


4着・獣人科担任 リリー

使い魔・グリムキャットⅩ Lv883

ゴールタイム・00分39秒


「そんな……玲紀様はこの学園の立派な教師の一人ですよ。

皆様と何が違うというのですか」


「たとえ同じ職場の同僚だとしても、あの御方と私たちは違いすぎるんです」


リリーの言葉に先生方は頷いたり、そうだなと呟いたり……

いかに校長が恐れられているかが分かる空気である

校長に仕える暁は何とか言い返そうとするが、いかんせん言葉が出てこない。


「校長が出てきたら特別ボーナスの意味が無いじゃねえか

何のために生徒が競ってるんだか。毎年参加するならともかく、気まぐれだしな」


3着・悪魔科担任 グレル

使い魔・グランドデビル Lv896

ゴールタイム・00分21秒


「そ、そんな……」


「別に我々は校長先生を嫌っているわけではありませんよ……

人知れず雑事をこなし、学園のもめ事を軽く解決なさる様は尊敬に値します」


5着・神霊科担任 棲良 美紀

使い魔・グロリアエンブレム Lv768

ゴールタイム・00分49秒


様々な意見が飛び交う職員室、どうすればいいかわからず右往左往する暁。


そんな様子を見て先生方はここぞとばかりに話し始め、

気づいた時には討論となっていた。




「どうしてこんなことに……」


2F迷宮のとある通路。

真っ白な通路を穏やかな光に照らされ、とぼとぼ歩く人影があった。

指定のブレザーに身を包み、大きく湾曲したアホ毛を揺れ動かし

その水色の瞳は今にも泣きだしてしまいそうなほど、潤んでいた。


「……どこ行ったのよ柊ぃ……私一人じゃ何もできないわ」


通路を歩きながら呟く少女、アサギの声を聴く者は居ない。

傍に付いていたはずの深紅のメイド、柊はいつの間にか姿を消し

彼女は一人……終わりの見えない迷宮を彷徨っていた。


そんなアサギがふらふらと通路を歩いていると……


「……ん?」



……アサギが見つけたのは、大きく抉れた白い壁。

明らかに自然にできたものではない。その窪みの中心には……


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