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俺と使い魔の学園生活っ!  作者: ぷにこ
第三章 3編 【夏合宿】
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外伝『語り継がれる伝説』

昔々、七天と呼ばれた魔物たちが人間界へやってきた。

彼らは天変地異を引き起こし、やがて各地へ散っていきました。


この学園があるこの土地は昔、氷に閉ざされた不毛の土地でした。

舞い降りた七天の一角、氷を司る狼『白帝』が住処としていたからです


白帝はどこかへ行ってしまった仲間を憂い、ただ一人寂しく日々を過ごしていました。


そんなある日、白帝のもとに一人の女性が訪れ、白帝の生態を調査し始めました。

女性は愛用の手帳に白帝の日々の様子を書き連ね、時には直接触れ合い、二人の絆は徐々に深まっていきました


しかし氷に閉ざされた土地で過ごすうちに女性が持ち込んだ食料は尽き、やがて女性は倒れました。

白帝は弱り切った彼女の傍で、どうすることもできず寄り添い続けました。


優しかった女性の体が、氷に包まれるその時まで。


それからしばらくして、女性が白帝に殺されたのだと勘違いした人間の王が三人の勇士を募り、白帝のもとへ向かわせました。


もちろん、白帝は女性を殺してなんかいません。

誤解を解くため、そして自らの身を守るため、白帝は女性から託された刀を手に立ち上がりました


三人の勇士は白帝の訴えを無視し、互いに協力して強力な封印術を展開しようとしました。

聞く耳を持たない三人の勇士に白帝は怒り、持ちうる力を解き放ちました


大地は震え、山々は削れ、大いなる空までもが純白に染まり、絶対零度の力が全てを飲み込みました。


白き鎧を纏う騎士はその身を犠牲に作戦の要である魔女を守り、

黒い騎士は邪龍に魂を売り払い、手にした驚異的な力を持って白帝に大きな傷を負わせ、


そして魔女は長い詠唱の末、ついに世界をも閉じ込める封印術を唱えたのです。


傷を負い、弱った白帝は術から逃れられず、『黒い箱』に封じられてしまいました。


役目を終えた魔女は黒い箱に幾重にも封印術を重ね、小さな洞窟に隠しました。

白帝を封じたことにより魔力を帯びた氷は消滅し、やがて大地には緑が生い茂りました。


その後、洞窟は深い森に閉ざされ、

白い騎士の魂は空へと昇って行き、邪龍と成り果てた騎士は闇へと堕ちていきました。


こうして、一人残った魔女は王から沢山の報酬を受け取り、

その全てを注ぎ込んで、森の傍にとても大きな学校を作りました。


学校は人と魔物が共存する場となり、沢山の物語が生まれましたとさ



―――貴女も、この学園で物語を作る一人なのですよ」


「先生と二人っきりのクラスでどんな物語が生まれるのやら。あたしゃ百合の気は無いよ」


「きっと来年は新入生が来ますよ。さ、授業を始めましょう」








――封じられた白帝はやがて森に訪れた青年に救われ、行動を共にすることとなる。


様々な者との出会い、様々な出来事。

やがて老いた青年は白帝に別れを告げ、一人旅立った



長い時を経て再び孤独となった白帝は吹雪を纏い、どこか遠い世界へと去って行ったという。



彼女は今も、新たな主を探し続けている

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